突然の訪問者
フィオリア達が訓練場から立ち去り、訓練場には俺を含めた三人が残って、思い思いに話をしていた。
「いやでも、びっくりしましたよー精霊神様を解放したのがイナバさんだったなんて」
「そうだねぇ~。それに姿も変わっているしねぇ」
「いやまあそうだなぁー。といっても今の実力は全盛期の三分の一(適当)にもみてないんだけどな!」
「なに気楽に言っているんですか!それって不味いですよ!」
アリーが、そんな事を言ってくる。……今更だけどやっぱ名前の頭文字の一部をとってアリーって単純過ぎたかな?女の子の名前みたいだし。
そんなどうでもいいことを考えていると二人が睨んできた。……まさか!俺の思考がわかるだと!……あ、ヤバい怖い。よし!まともに考えよう……。
「あ!お前らの主に殴られたら一発で天に召されるわ!」
「「ちょっと主の所に用事思い出した」」
そう言って二人が立ち去ろうと立ち上がったので、俺は必死にとめる。まだ、死にたくありません!
「ちょっと待って!すんません俺が悪かったです。どうかこの哀れな人間にご慈悲を!」
もう、土下座だ。……プライド?そんなもんとっくの大昔に捨てたわ!
「で、まともな話、お前らがそこまで慌てるほど『俺の存在』は不味い物なのか?確かにこの世界から消える時に"神にも匹敵する武装"をいくつかこの世界にばらしたりしたけどさ。それ以外心当たりないし正直わからんけど」
ぶっちゃけそれしか心当たりがない。
「ちょぉぉおおおっと待って下さい。今何て言いましたか!?」
「正直わからん」
「いや!そこじゃない!前ですよ!神にも匹敵する武装ってどういうこと!」
「いや、言葉道理の意味で。それより各大陸から小太刀見つからなかったか?」
「また爆弾落としたぁぁぁあああ!!」
アリーが、暴走した。……正直鬱陶しい。ストレスでも溜まっていたんだろう。
「小太刀ってなぁあに?」
「ん~。実はねーその小太刀は―――」
そう言い掛けたとき突如として爆発音が響き渡った。
「え、なに。これも精霊族の伝統かなんかか?」
「そんな伝統は御免だねぇ。……それよりこの音、精霊神様達の所からよ!」
「とりあえず行くか」
そして俺達は音がした所へ向かっていった。
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フィオリアside
時は少し遡って一足先にフィオリア達は精霊王の間に集まっていた。
そして現在、当初の目的である、白姫と黒姫の星導十二精霊入りが認められたという事で、解散という流れになり、ここにはフィオリア、アイリス、精霊王、レオン、リーブラの五人が集まっていた。
「にしても、一杯食わされましたよ。まさかシュンさんが三百年前まで存在していた人間だったとは」
そう呑気に話すのは先程まで戦っていたレオンだ。
「確かにその通りですね。……しかしレオンを凌ぐ程の実力者ということは三百年以上前の"覇権の時代"を生き抜いていた人間ということですょうか?しかしシュン・イナバという名前は聞いた事がありませんね」
確かにその通りです。まさか本当に"あの方"の言うとおりにしたらこのようになってしまうとは、シュンさんはあの方と関わりが会ったのでしょうか。
「あったぞ!シュンについての"知識"が」
さっきまで沈黙していたアイリスがどうやらシュンさんの知識を見つけたようです。伊達に知識を司っているだけはあります。
「といっても、"シュン"というより"イナバ"の方の知識だったんだがな」
「そうなんですか?それよりなにが有ったんですか?」
バチンバチン
その時、空間が開かれる甲高い音が響き渡った。そして目の前に穴が空き、一人の人間の女性が出てきた。腰まで伸びている銀髪。そして特徴的な金銀妖瞳。しかしそれは人ではなかった。それは、所々から露出している機械の部分が物語っていた。
「あれはまさか……何故"邪神の尖兵"であるあなたが生きているのですか!」
その瞬間全員が身構えた。
そう、それは人間ではなかったかつて異世界からきた"人形"であった。
「敵対行動を確認。目標は不在。敵対する者達の排除に移ります」
そう言いきった瞬間。レオンとリーブラが襲い掛かっていた。
すると人形はため息をつくような動きをしたように見えた。
「……やれやれいきなりですか。全砲門解放―――全方位空間圧縮砲、ファイヤ!」
そして辺りが光に包まれた。
次回。一章最後の伏線回収の予定です。




