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能力の数は○○の数でした。  作者: つかさん
10/45

010 のんびり出来そうでした。

少しずつブックマークして下さる方が増えていて

大変嬉しいですこれからもよろしくお願いします。


 門をくぐり抜け視界に広がったのは見た事の無い光景で、思わず声に出してしまった。


 「おお〜、建物が、石造りだ。 しかも2階建ての建物もあるし。 凄いな」


 石積みの建築物など観光で行ったお城の石垣か田舎の石塀くらいしか見た事がなく、それが建物として並んでいる事に驚いてしまった。 しかもそれぞれの石材が綺麗に加工され積まれており、整然としつつも生活が感じられ素晴らしく思ったのだ。

 そんな風に景色に夢中になっていると、デイビットさんが馬車を進めながら説明してくれた。


 「ここ、リブリッチは多くの商品が集まってくる為、機能的かつ生活に適した街造りが求められました。 結果、建築技術を持った者、専用の魔法や能力を持った者が集められ、新しい技術や考え方で建てられた物も多い為、周囲の村には見られない建物が多いのですよ」


 「なるほど、そう言う事なんですね・・・」


 せっかくの説明もほぼ聞き流すくらい周囲に目を奪われていた、そんな時ある特徴的な場所を通り更に驚いた。


 「あれ? ここ、ロータリーになってる?」


 そう地元でよく見たロータリーだ。 ラウンドアバウトや最近では環状交差点と呼ばれる独特な形状をした交差点の事だ。 そんなつぶやきにもデイビットさんは答えてくれる。


 「はい、この交差方式はリブリッチ独自の、そしてこの街が発展した大きな要因でもあります。 よくご存知でしたね」


 「あ、えーと、噂で聞いた事があった様な・・・」


 「そうでしたか、確かに初めて訪れた方や行商人にとって、話題にし易い特徴でも有りますからね」


 リブリッチの街の特徴は街自体が大きな円を描く形であり、外壁の内側に

『壁通り』と呼ばれる外壁近くで街を囲む周回路

『内通り』と呼ばれる各門から中央までを半分に分ける位置の周回路

『東通り』『西通り』『南通り』『北通り』と呼ばれ

東西南北にある門から街の中央まで真っ直ぐ繋がる直進路があるとの事。 この6つの通りは全て馬車も通れる道で、歩行者用の道は周回路に並行する形と中央から放射状に伸びる形が有るらしい。


 上空から見たらダーツの的みたいに見えるかな? 最初の転移はかなり高めの高度にしてたから道までは見えなかったもんな。 そんな想像をしていると、それぞれの門の前には広場が、周回路と直進路の交点、街の中央にはロータリーがあって、中央ロータリーの内側は大きく、公園として整備され住民に開放されているらしい。 う〜ん、真ん中に大きな丸で上下左右に小さい丸が2つずつ・・・ ダーツの的には見えないかな。


 各通りの名前を聞いた所で現在位置を確認すると、西通りと内通りの交差点にあるロータリーを半周して更に東の中央ロータリーへ向かっている地点らしい。 つまり、門の前の広場から出たときもロータリーだったはずなのに上ばかり見ていて全然気づかなかった事になる、まさにお上りさん状態だったのか、恥ずかしい。


 目的地であるデイビットさんの商会は中央ロータリー沿いの南西側にあるらしい、ロータリーは右回りの一方通行なので、西側から入ると遠回りした気分になるがこのルートが最短距離になる訳だな。


 と、なぜ馬車に便乗させて貰っただけの俺が街に着いた今もまだ乗っているか、ひと言で言うと、ニッキーの都合だ。

 この後、冒険者ギルドに行き登録する予定だ、とデイビットさんと話していたら、その予定を聞いていたニッキーが、「デイビットさんから依頼完了のサインを貰ったらギルドまで案内するよ」 との提案をし、俺がそれを受けたからなのだ。

 結果、デイビットさんの経営する商会まで行き護衛完了のサインを貰ってからギルドに行くと言う順になったので、街の中を走る今も馬車に同乗している、と言う訳だ。


 街は大きいものの、各通りが整備され馬車や歩行者などの交通かかなりスムーズで、合流でのトラブルや渋滞も一切なく到着はあっという間だった。


 馬車が停められたのは歩道と車道の間の路肩の様な部分で、目の前には高さが周囲より頭一つ大きく3階以上有りそうで、幅も西通りと南通りの間の3割を占めるほどある、大きな建物があった。


 石造りの建物なのに、窓や扉、その他の装飾に木材や金属を巧みに使い、石材の圧迫感を抑えつつ頑強さや暖かみを感じさせるデザインでそれに見入っていると、商会前で待機していた数人の男性が馬車に駆け寄り、1人が降りたデイビットさんと少し話した後、全員で荷台から荷物をおろし始めた。


 その横でニッキーとデイビットさんは依頼完了の手続きをしている。


「では、ニッキーさん、護衛ありがとうございました」


「どういたしまして!」


 そんな言葉を交わしながらお互いのカードを接触させ魔力を通していた。

 言語理解の翻訳で「サインをもらう」と聞こえたけど、実際にはあのカードの承認作業みたいな事を言っていたんだろうな。 と考えながら眺めていたらデイビットさんがこちらに向き姿勢を正し顔つきが変わった。


「それではイサム様。 この度は良い取引、まことにありがとうございました。 ご入用の際は是非、我がペラーズ商会に起こしください」


 そう言って、いつの間にか整列していた従業員らしき人達と共に頭を下げられた。 こんなVIPの様な扱いを受けた事が無いので慌ててしまう。


「え、あ、いや、こ、こちらこそ同乗させて頂きありがとうございました!」


「あはは、イサムさん緊張してる! さ、行くよ、登録するんでしょ! デイビットさんまたね〜!」


 挨拶に戸惑っているとニッキーに押され進み出す。


「そりゃあんなの初めてだし、緊張もするよ。 ところでギルドってどこにあるの?」


「ん? ああ、あっちだよ」


 そう言ってニッキーが指差したのはロータリーの中央方向、大きな中島部分の更に向こうの様だ。


「歩道沿いに進んでも行けるけど、公園を抜けた方が近いからそっちから行くよ!」


 店舗が並ぶ側の歩道から車道の色違いの部分を通って公園側の歩道に渡った。 入り口は東西南北とそれぞれの中間の8ヶ所で他の部分は綺麗な細工が施された鉄柵で囲われている。

 公園の外周は雑木林になっているが、木々の間隔は広く足元は芝生な為、晴れた日中に来たら木漏れ日で気持ちよく昼寝出来そうだ。

 林部分の途中には踏み固められた小路が左右に伸びている所があった、恐らく公園をぐるっと周れるのだろう、朝靄の中の木のトンネル・・・、これもまた気持ち良さそうだ。

 俺が"のんびり妄想"に耽る間もニッキーは関係無く引っ張り続け、林を抜けると中心に向かってやや上り坂で反対側の木の先端が見える程度の丘になっていた。 頂上部分も風が通り抜け気持ち良さそうだったが、もちろんそこもあっという間に駆け抜ける。

 直径は全体で100メートルくらいだっただろうか、その大きな公園を抜け歩道に出た。


「なあ、ニッキー?」


「ん? なに?」


「ギルドってどの辺りにあるんだ?」


「このまま真っ直ぐ行って、内通り沿いにあるよ?」


 ここは公園の北東辺りの出口を出た所でその正面には真っ直ぐ伸びる通路があり通路の開始位置には1本の棒が立っている、車止めかな? つまり歩行者専用の通路って事か。


「ほら、馬車が途切れたし行くよ!」


「お、おう、わりー」


 少し急かされたりもしたが10分弱で目的地に到着した。


「ほら、あれだよ!」


 そこにはデイビットさんの商会に負けずおとらずの大きな建物があった。


 馬車の通路を横切りながら教えてくれる。 渡ってる所の石畳だけ他と色が違うな、さっきから馬車の通路を横切る場所は必ずこうなってるし横断歩道かな?

 ギルドの入り口には西部劇なんかに出てきそうな両開きで上下に隙間がある扉がある。 幅は大人3人くらいは通れそうな広さがある。


「おお、大きいな〜 あれが冒険者ギルドか〜」


 よくあるのはここでニッキーの知り合いに絡まれたりとかがテンプレかな? 俺にもそんな事起きるかな?


 いざ、冒険者ギルドへ!





<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>


「おや? ダミアンさん、どうされました? 険しい顔をされてますが。」


「ん? ああ、すまない。 何でもないんだ」


 2人の男の会話を遮る程の足音が響いた。

 その騒々しさに2人揃って扉に目を向けた瞬間、ノックもなく開かれた。


「デイビット会長! 毛皮! あのフォレストウルフの毛皮! どこで仕入れたんですか!? とんでもない品質じゃないですよあれ!」


「・・・サミュエル。 何度も言っていますがどんな時も扉の前で1呼吸置き、ノックをし、返事を待って入りなさい、来客中ですよ」


「あ、ダミアンさん! いらっしゃいませ!」


「ああ、サム、ところであの毛皮、そんなに良かったか?」


「はい! あっ! ダミアンさんが獲って来られたんですか?」


「いや、俺じゃない」


「毛皮を納品してくださったのは、行商の帰りに知り合った旅の方です、詳しい話は後でしますから、下がりなさい」


「分かりました、失礼します。 ダミアンさん! また剣の稽古お願いしますね!」


 騒々しく現れた男は、騒々しく話し、帰るときも騒々しかった

 少しの沈黙が過ぎ、デイビットが口を開く。


「イサムさんの事、ですかな?」


「ああ、どういう奴なのか測りかねている」


「普通の青年の様に感じましたが」


「だか、あいつは俺に気づいていた様だ」


「まさか! 知っている私ですら忘れる程の【気配遮断】をお持ちですよね?」


「だが、俺が殺気を出す、いや、出そうと考えた時点でこちらを探る素振りを見せた」


「それほどですか・・・ はっ! ニッキーさんは大丈夫なのですか?!」


「ああ、ニッキーはああ見えてその辺りのカンは鋭い、本質的に悪い男では無さそうだ」


「それならいいのですが」



<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>


 イサムがギルドに圧倒されている頃、ペラーズ商会でこんなやり取りがあった事は誰も知らない。



お読み頂きありがとうございました。

今回でようやく3万文字です。

自分が読んでる方々は文字通りケタが違ってますね。


自分で書いてみて改めて凄さを実感しました、頑張って続けたいです。



明日も10時に投稿します。


誤字脱字がありましたら是非教えて下さい。

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