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世界は理不尽だけど最高だ  作者: 高旗空
第四章 物語は再び綴られ始める
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恥を捨てて自棄に走る

「――解放ノ武装 装着"縮地""夜叉車"」


開始早々、俺は縮地を使って一瞬で接近。そして、ゼロ距離から仙術でも、高威力を持つ夜叉車を放ち、エルザの姿は瞬く間に漆黒の竜巻の中へと消えていった。


……あわ、やべ。流石にやり過ぎたかな?


「なるほど。なかなかの威力ではないか」


デスヨネー。さっきの心配はやはり杞憂に終わった様だ。まあ、これでやられたらそれまでの奴だったと言うことになるしな。


「……にしても、見たことのない魔法式だな。それで、防いだのか」


「まあな。教えるつもりは無いがな―――次はこちらから行くぞ!"カオスバレット"」


すると、エルザは身の丈はありそうな杖を掲げると周囲に百は越えるであろう虹色のオーラを纏った黒い弾丸を作り出していた。


「え!あ、あの、エルザ。その弾丸から基本属性が全て混ざっている様な気がするんだけど。てか、エルザの属性はそこまで無かった筈なんだけど…………あ!」


其処で俺は気付いた。彼女が掲げている杖全体に黒い糸が巻き付いていることに……。

うん。間違いない。あれがこの魔法のタネだ俺だから分かる。……あれ、俺の尻尾の毛だ。間違いない。


「ん?どうやら、この魔法のタネが判った様だな。どうだ?今の気持ちは?」


一瞬にして俺の複雑な心境を察したのかエルザがニタニタしながら、聞いてきた。……くそぅ。絶対これ、嫌がらせの意味も込めてやがる。


「で、避けなくて良いのか?」


そう言っている間にも確かに無数の弾丸が俺に迫って来ていた。……忘れてた。


「―――っ!"暴虐の嵐"」


俺を中心とした嵐から産み出された漆黒の鎌鼬が無尽蔵に放たれ、弾丸を相殺または地面を抉るなどして周囲を荒れ地に変えていく。


そして、嵐がやんだ瞬間に"破界斬"を横凪ぎに振るい、エルザに黒姫で攻撃しながら天歩で距離を取る。

しかし、空に逃れた瞬間、俺の周囲に無数の魔法式が展開された。いや、違う!これは……"魔術式"!


そして、無慈悲な爆発が俺を襲い、俺は地面に落とされた。


「はぁ……はぁ…。まさか条件発動式の"魔術"を使って来るとは……」


「地に足を付く筈の獣が空に足を付いたのが悪手だったな」


「くそっ、絶対に負かせてやる!」


てか、今気付いたんだけど、黒姫の弾丸も何気無く防がれているっていうね。魔弾だったんだぞさっきの!


『……シュン。あいつ強いな……かなり』


「そりゃそうだ。なんせ昔はあいつ"殲滅の魔導姫"とか呼ばれてたんだぜ」


『……凄い物騒な二つ名なんだな』


「うん。その、普段の行動があれだったからね……」


『苦労したんだな』


「それはもう」


「おい。今なにか"殲滅の魔導姫"とか聞こえたんだが……まだ、それを広めようとするか!」


あ、やべぇ完全に地雷を踏み抜いた。そういやエルザだけはこの二つ名に納得していなかったからなぁ


「いいだろう。お前、私に負けたらまた素材を幾つか貰おうか」


ひっ!やべぇこれで負けたらエルザに尻尾の毛を根こそぎ、むしり採られる。書くなる上は……


「よし、黒姫。一心同体するぞ!」


『え、でも、それをしたらシュンのこの学園での立場が……』


「いいんだ。俺の貞操(尻尾の毛)が守られるんだったら、俺はこの学園の立場とか捨ててやるよ」


そして、いまなお降り注いでいる魔法の弾幕を避けながら、頭に浮かぶ言の葉を紡いでいく。


「『我ら、心 を一つにせしものなり』」


「片や自由、何者にも縛られない者」

前回と同じく、俺の体が漆黒の光に包まれる。


『片や魔、陰の力を象徴する者なり』

魔銃形態の黒姫も紅い光に包まれ、混ざり会う。


「『我ら、二つの心を重ね、仙と妖の頂きに立つ』」


「『一心同体・烏天狗!』」


光が収束し、黒い翼を生やし、物語に出てくるような天狗の装束に身を包んだ、女性がいた。うん。今回は幼女化してない。今の俺の年齢と同じくらいだろう。


「な、何をした!お前は誰だ!」


俺の姿を見たエルザが驚愕して、半ば混乱していた。まあ、これが当然の反応なんだろうな。


「固いこというなって―――さあ、第二ラウンドの開始だ!」


そして、俺は第二ラウンドの始まりを宣誓する。―――学園での立場が終わった事に心の中で泣きながら……ぐすん。

やっちゃった(´・ω・`)


黒狐の毛……始源の力が貯められているため、何にでも使える万能素材。なお、本人曰く、一時間で一本の毛が満タンになるらしい。

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