協力する事にした
「という訳で、五大女神を探し出して彼女達にかかっている封印を、解いて解放してください」
「いやいやいや、ちょっと待て。というかそろそろお前も声だけじゃなくて姿を見せろよ」
ぶっちゃけ、もうちょっと言いたいことが山のようにあるが、先ずは姿を見せてもらわない限り、俺はただ虚空につっこんでいる阿呆にしか見えない。―――案外これが理由の一部であったりしている。
「それもそうですね。……では」
そう言い残されると、俺の目の前で光が弾け、そこには美しく長い銀髪と薄い紫色の瞳を携えてどこか妖艶であり、神秘的な雰囲気な17,8歳の女性が表れた。……いや、神様らしいし神秘的なのは当たり前か。
「では改めて、私が運命と創造の女神フィオリアです。フィオリアとでも呼んで下さい」
「ああ、わかった。じゃあ早速フィオリアと呼ばせてもらうよ」
「ええ」
「じゃあとりあえず女神達が捕らわれているとか以前に、五大女神とはなんなんだ」
「ああ、そういえばそこについては説明していませんでしたね。五大女神とはこの世界の基盤を作った五人の女神を、指しており豊穣と医療の女神ヴィオラ、知識と技能の女神アイリス、時と空間の女神デネフ、調停と罪の女神フォーレンス、そして私こと、運命と創造の女神フィオリアのことを総称して五大女神と呼ばれています」
どうやらフィオリアは、凄そうな女神の一人だったらしい。
「なるほど、五大女神については、わかったが五大女神が捕らわれているとは、どういうことなんだ」
「それについては少し昔話をさせて頂きます。……今から300年程前、この世界は平和でした。しかしある時、この世界ではない異世界との穴が突然開き、そこから数百万の機械生命体の軍団を率いて異世界の邪神がこの世界を侵略しようと攻めて来ました。途中参戦という形にはなりましたが私達も必死で戦った結果、突然、相手の機械生命体の中の一体が邪神に反乱を起こし、邪神の軍団が不安定になった隙をつくことにより、形勢を逆転させ、なんとか残った私ですが、口伝となりましたが、どうやら邪神は私以外の女神を封印していたようでした。しかし今回あなた達が召喚されている中、貴方には"解放"という力が備わっていることを知り、こうして女神達の解放をお願いをしにきたという訳です」
フィオリアの瞳を見てみるとそこには強い意志があり、この話が嘘でないことを表していた。
……けど、話が長い。
「わかったが、本当に俺なんかでいいのか?」
「先程も説明したのも含めると理由は三つあります。
一つ目は、あなたの冷静さ。
二つ目は、あなたが、得た"解放"の能力。
三つ目は、只単にあなたが面白そうだからです」
「……なるほど。一つ目と二つ目は、わかったが、三つ目の面白そうって、なんなんだ!なんか物凄く不安になったんですけど!」
「まあ、良いじゃありませんか。……そこは私の勘ですけど」
「最後に完璧に不安なこと言ったよなぁ!」
今この瞬間、瞬の中でのフィオリアの初めに会った時の印象は、大きく音を、立てて崩れ去っていった。……まぁ、きっと、打算もあるに違いない。……多分。
「さて、そろそろ時間ですね。あなたも他の人達と同じ時間と場所に召喚されるようにしたのでご安心を」
「まあ、とりあえずその役目は任してくれ。あっ!後、偽装スキルってのがあったら俺に与えてくれないか。周りの奴らを、巻き込みたくないし」
「それでしたらこれを」
どこからかフィオリアは、黒と金を基調とした腕輪を取り出した。
「これは、"プロテクションブレス"と言い、登録した者との念話、無限収納、固有スキル鑑定、偽装そして不壊、強奪不可、スキル補助の加護を、かけています。ついでに私との念話は、もう可能です」
なにその便利アイテム。
もらっとくけど。
「ありがとな。ただし、全ての五大女神を解放したら元の世界へ帰るのを手伝ってくれよ?」
「ええ、良いでしょう。では転送します今度こそ御武運を」
そして瞬がいなくなった白い空間で
「……頼みますよ、シュン様」
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「やった、成功だ!」
光に包まれた先で、一番にそんな声が、聞こえた。
こうして俺達は、異世界に召喚された。
ついに異世界に召喚させました。
ここからは、それなりに文章量を増やして投稿するつもりです。
これから誤字脱字も、あるかもしれませんが、よろしくお願いします。m(__)m