ちょっとした回想
―――時を遡り、瞬達がぶっちゃけ邪魔と言う理由で冒険者ギルドを出てすぐの事だった。
「で、こっから何処に行けば良いんだ?俺、この三日間は修行するために引きこもってたから結局の所、情報を全く集めて無いんだよなぁ」
「そうですね。次に向かうのは城塞都市アークレンを目指して行けばいいと思いますよ」
「城塞都市アークレン?何だか物騒な名前の都市だな」
「それは、今回の私達の目的地である魔王領のすぐ隣に在るため、魔物の襲撃が多いため、魔物を撃退する装備を兼ね備えている事から城塞都市と名付けられた様ですよ。
と言ってもまあ、魔王領で魔物が発生しやすいというだけで有って、魔物の襲撃と魔王は無関係なんですけどね」
なるほど。確か、今のところの第一目的は、最近になって急に活発化してきた魔王一派への訪問であるので、今回の千草の選択は称賛するべき事なのだろう。
「なるほどな。ありがとな千草」
「いえ、当然の事をしたまでです。ご主人様」
そう言って恭しく答える千草。
あらやだ。この子すごい律儀!
「さて、となると後は移動手段だな。皆どうする?」
頭を切り替えて今度は移動手段について考えてみる。
候補としては、色々と有るが何が良いだろうか。
暫く考えていると、ふと、周りの人達に相変わらずオロオロしている綺羅の姿が目に入る。
ん?待てよ。そうだ!家には便利な移動手段が有ったじゃないか!
「そうだ。綺羅、お前だ!綺羅の転移能力を使えば一瞬じゃん!」
「えっ!わ、私!?」
いきなり自分を指摘された事によって、あたふたしている家の綺羅《コミュ障》。
しかーし!こんな子でも、使いようによっては超有能になる。
正直、総合的な能力は随一なんだけどやっぱり、この性格をどうにかしなければ持ち腐れも良いところである。
大丈夫!俺は綺羅の事は、やればできる子だと思っているから!
「なるほど。綺羅の転移能力とは名案ですね」
「確かに綺羅さんの能力なら行けそうだね」
「空間を通り抜けたと思ったらすぐだったからな!」
そして、千草、白姫、黒姫もそれぞれ賛同してくれる。
よし、皆納得の様だし綺羅よ。"門"を開くのだ!あっ、見られたら不味いし郊外でね。
そんな皆の期待の中、綺羅が物凄く申し訳なさそうに衝撃の発言をした。
「あ、あの!すいません!私の"門"なんですが、一度行った事のある場所しかいけないので無理です!」
その瞬間、一瞬だけ、時が止まった様な気がした。
そっかぁ。そうだよね。よく考えたら当然の事だったよ。
『コミュ障が一人で都市に行く』
そんな事を家の綺羅がするわけ無ぇえよ!
「うん。ごめん綺羅。俺達が綺羅の残念度を入れてなかったばっかりに。そうだよね。ごめん」
「残念度って何ですか!私そこまで残念ですか!」
俺達は綺羅を見て一斉に溜め息をつく。
「ちょっとぉ!今の反応は何ですか!ちょっと、マスター!目を合わせて下さい!お願いですから!」
本当、残念な子である。
そんな綺羅を見て、俺はもう一つの方法を思い付いた。
「あ、そうだ。綺羅の能力というか機能に確か"形態変化"有るんだし、それ使えば良いじゃん」
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こうして、綺羅は "形態変化"を使って白銀のバイクに変形しそれに乗って移動する事になったのである。




