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17 銀狼をペットにするべし‼

盗賊騒動から3日が経ちました。まだ馬車生活です。盗賊の人達ですか?何やら日を追う毎に目から光が消えてますね。私ニハ何ガ有ッタノカ全く分かりません。ええ、騎士団の人が暇を見つけては盗賊たちの耳元で何かを囁いてるとか全く知りません。


「…ぷふ!お嬢様、あれからずっと震えて可愛いです。私の理性が…」


ん?アリシアさんが何やら鼻を押さえてる。この馬車は揺れるからどっかにぶつけたのかな?取りあえずハンカチを渡しておこう。


「いえいえ大丈夫ですよ……まだ」


「そう…この馬車本当に揺れるから気を付けてね。と言うかもう限界‼お尻が痛いし腰も痛い、揺れ過ぎ。後盗賊も多すぎ」


盗賊騒動から3日が経った…少ししか経ってないだろう。なのに3台あった馬車は満員でその後ろに繋がれた盗賊達が頑張って走ってる。多すぎじゃね?しかも誰も反抗したり逃げようともしない。


「一つ姫様の為、二つ姫様の為、三つ姫様の為、全ては姫様の為‼」


うん…きっと騎士団の洗脳が完了しちゃったのだろう。私にはどっちも怖いんだけど。虚ろな目で決まった単語を繰り返す盗賊にそれを見て満足そうな騎士団…引き籠っても良いかな。お父様の嫌がらせか?私が学園に行くのが嫌だからってあえてこのメンバーを選んだのかな…


「姫様………いちお陛下は関係ありませんので殺気を抑えてください。今晩にでも私が話をつけて(物理的に)きますのでそれまでは私の尻尾を好きにして良いので落ち着いてください」


ほほう。あのモフモフを好きにしていいと?獣人の耳や尻尾は敏感だから他人に触らせないんだよな…当然アリシアさんも滅多に触らせてくれない。それを触らせてくれるなら大抵の事は許しますとも。


「モフモフ~♪スベスベなのにモフモフ♪」


「ッツ‼あの…お嬢様…激し…あぅ…」


1時間くらいモフモフして大満足‼変態騎士?もうどうでも良いよ、私に害があるわけじゃないし。


「満足した。アリシアさんありがとう!」


「うぅ…お嬢様、流石です」


などと和んでると外が騒がしい。折角の楽しい時間を邪魔するとは…何か燃やしたいな~私の幸せを妨害する奴は燃やされても文句は言えないよね?


「(ブルブル)お・・・お嬢様落ち着きましょう、殺気がダダ漏れです」


「落ち着いてる。私は冷静。だから全部燃やす」


「ひぃ!ちょっと私が外を見てきますのでお嬢様は馬車で隠れててください」


アリシアさんが馬車から逃げるように出て行った。どうせ盗賊だろう。うちの騎士の実力はもう分かってるので対して問題ないと思うけど何か嫌な予感がするんだよね。ちょっと私も出てみようかな?よし!馬車から出よう、自由とは反逆だ私は誰の命令にも従わない。何故なら私を止めれる人(お母様)はここには居ない。つまり私は好きに動ける。さあ!外へ行こう‼


「何でここに銀狼が居るんだよめんどくせぇ‼総員配下のブラッドウルフに気をつけろコイツ一匹で居る訳がねぇ」


「応‼総員馬車を中心に円形陣を組め、姫様の馬車には近づけるな」


銀狼…群れで動く狼系の魔物のトップに居る事が多い魔物だ。銀色の毛を持ち他の狼系の魔物よりかなり大きい。それに牙や爪は鉄のフルプレートアーマーですら食い千切り引き裂く討伐ランクはBの上位魔物だ。

 ブラッドウルフはDランクの魔物で爪や口を血に染めてる事が多い事からついた名前だ。基本的に群れで行動し銀狼などの上位の魔物に率いられている。


「お嬢様!?馬車に戻ってください」


「…あれが私の幸せを邪魔したの?モフモフだね、君は見逃すけど他の血まみれは邪魔…【フレイムバレット】」


私の周囲に出現した炎の弾丸がブラッドウルフに向かって飛んでいく。いきなりの攻撃と反応出来ない速度の弾丸は無慈悲にブラッドウルフを燃やしていく。残ったブラッドウルフと銀狼は明らかに私を警戒しだした。今更だね、この中で一番の火力を持ってるのは私なのだ。能力的には護衛など要らないし例え銀狼でもうちの国にはもっと強い魔物なんて腐るほど居るのだ。


「グルゥ…ガウ‼」


銀狼が周りのブラッドウルフに命令を出すとブラッドウルフは私に向かってきた。さっきの魔法を警戒してるのか密集はしてない散開するように私を囲もうとする…だがそれは悪手だと思う、だってここに居るのは私一人ではないのだから。


「お嬢様の柔肌をそんな粗末な牙で傷付けさせる訳が無いでしょう?踊りなさい」


突撃してきたブラッドウルフ達の横から急にアリシアさんが出現し手に持ったククリ刀って言うんだっけ?あれで切りかかる。私は何となくアリシアさんが居るのが分かるが普通の人や魔物はアリシアさんの隠形と言う術を見破れないらしく4匹のブラッドウルフが首を落とされた。返り血すら浴びないとかアリシアさんはチートだね。


「薙ぎ払え【フレイムウィップ】」


急に現れ味方を殺されたブラッドウルフが動揺してる間に残りのブラッドウルフを炎の鞭で薙ぎ払う。


「お嬢様!?私まで燃やす御積もりですか?あんまりです!」


「アリシアさんは避けれるって知ってる」


「避けれますがドキっとします…私は別の意味でお嬢様の御手で燃え上がりたい…」


最後の方が小声だったので聞き取れなかったがアリシアさんの身体能力は多分銀狼に匹敵するかそれ以上だろう。だから避けれると判断したんだけどそれは逆に言うと今の魔法では銀狼に当たらないと言う事でもある。


「…なあ…俺達って護衛する必要があるのか?姫様って強すぎじゃね?あれはあれでかっこ可愛いけど」


「馬鹿を言うな!姫様だけだと道に迷ったらどうするんだ!姫様は少し方向音痴で知ってる建物が無いと道に迷うんだぞ、それにこの馬鹿共に慈悲を与えて誘拐でもされたらどうするんだ。俺達は姫様の盾に成れれば問題は無い‼」


「そうだよな‼俺達が居れば姫様に傷一つ付けさせねぇそれに…あわよくば道に迷ってアワアワしてるレアな姫様を拝めるぞ」


後ろが騒がしいな…私の周りには2人の騎士が大楯を持って護ってくれるけどこの人達は何故か無口で変な事を言わないんだよな。きっと後ろの変態騎士とは違うのだろう。それに私は方向音痴じゃない。ちょっと道を忘れるだけだ。だから塔とか城とか目立つ物を目印に行動してるしアリシアさんも一緒だから道に迷わない。


「…あの馬鹿共が私のささやかな幸せがお嬢様にバレたらどうしてくれるんですか?これはちょっとお仕置きする必要がありますね。良かった防音の魔道具を持ってきてて」


「?アリシアさん、何か言った?」


「何でもありませんよ。ちょっとあの銀狼をどう倒すか考えてただけです」


何か背中がブワってした気がするしアリシアさんが何か呟いていたがどうやら銀狼の倒し方を考えてたらしいね。でも駄目だよ。だってあれは私の幸せタイムに乱入した罪でペットにする予定だし(今決めた)…さてどう捕まえるか。ゲームみたいにテイムって出来るのかな?まあやって駄目なら調教すれば良いか。


「アリシアさん。あれが欲しいから捕まえたい」


「!?お嬢様!流石にあれは駄目ですよBランクの魔物ですよ?もし噛まれたらどうするんですか?世界的な損失を出してしまいます。それに尻尾なら私のがあるじゃないですか!もう私は要らない子なのですか?そんなに新しい犬っころが欲しいんですか!」


急にアリシアさんが泣き出した。一体どうしたのさ!?今銀狼と戦う所だよ?そんな時に泣きだしたら銀狼に噛まれちゃうし怪我するよ…あれ?銀狼が何故か後ずさってる。何か周囲が寒いな、まだ陽が沈んだ訳じゃないのに…それに何か体が震えてきた。


「この犬っころが‼お嬢様の寵愛は私の物だ~‼貴様のつけ入る隙など存在しない!今すぐ私がま…成敗してくれる」


「殺しちゃ駄目‼私のモフモフ‼」


「お嬢様は私の耳とか尻尾よりそっちの犬の方が良いのですか?こんな犬っころは直ぐに始末しましょう。馬車の中で耳と尻尾を好きにして良いのでこれは諦めてください」


「うぅ~…………そっちも触るけど銀狼もペットにする」


アリシアさんの尻尾と耳は触るけどこの犬…間違えた銀狼はうちで飼うんだ。私は王女様だから少しくらい我がままを言っても良いと思うんだ。だから両方私の物だ‼


「お嬢様……」


「「「「さすが姫様‼」」」」


「だまらっしゃい‼お嬢様ぁぁ~~~」


アリシアさんは放っておこう。どうせテンション全開の自分を止めれる人材は此処には居ないのだ。自由って素晴らしいな、学園の図書館には魔道書も多いらしいしお母様に邪魔されず魔法の勉強が出来るし研究もしたい。


「さて、君をどう捕まえるか」


「グルㇽㇽゥ」


銀狼は警戒してるのか距離を取ってるしアリシアさんは現状を思い出したらしく隠形で姿を消した。きっとまた奇襲する気なんだろうな…何となく尻尾のある場所だけ分かるけど。


「グルァ‼」


杖を構える私に無謀な突撃をする銀狼…さあ私のペット兼乗り物になりなさい‼

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