やって慣れろ。説明は面倒
「あ、そうだ。お前らにこれやるよ」
そろそろ本気で戻らないとあちらが心配なので―――厳密には綺羅だけだが―――綺羅との念話で、帰る算段がついたときに、俺は黒色に輝くクリスタルを岩下に渡した。
「ん?なんだこれ?」
「ああ、それ、迷宮のコア。地面に埋めると、迷宮が発生する代物だわ」
「「「「「ちょっと待て」」」」」
「ほぇっ!?」
やべ、いきなり皆が話してきたせいで、変な声が出たじゃないか!
え?なに?今度は何がおかしいんですか?只のお手製の迷宮のコアだよ?危険性は多分無いと思うんですけど。
「なんでお前が、「何言ってんだこいつ」って目で俺達を見るんだよ!迷宮のコアって、なんだよ!もう少し説明が欲しいんだが」
「やだなぁそこは、ほら、ゲームを始めるときに説明書を読まなかったり、チュートリアルをとばす人達の様に、やってみて、慣れればいいでだろ?な?……まあ、俺は説明書とかは見る方だけど」
「おいおいおいおい!やりながら慣れろとか言っている癖になんで、お前だけ説明書を読んでんだよ!」
「……え、そりゃあ説明書とか使わないと、どうやればいいのかわかんないし」
「俺等もだよ!てか、迷宮って、突如として現れた謎の建造物じゃなかったっけ!?なんでお前は、当たり前の様にこんなん渡してくれちゃだてんの!?馬鹿なの?馬鹿なのか!」
「……多分、馬鹿かなぁ」
「……肯定しやがったぞこいつ!」
素直に疑問に答えてやったのに何故か皆が俺を戦慄した目で見てきた。
え、なに?なんか悪いことしたの?もしかして、馬鹿には人権がないとかいうクレイジーな国だったのここ?うわーないわー。
「だ か ら なんで、いちいちそう、変に反応しているんだ!?あー、もういい。さっさと説明してくれ!」
あっれぇなんか前の世界の時と岩下のキャラが変わっている様な……まあ、深くは追求しないでおこう。うん。
「さっき、作り方は説明したから迷宮の中について説明するぞ。まず、埋めると、そこから……たしか扉っぽいものと石板が出る。使用者は石板に手を当てるとそいつは迷宮に入れる様になる。あ、パーティーとか予め組んでいたらそいつ等も一緒に入れるぞ、で、道中にはまあ、魔物がいる。で、最深部にいるボスを倒したらクリアで、さっきよりもちょっと強くなった難易度で挑戦できる。あ、安心しろ。中からは突出も出来るし、死んだり怪我を負っても迷宮の外に出たら全て元通りだから。装備もな。で最後に、この中に入ると、パーティーとかを組んでいない限りは、誰とも出会わない仕組みになってる。所謂プライベート空間だな。迷宮についての説明は以上だ。わかった?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ええっと、迷宮は……」
「あ、そうだ。安心してくれ。迷宮の入り口にはパンフレットを配置してるしよくわからなかったらそれを見てくれ」
「あるのかよ!なんで、そんな便利なもんが有るのに早く言わないんだ!」
「いや、だからさっき、言ったじゃん。やって慣れろって」
「わかるかぁぁぁああああ!」
「ま、いっか。じゃあ俺は先に帰っとくわ。ちびっこイナバくんを忘れない様にしてくれよ千草」
「承知致しました」
「じゃあ皆、またね~」
「お、ちょっ、いな―――」
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「………うう」
ちびっこイナバくんの憑依を解くと先程まで一切光を浴びてなかったかの様な目に光が差し込んできた。
「ふわぁぁぁああ」
取り敢えず欠伸をしてから辺りを見回す。そこには、木陰で寝ている白姫と黒姫姉妹と、千草を呼び出そうとしている綺羅(人間形態)がいた。
「おう、綺羅。大丈夫だったか?」
「あ!マスター。戻って来たんですね。丁度、千草さんを呼び出している所です」
そう、綺羅が言い切ると同時に、目の前で光が溢れ、千草とクレハがいた。……………クレハ!?
「え、ちょ、なんで、クレハが居るの!?」
俺が驚いている中、クレハはこう言った。
「来ちゃった☆」
「チェンジで」
「……ちっ」
こうして俺等の旅にクレハが加わった。
こんなのだけど、第三章完結です!
いや~。程よく主人公のパーティーが混沌としてきましたね。と言っても次の章で現れる乃々が加わるともっと混沌となる予定です。
……あれ?それっていいのか?ま、いっか、いいよね(責任放棄)。
という訳でこれからもよろしくお願いします!




