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世界は理不尽だけど最高だ  作者: 高旗空
第四章 物語は再び綴られ始める
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負の遺産(笑)

―――人だかりまで行ってみるとそこには、商人の装いをした男が、即席で作られたかの様なステージで何かを叫んでいる様であった。


「どどど、どうやら、オ、オークションが行われている様でしゅね」


どうやら綺羅の言うとおり、オークションが広場で行われている様であった。

……それにしても綺羅よ。テンパっているのと同時に最後に噛んでるぞ。

はぁ、ホント、なんでこうなっちゃったんだろうかこのポンコツマシーンさんは。


「なるほど、オークションか!なあなあシュン!綺羅!見に行こうではないか!」


止めて!その純粋な期待に満ちた眼差しをするのを止めたげて!俺としては別に構わないんだけど!綺羅が!ここからオークションまで数十メートルも離れた場所なのにこの状態になっちゃってるのに!多分、もう少し近くに寄っていくと綺羅が壊れるよ!(性格的な意味ではとっくの昔に壊れてた気がしたけれども)と言っても、俺の中では既に"綺羅=残念な子"という確固たる方程式が出来上がっていたのは言うまでもない。


けれどもオークションに行ってみたいという気持ちもある。

だって、何がオークションに出されているか気になるし、三百年たったこの時代の物価等も分かるからな。何よりも今俺、暇だからな!(実を言うと乃々を迎えに行くことに関しては諦めちゃってたりする)


「……よし、取り敢えずオークションを見に行って見るか!」


「おおっ!では、早速行こうではないか!」


「……………」


綺羅よ。そんな捨てられた子犬のような目でこちらを見るんじゃあない!もう、行くことは決定しちゃったから!


そんないざこざがあった後、俺達はオークションが行われているであろう広場に近づいていった。


「――という訳で、この火竜のローブは金貨1200枚で落札されました!」


どうやら丁度落札されたようだ。……にしても火竜のローブで金貨1200枚かぁ。どうやら昔と物価はそう、変わっていなかった様だ。そんな事を考えているとオークションでは、次の商品が発表されようとしていた。


「さて!お次はこれだぁぁあああ!」


そう言って司会をしていたノリノリの男が出してきたのは刀身に女性の姿が銀細工であしらわれているきらびやかなレイピアであった。


「嘘か真かこの細剣は遥か昔に作られたと言われているのにも関わらず一切老朽化せずに残っているとしか分かっていない、銘も不明、能力も不明の一品です!さあ!あなたはこの謎に満ちた細剣を買うか買わないか!では、オークションスタートです!」


「おおっ!なんか凄そうな細剣だな!シュン!あれ?シュンどうしたんのだ!?そんなに冷や汗をかいて!?」


「いい、いやなに。そっそうだぁー!もう、俺の目的は果たしたし、あっちの区画に行こうぜ!な?な?」


「……何故いきなり挙動不審になっているのですか。……まさか、金貨2000枚!」


「おお!まさかの美しい御方から金貨2000枚が出ました!2000枚以上を出す人はいませんか?……はい!という訳でこの正体不明の細剣は金貨2000枚で落札されました!」


司会の人がそう言いきると、綺羅は舞台に落札した品物を取りに行っていた。……え!?あの綺羅が大衆の面前に立っているだと!?そ、そんな馬鹿な!まさかあいつは偽者だったのか!後、そのお金はどっから出してきたんだ。

俺と黒姫がその衝撃的な光景に目を奪われていると、いつの間にか、綺羅が戻ってきていた。


「お、お前、綺羅なのか?もしかして偽者か?」


「ええぇ!違いますよマスター!本物です!偽者じゃあありませんって!ちょっと視覚情報と聴覚情報を弄って対応しただけです!それよりもマスターこれなんですけど……」


そう言って綺羅がさっき落札したレイピアを見せてきた。わっすれてたぁぁあああ!

そして、綺羅は俺が一番危惧していた事をやった。


「……神聖なる乙女の涙の細剣。何ですかこの変にロマンチックな名前の細剣。それにこれ作ったのマスターですよね。これって黒歴史だったりしますか?」


「いやぁぁぁああああ」


そうだよ。これ、俺が昔、ライノ達と酒を飲んでいて、酔った勢いで作った奴だよ!その名前を付けたことから暫くの間、仲間内から―――


「おおっ、あいつの黒歴史を金貨2000枚で落札した物好きを見に来てみれば。ロマンチック卿であったか……………ぶふっ」


そうだよ!ロマンチック卿っていう不名誉なあだ名で暫くの間呼ばれたんだよ!


「てか、笑うな!……え、てか何でその名前を知っているんだ!」


咄嗟に後ろを向くと、薔薇の刺繍を施されたドレスを着たボン、キュ、ボンな体つきをした女性がいた。もう一度言う。ボン、キュ、ボンだ!


「てか、これを出品したのお前だったのかよエルザ。久し振りだな」


「ああ。久しいなイナバ」


その女性の名前はエルザ。かって一緒に冒険者ギルドを創設したメンバーの一人であった。




黒姫「そういえば、金貨2000枚は何処から出したのだ?」


綺羅「千草から金貨5000枚貰ったのでそこから出しました!どうやら三百年の内にかなりの額を稼いでいた様なので」


◇◆◇◆◇


神聖なる乙女の涙の細剣:"聖女の慈愛の籠った涙"を素材に作られたとされる、何を言っているのか分からない細剣。なお、この細剣に付与されている能力スキルは、"不壊""不死族特攻""回復量増加(極大)"が付与されている何気に凄い一品。*なお、瞬は酒に酔いながらもこれを数分で作っていたりする。


瞬「……なんでこんなもの作ったんだろう」


エルザ「そもそも、"聖女の慈愛の籠った涙"とは、どっから手に入れたのだ。くくっ、笑いすぎて腹がいたいわ」

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