表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある喫茶店の日常  作者: 黒守李音
3/4

常連さんの話

今回は男店員のターン!


こんちわー&はじめまして、だな。今回はマスター代理ということで3人いるうちの一人、夏目慧太なつめけいたがお相手するぜ。

急にマスターに頼まれたもんだからなにを話そうか・・・


あぁ、そうだ。マスターから聞いていると思うがここには人間以外にもくる。今回はその「人間」以外の話をしようか。


つい最近だとお狐様が来たな。この人はうちのスイーツ担当が作るスイーツ目当てでくるんだ。うちのスイーツ担当の話はまた今度な。ちなみにこのお狐様の名前は結城蓮ゆうきれんっていうんだ。


じゃ、始めようか。



カランカランと来客を告げる音が店に鳴り響き着物姿の男が入って来た。

「やぁ。」

とお気楽そうな声でカウンター席まで歩いていく。

「いらっしゃいませ。今日はスイーツ担当いねぇぞ。」

「なんだと!?これの為だけに来てるのにっ!!」

ぐわっと身を夏目の方へ出し、睨みつけながら叫ぶ結城に夏目は淡々と理由を説明する。

「あいつは新作スイーツの開発及び材料調達に行ってる。」

「頑張って部下から逃げてきたのに・・・。」

それを聞いて、カウンターに突っ伏し尻尾を一本だけだしてへこたれる結城に夏目はカウンターの奥へと入っていき、何かを持ってきた。

「ま、こんなこともあろうかとあいつがお前に用意してたのがあるぞ」

夏目が持ってきたのはいちごの乗ったショートケーキだった。

それを結城が認識したとたん、ものすごく素早い動きでかっさらっていった。

「いただいきます。」

「相変わらず早いな・・・(汗)」

手を合わせ、ゆっくりと味わいながら食べている結城を横目に夏目は手元のスマホで誰かに連絡をとった。


しばらくするとバンッと大きな音を立てて店の扉が開かれ、狩衣を着た少年たちが大急ぎで入って来た。


「お狐様!!仕事ほったらかしたままどこかへ行かないでください!!」

「げ、おまえら・・・・。」

結城は思わずケーキを食べる手を止め青い顔をしながら口元をひくつかせた。

「仕事ほったらかすからだ・・・。ケーキは持ち帰りできるようにしてやるから仕事しに戻れよ。」

夏目は呆れた顔をしながら、てきぱきと結城が食べていたケーキと新しいケーキを箱に入れて少年の一人に手渡した。

少年はそれを受け取り、代金を支払った。

「とりあえずいつものな。」

「いつもすみません。助かります。」

「ま、うちの常連でもあるからな。サービスだ。」


「感謝します。ほら、お狐様帰りますよ!!」


少年たちに引きずられながら泣く泣く店を後にする結城を見送りつつ、残りの業務に専念する夏目だった。



とまぁ、部下騒がせなお狐様なんだよな。結城って。

いつも仕事放棄してスイーツ食べに来るからな。

儲かるからいいけど。

じゃ、今回はこの辺で!

次は例のスイーツ担当の店員が来ると思うから楽しみにしててくれ。


また色々話してやるよ


というわけで、今回は仕事放棄してまでスイーツを食べにくるお狐様のお話です。

仕事はちゃんとしてねお狐様~というツッコミはありますがあれでも有能なお狐様です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ