そして最後の幕が上がる
いよいよ第四章もクライマックスです!
(≧∇≦)
「なんだ?なんだ?こりゃあ、大騒ぎじゃねぇか」
今現在、瞬の体を使っている『そいつ』が見たのは戦場と化した都市だった。
「……ん?なんだ?あいつら?……オーガにしては角も生えてねぇし肌の色も違う……ゴブリンにしてはでかすぎるし……何より知性を一切感じないな……何者なんだこいつら」
都市で破壊の限りを尽くしていたのは二メートル程の巨体をもつ怪物だった。どうやら動くもの全てを敵と見なしているようで、中には同族?で殴り合っているのもいた。
「まあ、いっか、取り敢えずこっちも手当たり次第に潰していけばいいだろ!……オラァ!」
――――とにかく今は戦いたい。本能がそれを求めている。そんな感じがした。
「………―――――はぁっ!」
「………―――――っ!」
まず、一番近くにいた奴の首を大鎌ですれ違い様にチョンパする。
そいつは自らの命を刈り取った者の姿を見ることなく絶命していった。
「なんだ……思ったより骨のあるやつかと思えば多少硬い気がする程度じゃねえか………はぁ、期待外れだな……まぁ、しゃぁなし狩ってやるか」
しかし先程高台で都市を見渡したときは数百体はいた。
『そいつ』や瞬といった人外さん達にとってはただ数の多い単純な奴程度の認識であるが、一般の人々にとっては 充分、脅威と成りうる存在に値するだろう。『そいつ』は冷静にそう分析をしていた。
「…………―――――――――!」
ある程度狩り進んでいると、いち早くとある異変に気付いた。
「うげっ………なんだ、この不快な匂いは。どっかで嗅いだことの有る匂いだが……まぁ、いい。発生源は正門の方か!」
急いで屋根づたいに正門に向かって行く。
「おう!そんな急いでどうした?瞬じゃねぇ誰かさんよ!」
突然並走してきたナニカから声を掛けられた。……まさかこいつ、瞬の奴じゃない事を見破ったというのか!?
「……お前、ゴエモンって言ったな。ただの猫の癖になかなかの観察眼じゃねぇか。なんだ?やりあうのか?」
「冗談がきついな。お前は敵じゃない。本能がそう言ってるからお前は味方だ。やりあうつもりはねぇ」
「本能とは、あんたの事を瞬が、気に入った理由がわかった気がするよ。まぁ、今はそれどころじゃねぇ。……お前も感じたのか?この匂いを?」
「匂い?いんや。残念だが、俺はあんたの姿が見えたから来ただけだ。なんかあんのか?」
「ああ。なんかとてもくせぇ。しかもどんどん匂いが増してきてやがる」
「……わかった。内部の敵は俺等に任せな。あんたはそっちの方に行け」
「……へっ。感謝するぜ」
「おう」
………………
…………
……
「―――あんたが黒幕か?」
「おやおや。もう嗅ぎ付けられましたか」
「ああ。生まれつき鼻が利くもんでな」
「そうですか。あぁ、そうだ。私の名前はオリエンテ。【虚無の信仰団】という組織の幹部をさせて頂いている者です」
「そうかい」
余裕を込めて返してやる。
そこには、落ち着いた雰囲気の男性が何かの儀式をしている最中のようだった。へぇ。あんた等の組織名ようやくわかったよ。……にしてもご丁寧に人避けの結界まで張ってやがる。都市で暴れている奴等は陽動って所か。
……それよりも、あいつの背後にある馬鹿デカい魔方陣。どんどん臭くなってやがる。
「まあ、いい。取り敢えずお前、さっさとお縄につけよ。こっちはこんなことに時間を取られたくないんでな」
「それは、それは、残念です。―――しかし!手遅れです!」
「……………――――――なっ!」
突然、男の後にある魔方陣が光始めた。……この系統!召喚系のものか!
暫くして光が止む召喚されていたのは……何だろうか、巨大な蠢く肉塊と表現すればいいだろうか。確かにやばそうだ……けどな…………
「くっせぇぇぇぇええええええええ!!!」
臭い。とにかく臭い。見た目じゃなくて匂いで吐きそうになる。……なんだこれ。
「くっそ、"嵐神の衣"!」
咄嗟にスキル玉を使い、保存していたオリジナルスキル・嵐神の衣を使用する。体を覆うようにして風が纏われる。よし!これでこの臭さも大丈夫だ。
月の紋章によって回復力も爆発的に増加しているから、今の体じゃあスキル玉一つ、どってことない。
いつの間にか前にいた筈のオリエンテは肉塊と一体化していた。うん。上半身だけ出ていてキモい。
「はははははははは!いい!いいぞ!これはいいぞ!素晴らしい!」
「何が素晴らしいか知らんが、知ってるか?世間一般ではそれを『キモい』って言うようだぜ?」
「はっ!異教徒にはわからないんだろうな!この力!流石は我が神だ!」
うん。こいつとは話が一切通じないな。
「まぁ、良いや。折角、自己紹介してくれたんだ元の体じゃないから本名は言うつもりがないが、取り敢えず聞いとけ。―――我が名は"キュウビ"。天下御免の"獣神キュウビ"だ!倒されるまでは覚えとけ!」




