プロローグ
どうも崇端零と申します。
初投稿ですがよろしくお願いします。
「なんでこんなことに、なったんだ……あーあ、なんで、あんな依頼、受けちゃったんだろ……自分が憎たらしい」
彼は独り、石造りの迷路をさまよっていた。
今進んでいる通路も、実は何回も通っていたりする。
「平穏で楽なのんびりした日常よ!カムバーック!」
気を紛らわすかの用に叫んで見るが、何も起こらない。そこにあるのは、ただただ、空虚な気持ちだけであった。
「……はぁ、進むか」
彼はこの数日間に起きた出来事について、思い馳せる。
―――やはり全ての元凶は、あの女神のせいだ。
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「あーだりーつまらん。帰りたい。寝たい。そして、なんか、忘れている気がする」
俺、稲葉瞬は、ようやく終わった古典の授業を、後にして机に倒れながら呟いた。
「相変わらずだなお前は」
そう言ってくるのは、俺の前の席にいるクラスメイトの岩下正輝だ。
彼は、身長180cmの茶髪であり、成績優秀、運動神経抜群という完璧人間な上にとてもフレンドリーで慕われやすいという俗に言うイケメンの部類に入っていると俺は、思う。
てか、聖人君子過ぎて、逆に天然記念物扱いした方がよくね?とも、思っているのは秘密だ。
ちなみに彼は、学級委員長である。
「相変わらずというより、何故今時、将来的には役に立たないであろう、古典なんかやらないといけないんだ」
全くだ。なんであんなものをこの平成の時代にやらないといけないんだ。今は平成何だぞ。平安とかでは断じて無い筈なのに……。
「ホント、マイペースだな……」
と、正輝が苦笑いしている中
「そう思ってもやらないといけないよ」
後から明るい声が、聞こえてくる。
声の主は、この学校では、トップクラスの美女といわれる鈴町琴美である。
身長は、165cmで腰辺りまで届きそうな黒髪と、澄んだ黒い瞳をしている。
彼女は明るく、誰とも平等に接するので周囲からの評価も良いまさに八方美人と、称するに、ふさわしい人物である。
正直彼女とは、小学校からの長い付き合いである。まぁ、何回か同じクラスになった程度だが。
「いいや、稲葉の意見に同感だな!あんな事、何の役に立つって言うんだ!」
言う豪快な声と同時に、「これで何回目よ」という独り言が聞こえてきた。その声はどこか苦労人のようで呆れている。
俺の意見に肯定の意を示すのは、俺の斜め前の席にいる辰巳虎太朗で、身長は190cmの大柄であり、体つきもたくましく、父親が格闘技をやっていた事に影響されてか、幼い頃から格闘技をしていたらしい。
ちなみに初めて接する時には、少し勇気がいるものの本人は優しくいい奴である。
どこか残念な感じなことを呟くのは隣の席にいる、剣道部の若き新星。樫宮千鶴である。
身長は170cmと、女子の中では長身であり、また黒髪黒目のショートカットである。
彼女の家は古武術の道場をやっており、彼女自身も、下手なチンピラよりも強い。というか、何回かどつかれた事がある。……痛かったです。
正直思うのだが、俺の回りはみんなの憧れである人達が多すぎではないのだろうか。
俺自身が、一応オタクと言う事も皆知ってるはずだし、確かに俺の外見はしっかりとしているが、いつもだるそうに接しているのに対して皆、嫉妬や、憎しみといった感情を、してこないので、不思議である。……普通、この面子に囲まれていたら、一人や二人、俺を憎んでいる気がするんだが……。
そんな中、今日も日常の歯車は回っていく。
―――人は常にこの日常が、続く物だと無意識に思い続けているのである。かという俺もそうだった。
―――日常の崩壊とは、呆気なく訪れるものだあった。
「あー、もう飯だ飯だ」
いつものように昼食に入ろうとした瞬間、急に教室の床が光かり出した。
「なんだこれ!」「う、動けない!」「なんなのこれ!」「助けて!」
クラスの皆がパニックに陥り、騒いでいると徐々に光が強くなっていき、気が付けば白い空間にいた。……何処だここ。
「あなた達は召喚されました」
どこからともなく女の人の声が響いた。
日常は当たり前のように過ぎていくと、人はいつも思い続けているだろう。
―――俺達の当たり前の日常が、終わりを唐突に告げた。