表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/377

170 お宝移送作戦

ちょっと短いかな?

 明日も更新できるように頑張ろう(更新するとは言っていない)

 転移でアーランドに戻って数日が経った。オストランドではとある公爵が見苦しい言い分を並べて裁判を遅らせてるらしい。但しアノンちゃん経由(アノンちゃんは王様から聞いた)で聞いた話では、あの禿た男爵と嫡男モドキの隠し子は修道院に送られるのは間違いないらしい。

 こういう時に出てくる修道院は罪を犯した貴族とかを閉じ込める監獄であり、一度送られると滅多な事では外に出られない。滅多な事とは冤罪とかが発覚だから二度と表には出てこないのだろう。

 マリア夫人は王宮で保護されてる。公爵側が下手な真似をしない為の処置だろう。ついでにあの村の村長が律儀に私の救助を求めてきたそうだ。良い人だな。後で復興予算をあげよう。


「これで全部? 」


「うむ、我ながら溜め込みすぎたのである! 」


 ワッハッハと笑うヘリオス。現在は私の宝物庫内で宝の見分中だ。私見だが、アーランドの国家予算8年分くらいある。


「まずはエドワルド王国の王冠。炎竜に滅ぼされたって歴史書に書かれていたけど、あれってヘリオスだったのか」


「うむ。吾輩に従属を求めたので適当に焼き払ったのである。城とかに光物があったので償いに貰ってきたものである」


 一国を焼き払った上に宝まで奪ったのか。と言うか上位竜に従属を求めるとか滅ぼしてくれって言ってるような物だよね(私はヘーキ)。

 他にも色々な時代のお宝が見つかる。どれもこれも略奪品だ。あ、皇国が探してる女神由来の杖がある。これは貰っておこう。使わないけどね。竜杖あるし。


「姫様食事の時間ですよ」


「そろそろ出よう」


「うむ、腹がすいたのである」


 ヘリオスが空腹なのは何時もの事だ。

 私たちは宝物庫から出る。


「また私を入れないようにして悪巧みしてるのですね? 」


「まだ何もしてない」


 半目で睨んでくるアリシアさんの追及を逃れながら食事をとった。ヘリオスは胸やけがするほどお肉を食べていた。私のペット(使い魔)だから一緒に食事をとるのだ。クート君も床のお皿でステーキ食べてたし。

 まあ、「偶にはドラゴンを食いたいな」とヘリオスを見ながら呟いて、ヘリオスが怯えていたけどね。やはりクート君の方が強いんじゃないかと思うんだ。


 次の日


 作戦決行の時が来た。お父様が魔物の領域から凱旋したのだ。

 お父様は現在魔物の領域を解放している。今回は4つの魔物の領域を解放したのだが、軍が付いていけずに疲弊したので、入れ替えに戻ってきたのだ。

 お父様が解散を命じると殆どの騎士や兵士がその場で崩れ落ちた。屈強なアーランド兵がこれほど疲弊する強行軍である。尚、魔法師団はピンピンしてるし、強くなれたと喜んで、入れ替えを行わずお父様と進軍していった。

 おかげで城の人員にも少し影響が出ている。

 城の警備は王宮警備隊と近衛の仕事である。近衛は基本的に王宮に居る王族を守り、王宮警備隊が王宮の安全を守るのだ。王宮警備隊は王都警備隊の上位組織である。

 しかし、お母さまの近衛は魔法師団と兼任してる場合が多く、お父様と旅立った。お兄様の近衛も訓練名目で半数近くがお父様と一緒に進軍してるし、残ってるのは強行軍で疲弊しており現在寝込んでる。つまり近衛の警備が手薄なのだ。無論王城の警備レベルが私の作った魔道具で厳重になってるから出来る事だ。監視カメラとか普通につけてるしね。


 一方私の自室ではアリシアさんが編み物をしながら私を監視している。何かを察したようだ。部屋の外に騎士が2名常駐させる嫌がらせぶりである。


「さあブラッシングのお時間だ! 」


 私はアリシアさんの反応を待たずにそのゆらゆら揺れている素敵装備に飛びつくと、本能の赴くままにモフりまくった。10分後にはぴくぴくと震えながら気絶させる事に成功した。私は部屋の時計を少しだけ遅れさせる。アリバイ工作である。

 部屋の外にいる騎士は私がケモナーである事を知ってるので部屋には入らない。私は分身を一人部屋に残すと、部屋の壁に仕掛けられたどんでん返しを使って隣の物置に移動する。私の部屋は元物置なので隣にも同じ物置があるのだ。最も今は私の小物とかが置いてある部屋になってるけどね。

 さらに私は床の隠しハッチで下の階に降りる。下はたまにしか使わない部屋だから今は誰も居ない。


「私たちが騒ぎを起こす」


「木箱部隊突撃」


10人ほどの分身たちが木箱を被って突撃していく。


「うわ、何だ! 」


「また姫様か! 」


 場内で軽い混乱を起こすと私はこっそりと城の警備用魔道具の死角を通って宝物庫に移動する。私の作った魔道具だ。何処が死角なのかすぐに分かるし、抜け道も結構作ってる。

 数分で宝物庫についたのだが、警備の騎士が2人居た。


「騒がしいな。何かあったのか」


「今は姫様が城内にいらっしゃるからな。悪戯してるのだろう」


「困ったものだ」


 酷い言われようだ。

 私は指を銜えると指笛を吹く「フシュ―」と言う音が響いて数秒で地響きが聞こえてきた。


「な、何だ」


「姫様の魔獣達だ。こっちに来るな~~! 」


「「ぎゃあああああああ」」


 通路を30匹の程の魔獣が駆け抜けると警備の騎士たちは魔獣の津波に流された。稀に城で起こる災害なのだ。

 私は宝物庫を監視してるカメラを細工して映像をループさせる魔道具を付ける。これで監視室では異常を感知出来ないし、宝物庫内はまだ警備システムをつけていない。

 私は自分の鎧にも使っている名状しがたいスライムの様な物を少しだけ宝物庫から取り出すと鍵穴に流し込む。暫くして鍵が開く。


「ふ~む、しょぼい」


 やはりアーランドの財政難は深刻の様だ。思った以上にお金が少ない。私が満たしてあげよう

 私は宝物庫の扉を開くと、ソルジャーゴーレム達を使って宝物の移送作業を人海戦術で行う。木箱とか全然足りないので床にそのまま置いておこう。瞬く間に城の宝物庫が宝で満たされる。

 その後は発覚する前にダッシュで部屋に戻った。無論監視カメラの細工も元に戻した。

 梯子で隣の部屋に戻り、どんでん返しを使って自室に戻るとアリシアさんは未だに気絶中で、私の分身は積み木でサグラダ・ファミリアを作っていたので私が代わる。


「あれ、私は……って姫様! 」


 暫くするとアリシアさんが目を覚ました。


「私はここで積み木をしてるけど」


「あれ? てっきり悪戯目的なのだと」


 アリシアさんは部屋の時計を見る。全然時間が経っていない(時計が遅れてるだけ)この世界では、時計が珍しく、一度確認すれば数時間は時計を見ずに、自分の体内時計で生活する人が多い。


「アリシアさんの尻尾をブラッシングするのは日課じゃん」


怪訝な顔をするアリシアさんだが、時計を見てとりあえず納得したようだ。

 暫くすると慌ててお兄様が駆けつけてきた。


「ア~リ~ス~またやらかしたな。あの宝を何処から持ってきたんだい? 」


 ほほう。第一容疑者は私かね。


「私はずっと部屋に居た。外の騎士達が証人」


「えっと確かに姫様は部屋から出てないかと……姫様なので断言出来ませんが」


 そこは断言してよ。


「ふむ、場内で木箱を被ったアリス達が騒動を起こしたようだが……君の指示じゃないかね? 」


「じゃあそいつ等を捕まえれば良い。私は知らにゃい」


「全員何処かに逃げたそうだ。他のアリスと合流されてるだろうね。我々には区別出来ない事は知っているだろう? 」


 確かに見た目はほぼ同じだ。


「では証拠はない。私は部屋で積み木してた」


 事実だ。城の宝物庫から戻ってずっと積み木していた。


「そうかい。じゃあ宝物庫のある通路を魔獣が駆け抜けたのはどういう事かな? 」


「それは偶然だよ。魔獣達も運動したかったんだよ。私は関係にゃい」


事実を話す気はないぞ。議員がこれ以上突撃してきても迷惑だ。


「きっとご先祖様が転移系の魔法か何かで隠し財宝を残してくれてたんだよ。魔動炉の魔力で誤作動したとかで出現したんだよ」


「それは5代前の国王が見つけて全部公費で消えたよ」


 あったのか。そして見つけていたのか。


「じゃあ隠し部屋があってそこから溢れたんだよ」


「それも7代前の国王が見つけてるから」


 考えることは皆同じと言う事か。


「と、とにかく知らにゃい。私知らにゃいもん! 」


 いい加減アリシアさんの目が厳しいので話を打ち切ってベットに逃げ込んだ。このまま寝てしまえば良いのだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ