ゲスだと?俺は悪くない
……難産……でした。
さて、伝えたことは伝えた。
帰るか。
「おい、稲葉。お前、どこ行くんだよ」
帰ろうと、外に出ようとしたら岩下に引き留められた。……何なんだ?なんか用事を作る様な事をやったっけ?
「ん?どうした?」
「いや、今思ったんだけどお前とクレハさんの関係って何なんだ?クソ師匠がどうとか言ってた様な気がするんだが」
「あれ?言ってなかったっけ?まあ、あれだな俺とクレハは所謂、師弟関係ってやつだな」
そう、言うとクラスメイト達は驚いた様な顔をしていた。
そこまでの事かな?……あ!そっか、多分だけど、元居た世界ではこういった師弟関係が珍しかったからこうなっているんだろう。……多分。
「よ、要するに稲葉はクレハさん並に強いって事なのか?」
「昔は、そうだったな。と言っても今は完全に能力値が初期化したせいで、やれると言っても何とか致命傷を負わす程度だぞ」
「いやいやいやいや、それでも充分強いから!?てか、本当に昔のお前ってどんだけだったんだよ!?この星を滅ぼせる位の能力でもあったのかよ!?」
「うん。あったよ」
「あったのかよ!?」
「まあ、安心しろ。今の俺はちびっこイナバくんもとい憑依操作型人形っていう魔道具だからそこまでの力は無いから………………まあ、今、側にいる奴等の方がやばいけど」
「最後に何を言ったんだ!?おい!?」
はぁ、さっきから岩下が五月蝿い。
こいつってこんなキャラだったっけ。と言ってもこの話を収集するのはするので面倒くさい。……なんか手っ取り早くて、楽な方法は………あ!そうだ!
「なあ、岩下。要するに俺が強いって証明すれば良いってことだよな」
「あ、ああ。そうだな。(あ、あれ?そうだったかな?……なんか変な方向に行っているがまあ、良いか)」
「と、言うわけでクレハ。戦って」
「そうだな。……まあ、分かった。やろう」
よし、後は戦うだけだ。
それから丁度、ここが訓練場だったので、早速ここで戦う事になった。
「……にしてもお前と手合わせするのはかなり久しぶりだな。ちゃんと鍛練していたか?」
「当たり前だな。しかし、その姿で戦うのか?」
フッ。そこに気が付いたか。
綺羅!綺羅!聞こえてるか!例の準備は完了したか!
頭で念じ終えてから暫くすると、頭の中へと返答が帰って来た。
『は、はい!準備完了です!……けど、これで良いんでしょうか。なんかとてつもない罪悪感がするんですが』
だまらっしゃい!一応は同意済みなんだから!ほらっ、やっちゃって!
『はぁ、もう知りませんよマスター。座標確認―――"座標交換"!』
その瞬間、俺の背後には獣人形態の千草が居た。
「千草、参上致しました」
出てくれると千草は丁寧に礼をして、混乱しているクレハを見据えていた。
「そういえば、クレハ。俺、言ったよな。+αと戦わせてあげるってさっき」
「え!ちょ、な、なんで千草が!と言うか戦うんじゃあないのか!」
「え?だって、戦うとは言ったけど"俺が"戦うとは一言も言ってないよ?それに千草も同意の上だし、そもそもさ、―――家族の実力は俺の力でも有るんだよ!」
(((((ゲスだこいつ!)))))




