"創造"もやっぱチートだった
今回は短めです。
「そう言えば、今更だけど壁に引っ付いてこの迷宮内を明るくしている石は、なんなんだ」
俺は、壁に近づいていき、光っている石に鑑定をしてみた。
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発光石
常に青白く光る石。この迷宮でしか採取することが出来ない魔力を含んだ鉱石。なお、許容以上の魔力を込めたり、強い衝撃を与えると辺り一面に強い光を放って割れるという、不思議な性質を持っている。
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どうやら面白そうなので、壁から引っ張って見ると、簡単に取ることが出来た。
「いかにもファンタジーの代物だな。まあ、何処かで役に立ちそうだし、これからは採取もしながら進んで行くか」
そう言いながら俺は、無限収納に鉱石を入れながら進んで行くと階段があった。
「ようやく見つけたが、結構時間が掛かるな。まあいい。少しペースを上げて進もう」
俺は、階段を進み次の階層に行く。するといきなり横凪ぎに岩で出来た棍棒のような物が俺目掛けて振るわれて来た。
「くそっ!」
悪態をつきながら天駆を使って回避する。
空を切ったなにかは、壁にぶつかって壮大に土ぼこりを舞わせる。
土ぼこりが晴れるとそこには、ファンタジーの定番とも言える魔物であるゴーレムがいた。
「全く、先制を取って来るとはな。とはいえ剣でゴーレムを相手にするのは、多分今ある技でいけるか?」
俺は、すぐに魔力感知によって、ゴーレムの核が、胸の中心にあることがわかったが、どのみち剣で相手するのは、いささか不利な相手である。
「けど、対策をしていない訳では、無いんだな!」
俺は、剣に魔力を纏わせて剣の先を相手に構えて突撃する。
「"玉砕刺突"!」
俺は、そのままゴーレムの核を目指して自らを矛のようにして、ゴーレムごと核を貫き、ゴーレムはそのまま倒れていった。
「しかしこの技は、思った以上に強力だな。さて、この調子で進んで行くか」
こうして俺は、新しい技(と言う名前の黒歴史)を作った後、「気にしたら負けだ。気にしたら負けだ」と呟きながら進んでいった。
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そのような謎のテンションで進んで行くとあっという間に30層に差しかかった。迷宮とは不思議な物で、30層に入ると洞窟のような地形から鬱蒼と、木々が生い茂る森林がそこにはあり、天井から生えている結晶が、まるで太陽のように輝いていた。
「なんか夜になっているようだし、寝床でも作るか」
そう言うと俺は、階段の側にあった壁に手を当てて、穴をイメージしてスキルを発動する。
「"構築"」
すると一瞬で壁に穴が出来ていた。
「創造もなかなかのチートな能力だな」
俺は、その後何度か構築を使って、壁の中に部屋を作り、入り口を構築によって塞ぐ。
「今日は、いろんな物を手に入れたな」
無限収納から取り出した食料を食べながら途中で手に入れた鉱石を俺は、整理する。
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黒楼石
黒光りする鉱石。かなりの密度を持っており、頑丈であり、衝撃を吸収する特性があるが、加工が難しい鉱石。
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紅蓮石
深紅の色をした鉱石。炎の魔力を持っており、魔力を込めると、炎を出す特性を持っている。魔力の質と量に比例して出てくる炎の質と量が変化する。
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「さてと、思い返せば今日は、とてつもなく濃厚な日だったな」
思い返せばお昼前に召喚されて、女神から力をもらったと思いきやその女神からとんでもない理由で捕まった女神達の解放というこれまた壮大な依頼をされて、召喚先に着いたら迷宮に飛ばされ、迷宮探索をして、乗りで作った技が永久保存されたりと、とてつもなくハードな一日であった。
「まあ、残してきた家族や地球に帰る方法については、心配だけど今は、この世界を楽しみながらフィオリアからの依頼を進めて行こう」
俺は、灯り代わりに出していた発光石をしまって眠りへと、着いた。