今思えば、俺の方が年下だった
―――パラ………パラ。
肝心の教室に入って早速聞こえた音がただ、誰かが本を捲っていく音だった。
………気まずい!非常に気まずい!え?なにこれ。教師が来るまでの朝の時間って基本的に駄弁っているのが普通じゃなかったっけ?それに新しい教師だよ、教師!ここって、賑やかに「どんな先生かなー」とか「あんな先生だったら良いねー」って感じに駄弁っているべきだろう!俺だったらそうしてる!
「あのー。何しているんですか?」
……はっ!そういや、ドアを開けっ放しにしてからずっと棒立ちになっていたんだった!
「……あ、ああ。すまん」
取り敢えず当たり障りのない返事をしてから教壇へと立つ。あーなるほど。どうやらこの教室は大学と同じ形になっているわ。あ、自己紹介どうしよ。うーん……
「……ええっと、本日から一ヶ月間このクラスで担任を勤めることになったシュン・イナバです………………以上!」
「ええぇ!いや、ちょっと待ってください以上ですか!」
「え、うん。そうだけど………ああ、そうそう。俺、十五歳(肉体年齢)な」
(((果てしなくどうでもいいし、年下じゃねぇえかこいつ!)))
「ん?どうした?皆、驚いた顔で俺を見て。……はぁ、しょうがない。よし、質問して良いぞ質問。なんならエルザのスリーサイズでも良いぞ。あ、ばらすなよ。俺、この世から消えちゃうからね。…………物理的に」
「え、じゃ、じゃあ理事長のスリーサイズを……」
お、まさか初めからそんな質問が来るとは。素直な奴は嫌いじゃないぞ。
「にしても理事長?ああ、エルザねエルザ。えっと上から「死ねぇぇぇええええこの駄狐!」ぎゃああああ!!!」
「なん、で、お前が、ここ、に」
「死ね」
「ぎゃああああ!!!」
ただ一言、エルザはそう言って容赦なく魔法を放ってきた。……あ、ヤバイもう、駄目。
「……よし、動かないな。さて、これについての質問は私が代わりに答えてやろう」
「り、理事長。その、先生は生きているんですか?」
「いや。多分生きているだろう。一応、獣人族で体は丈夫だろうからな。まあ、死んだなら死んだでいいんだが……残念だ」
「じゃ、じゃあ先生は獣人族の中で何族何ですか?さっき狐と言ってましたけど黒いですし」
「ああ、これ曰く、黒狐族と言えばいいらしい。どうやら狐族の突然変異だそうだ」
「では―――
目覚めてから教えてもらったがこの時間の授業は質問で終わったらしい。
あと、エルザには屋敷に戻ってから土下座して幾つかの秘蔵のアイテムと素材で許して貰った。




