で、どうする?
あれから結局、俺達はそれぞれ二班に分かれて行動をすることにした。
まずは、乃々のお迎えをする班(略称、お迎え班)だ。
これには、俺、綺羅、黒姫となっており、全体的に高火力を誇るメンバーを選んだごり押し班だ。
そしてもう一つは魔王と御対面する班(略称、魔王班)だ。
ここには、残りのメンバーである、千草、白姫、クレハとなっており、俺の班と違って、前衛のクレハ、中衛の千草、後衛の白姫と、かなりバランスが取れたものとなった。
そして次の日の朝、魔王班の皆は早々に宿を経って、魔王の所へと向かったようである。
え?なんで、"ようだ"かって?そりゃあ、俺と綺羅と黒姫は、朝が弱かったから、起きたら居なかったっていうのが現実だからね。
「……なあ、今思ったんだけどさぁ…………はむっ」
「ん?どうしましたかマスター?…………あ、水酌んでくれませんか?」
「…………ぷはぁ。私も頼む!」
「はいよ。…………ほれ。いやさ、これからどうしよっかなぁって思ってさぁ…………すいませーんスープお代わりでー!」
「そういえば、そうだったな。お姉ちゃん達は魔王の居場所が分かっているから良いものをこちらはその乃々とやらが何処に居るのか分からないでは無いか…………あ、誰かパン取ってくれ」
「ほい。…………それなんだよなぁ。あ、そういや乃々に俺の事伝えたのってお前の通信機だろ。なんか逆探知的な事出来ないの?こうっ、機械的な感じに」
「いやりその、確かにそれは出来ますよ。恐らくですけど、それ、今はもう探知出来ないのでもう壊れているかも知れません。……乃々さんですし…………あ、私はもう、ごちそうさまです」
「……ふむ。その乃々とやらはそこまで幼稚なのか?………あ、私もごちそうさまだ」
「うんうん。まじまじ。本気と書いてマジ。正直、見たら分かると思うけど、外見=精神年齢な奴だから。まあ、綺羅よりも強いんだけどな。…………え?まじで?もうごちそうさま?あ、ちょっと待って、もうすぐ食べ終わるから!」
取り敢えず俺は話を切り上げるとさっさと飯を食べ終えてお勘定に移る。
「ごちそうさまでしたー」
「はいよ。にしてもあんたらよく食べたねぇ。ほら、銅貨8枚ね」
「どもっ。はい、八枚」
「確かに。また来なよ!」
会計をやり終えた俺達は取り敢えずこの一帯を回ることにした。
「で、実際問題どうする?こっちはある意味ではハードモードだよ?これ?探し人はこの大陸に入っているかも知れませんっていう情報しかないけど」
「そういえば、シュンは通話の出来る魔道具を持っていなかったか?」
「あー。あれね。確かにあるけどさぁ。使いたくないんだよね。今んところこの世界にいるとされる九人は、よくも悪くも個性的なんだよなぁ」
「そうなのか?まあ、確かに綺羅は残念だが……」
「そう言いながら可哀想な子を見る目で二人とも見るのを止めてくれませんか!」
「あ、安心しろ。綺羅も残念だけどもっとやばい奴もいるから。まあ、千草みたいな常識人も、いるから」
「そうか。しかし会ってみたいものだな。その残りの奴らに」
「まあ、黒姫の気持ちも分かるけど伝えない理由はもう一つある―――そうっ!浪漫だっ!」
「「…………?」」
二人の頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいるのが見えた。……スベってなんか無い。スベってなんか無いんだ。
「ま、まぁ、ともかくぅ。それで良いんだよそれで。向こうから来てくれるよりもこっちから行った方が心の準備が出来るしっ!時間をかなり遅くして皆に俺が生きている事を教えたし!」
「は、はあ」
「う、うむ?」
その微妙な反応に少しショックを受けていると噴水のある広場に人だかりが出来ていた。
「暇だし、野次馬でもしに行くか」
面倒事にはならないだろう。多分。




