一難去ってまた一難
「……ん?誰だてめぇ?……何で俺の名を知ってるんだ?というか、何者だ?空から墜ちてきた変な竜といい、お前のような喋る子狐といいよぉ」
再会した第一声がこれだった。
というか、むっちゃ睨んできた。眼力ハンパないわ、これ。
……いや、うん。そうだよね。いきなり空から変な竜が墜ちてきたのをキャッチしたと思ったら、そこから自分の名前を知る喋る子狐が出てきたんだもんね。
少なくとも俺だったら……と言うよりも、誰だって、即、敵認定するわ。
「おい、何黙り混んでいるんだ?さっさと答えろよぉ!」
「あ!えっと、その……俺だよ俺、稲葉……」
そこで、俺は気付く。気付いてしまった。よく考えれば当然の事だった。
初めてに綺羅と再会した時といい、千草と再会した時といい、何で気付かなかったんだ!いや、忘れていたんだ!
俺、稲葉瞬は―――
―――各神々とその側近中の側近と大陸を放浪していた時に会った人達としか面識無かったよ!?
……そう考えると、獣神―――まあ、即ち俺とキュウビだが―――の家族(眷族)でも、俺を知っていたのって乃々を含めても三人と一部の暦を含む魔王共しか知らなかったって、なるな。
―――基本的に"家"に居なかった訳だし。
そう考えると、必然的にその中の含まれていない鬼灯は俺の事を知らないだろうし、その上、今の俺の姿は"これ"だしなぁ。
……多分、今も掴んでいるのが綺羅だとは気付いていないのだろう。
よし、こうなったら……。
「……俺の名は稲葉瞬!獣神キュウビの片割れにして"始源"を司る神だ!即ち俺とキュウビは一心同体にして運命共同体!お前の事を知っていて当然だ!鬼灯!」
これで、どうだ!……ちょっとだけ話は誇張したけど。
「……ほう。ハッタリかと思ったが、"嘘"はついていないようだな。まぁ、嘘をついたらぶっ殺すつもりだったけどよぉ……」
うそーん!何気に俺、命の危機だったの!?……落ち着け、落ち着くんだ、俺。慎重に、だ。
それに、今更だが、古よりこいつの種族である"鬼"は嘘が大嫌いだったんだった。
「そ、そうか、で、ついでに言うとこの竜は綺羅ね。気絶してるけど」
「はぁ!?これがあのポンコツか!?……成る程。なら、納得だな」
納得しちゃったよ。
てか、どうやら綺羅の評価は全員一致でポンコツのようだね。やったね綺羅。……祝いたくはないし、祝う気は全く無いけど。……寧ろ改善してください。
「じゃあ、ずっと掴んでる意味も無いなよっと」
軽い掛け声とは裏腹に綺羅の巨体が地面へと降ろされた。
メキメキメキッ―――
木々の上に超重量の負荷が掛かったことによって、下敷きになった木々が倒されていく。
うん。まあ、ついさっき、起きようとしていたことに比べればましだ。……このくらいだったら直せるはず。
―――ドゴォォォォォン
唐突に綺羅から爆発が発生した。……今度はナニゴト!?地雷でも踏んづけたの!?
そのまま連鎖的にゆっくりと爆発音が聞こえてきた。……地雷の類いでは無さそうだ。
というか、どんどん、綺羅の動力源に向かって近づいているような……。
「お、おい!何が起こってるんだ!ついに自爆でも始めたのか!?」
「いや!その機能は確かについてるけど、第三者でしか出来ないから、自発的には不可能な筈だ!……といか何で……………………………………あ」
「自爆機能はあるのかよ!?」
それについては言わないでほしい。夢とロマンのせいだ。
てか、それは置いといて、思い出した。何でこんなことになったのか、こんな事を起こせる奴の存在を。
今思えば、態々、俺が出てきたのもそいつのせいだった。
「……千草がぶちギレてんの忘れてた……どしよ」
―――今度は綺羅が命の危機に瀕しているようだ。
遂に百話に到達しました!
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
何だかんだ言って、感慨深いものです。初期の頃からこの駄文を読んでくださっている皆様や、今、"世界は理不尽だけど最高だ"を読んで下さっている皆様に多大な感謝を。(*^▽^*)
そして、これからもよろしくお願いします!後、出来れば感想を下さい!どんな批評でも構いませんので!
ではでは~♪




