考えるだけ、無駄である
心機一転!また、定期更新の開始です!今日からは二日ずつ更新する予定なので頑張ります!
「……先生来ないな」
「うん。何かあったのかな」
「……もしかして、先日のテロに巻き込まれたんじゃあ」
「……たしかに。さっきの集会でも、居なかったしね」
「いや、けど、理事長に勝ったりしたんだぞ、きっと遅れてくるだけじゃないのか」
「「「「「納得だ!」」」」」
どうやら、生徒達から見ても瞬の評価は他と変わらないようだった。
「……そういえばさ、理事長の席にいた狐可愛くなかった?」
暇を持て余している生徒達は次の話題へと話を膨らませていた。
「本当、そうだよね!理事長が膝の上に乗せてるの見たけど本当に可愛いかった!」
「心なしか理事長の機嫌も良さそうだったよな」
「たしかに、あんなご機嫌な理事長見たの初めてだったわ」
「理事長の使い魔かな?私も将来あんなのを使い魔にしたいなぁ」
―――ガッ
唐突に扉が開かれようとする音がした。
どうやら、先生が来たようだと、先程まで談笑していた生徒達が静まっていく。
―――ガッガッガッ
しかし何故だろうか、一向に扉が開こうとしない。
――――ガッガッガッガッガッ……………ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ「「「「「うるさい!早く入れ!」」」」」
流石に我慢の限界なので、近くにいた生徒が勢いよく扉を開ける。
「……あれ?誰もいなくね」
「下を見ろ下を」
「えっ」
目線を少し下に向けてみると先程まで話題になっていた生物がいた。
しかし、当の本人(?)は唖然としている生徒達をもろともせず教壇に向かっていった。
「いや~、この姿で扉を開けるのがあそこまで苦労するとはなぁ。参った参った。ギリギリまでエルザに引き留められて急いだんだけど、ちっこいせいで距離感的にむっちゃ遠かったわ。遅れてすまんな―――さて、無事、皆も揃っているようだし授業を始めるぞ。あ、おい、カイト!扉の前で突っ立ってないでさっさと席につけ」
「あっ、はい」
ついつい生返事で答えながらカイトと呼ばれた生徒は席についた。
「なんだよ皆。狐に摘ままれた様な顔をして。どうしたんだ?」
―――どうしたもこうしたもねぇよ!
もう、生徒達の脳内処理はパンク寸前だった。もはや、つっこむ気すら湧かない。
「……んー。ま、いっか。あ、俺の事は前みたいにイナバって呼んでくれたら良いから、そこんとこ宜しく!……さて、チョーク、チョークっと」
思いっきり止めを刺してきやがった生徒達はそう感じた。
心の何処かでは、本人ではないと信じていた。
しかし事もあろうに本人の口から堂々と暴露されたではないか。
「……女体化に続いて獣化って……ハハハ。なんかもうどうでもよくなってきた」
生徒達から乾いた笑い声が所々から沸きだしてくる。
―――まさしくそれは達観……いや諦観と言えるものであった。
―――その日、生徒達はまた一つ学んだ。
"考えても無駄な事もある"と―――
「……うわっ、ぺっ、ぺっ。チョークをくわえるんじゃなかった。まっず、うわっ。……板書どうしようかなぁこんな姿だし」
―――当の本人(?)は全く気付いていなかったが……。




