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世界は理不尽だけど最高だ  作者: 高旗空
第三章 波乱万丈な二度目の異世界
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目覚めてから見える天井はまじで知らない

「…はぁ…はぁ……危なかった」


俺は悪態をつきながらも仙術秘眼を使って魔力を仙力に変換しながら天歩を使い、王宮から脱出し、王都の路地裏の壁にもたれていた。


「大丈夫ですか?かなりの魔力と仙力を消費していましたが?」


「そうだぞ。余り無茶は好ましくないぞ。それにさっきの丸薬の後の技は何だったんだ?」


白姫と黒姫が心配してくれる。あー嬉しいわー。


「……ああ、辛うじて今は(・・)大丈夫だが正直言って、あと数分で倒れると思う」


「どういう事ですか!仮にあの丸薬が原因だとしても一体何故そこまでするんですか!」


白姫が切羽詰まった顔で追求してくる。……しかし今は意識が朦朧としており、余り体力も残っていないというのが今の現状だった。


「……すまない……質問は積もるほど有ると思うが今は俺の話を聞いてくれ。……まあ、簡単な事を二つだ。……一つは俺が倒れた後の安全の確保。二つ目はまあ、出来ればでいいが、綺羅を充電ならぬ充魔をしてくれないか……まあ、刀に魔力を流し込んでおけば勝手に出てくる。……後は……頼…んだ……」


言うだけ言って俺の意識は闇の中に沈んでいった。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



目が覚めると知らない天井が見えた。


ふむ。部屋を見る限りでは宿ではなくここが一軒家だとわかる。なるほど………………え!?


まてまてまてまてまてまて!まじで何処だよここ!


「んー。まあ、少なくとも白姫と黒姫が運んでくれた筈だし大丈夫ってことでいっか」


頭の中で簡単に結論を出したあと、取り敢えず部屋から出てみる事にした。

にしても誰の家なんだろ?それによく俺達をこの家に招いてくれたよなぁ。ホント誰だろう?


そうこうしているうちに途中にあった階段を降りきったら、リビングっぽい所に出た。案の定、そこには白姫と黒姫、さらには綺羅までいた。


「シュンさん!良かった!目が覚めたんですね!」


早速白姫が俺をみた途端に抱き付いて来た。


「おお!目覚めたんだなシュン!」


「ああ。にしてもあの後から何があったんだ?それと俺が倒れてから何日経ったんで?」


「ああそれについてはですね」


それから白姫が丁寧に話してくれたがぶっちゃけ長かったので簡単に話すと、俺が倒れてから黒姫と俺をどうしようかと話していたところ獣人族の女性が通りかかり、俺達を保護してくれたらしい。そうして彼女の家におじゃました後、白姫と黒姫は綺羅に魔力を充魔させて復活させてくれたらしい。ついでにあの日から三日経ったらしい。


「にしても、獣人族の女性かぁ。いい人もいるんだなぁ誰だろ?てかその人は?」


その話を聞くと改めてこの世界が平和になったんだと実感させられて嬉しい。


「ああ、彼女でしたら買い物に行きましたよ。それよりもシュンさん。あの丸薬は一体何だったんですか」


「……やっぱそれを聞くか」


「それについては私も知りたいですマスター」


どうやら二人に留まらず綺羅までも興味があったようだ。


「あれは"スキル玉"だよ」


「スキル玉……ですか?」


怪訝な顔で返答を求められた。……わ、わかってるもん。流石にこのネーミングセンスはどうかと思うよ。


「い、一応俺の名誉の為に言っておくがこの名前を付けたのは俺じゃないぞ。時雨のやつだ」


「なるほど。時雨さんですか。たしかにあの人のネーミングセンスは残念でしたからね。にしてもスキル玉とは一体どのような効果を持っているのですか?」


「まあ、効果は二つだけで一つはスキルのコピー。もう一つは摂取した者があらかじめコピーしていたスキルを発揮出来るという効果だけど欠点は幾つかあって、どのスキルもコピー出来る代わりにスキルの希少価値が高くなればなるほど、身体への影響が大きい事。もう一つは一回しか使えない使い捨てと言う点だな。ついでに、あの時発動したスキルは生前のオリジナルスキルの一つだ」


「……なるほど。スキルのコピー。そのような物を開発していたんですか。流石ですマスター」


「いやいや。俺は案を出しただけで実際に作ったのは時雨だから。それにしても綺羅が目覚めた時にこの家の主人は驚かなかったのか?」


「いえ、むしろ驚いたのはこっちですよ。と言うよりも私達がよく知っている人物でしたよ」


「えっ、それって」


綺羅に問い詰めようとするとカランカランとドアベルがなった。どうやらこの家の主人が帰って来たようだった。


「どうやら目覚めたようですね。無事だったようで嬉しいです」


その声の主は獣人族の栗鼠族の女性だったが、普通の栗鼠族と違い、毛色がエメラルドグリーンで、額には赤色の宝石があった。


「……千草ちぐさ、なのか」


「ええ、本当にご無事で何よりですご主人様」


この家の主人である彼女―――千草はかつての俺の『家族』の一人であった。

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