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転生王女の国家大改造 ~無敵な国を作りましょう~  作者: 窮鼠
石油だ!蛮族だ!メリケンだ!
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119 王女流領地開発術

 ギルドで各種手続きを済ませると、既に日が傾きだしていた。結構時間かかったな。親方衆の説得は完了した。次は帰る前にマーサさんの居る宿だ。


「そうですか。王都の職人が…しかし王都からそれほど離れていないとはいえ、移動などは大丈夫なのですか? 」


「問題ない。明日向こうに転移マーカーを設置するから私が直接連れて行く。

 それと大体2か月程度で終わらせるけど、それまでどうするの?」


「私は領地の経営を学ぶ事になりました。多くの貴族の方々に直接教えを受けられるようにして貰えるそうです」


 成程。流石に2か月では終わらないね。多分現地でも1~2年は官僚を送っての指導が入るだろう。


「俺達は冒険者?になるぜ」


「何故に? 」


 行き成りマーサさんの護衛達が変な事を言い出した。いや、私が言える事じゃないけど。


「村長の護衛も出るらしいしな。どうやら信用出来る国のようだ。何人か残すが、俺達は金を稼ぐ。妻や娘に良い服を着せてやりてえ」


「だから私が出すと言ってるでしょう。お金も十分貰いましたよ」


「村長は領主になるんだろ。金はいくらあっても足りねえ筈だぜ。俺達は好きに稼ぐからリリカに良いもんを食わせてやれや」


 まあ、これから他の貴族との付き合いも始まるし、新しい領主館にも調度品や、料理人に使用人等の人員を集める必要があるからね。そっちは王宮に任せよう。


「まあ強かったし良いじゃん」


 彼等は冒険者になっても問題ないと思う。武器がメリケンで防具が無いけど、普通に魔物と戦ってたし。防具を整えれば何も問題無さそう。連携も悪く無かった。


「しかし」


「祝いに収納袋をあげる。500キロまで入るよ」


「こりゃ便利だ。魔物を狩りつくそうぜ! 」


「よっしゃ俺も嫁に良い服着せるぜ! 」


「リリカに負けねぇ服を買ってってやるんだ」


 収納魔法が掛かった収納袋を渡すと感謝された。魔法使いが作る魔道具でも一番売れるのがこれだ。どの職種でも用途があるので、この収納袋で金貨400枚程するらしいけど、別にいくらでも作れるから問題ない。


「物の価値を知らないのはある意味幸せな事なんですね」


 唯一この場で価値を知ってるアリシアさんはちょっと遠い目をしていた。良いじゃん原価を見ればぼったくりにも程がある物だし。


「但し魔玉は私に売ってね」


 彼等が冒険者になるなら魔物の討伐を専門にするだろう。筋肉お兄さん達が森で薬草を集めてるのは想像出来ないし。


「分かった魔玉とか言う石ころは全部アンタに売る事にするぜ」


 魔玉の在庫は減る一方だ。あればある程使うからね。魔導炉一個作るのに数百から数千使わないといけないし。

 まあヘリオスクラスなら1個で作れるけど……使い魔じゃ無く出荷すべきだったかな?今更殺すのは可哀想か。想像以上に役にたたない古龍である。クート君程気品も無い暴食の権化だし。

 彼等は後に魔玉が一番高く売れる事を理解する事になる。



 全ての準備が終わると既に夜になっていた。私はクート君に乗って城に戻ると………


「姫様こちらの件ですが」


「姫様! 新しい魔導をどうか我等に! 」


 城の前には良い笑顔の官僚と魔法使いが待っていた。更に宰相さんも笑顔で「さあお仕事の時間ですぞ」と大量の書類を持って待っていた。渋々お父様やお兄様と共同で使ってる執務室に向かうと2人は屍になっていた。真っ白に燃え尽きて机に倒れてる。


「これは酷い」


「酷いのはアリスだ。頼むから君も手伝ってくれ」


「もう夜だぞ」


 失礼な。私も仕事で出かけてただけだ。お母様が妊娠して執務から抜けた事で、一人当たりの仕事が増え、更に空軍やらマーサさんやらの件で仕事が山積みだ。よくぞ逃げなかった。

 その日は深夜まで仕事漬けになった。最近宰相さん元気だな~宰相さんが本当に仕事好きで、お父様達の苦労が身に滲みた日だった。因みに私は12時の時点でアリシアさんに強制連行されて就寝した。お兄様達は犠牲になったのだ。




 次の日、私は2か月の出張に出る事になった。泣きながら仕事から逃げないでくれと懇願する2人に書類仕事だけは送るから頑張ってと告げて速攻で移動した。

 先に航空機を使って現地に1時間程で到着すると、地面に魔法陣の書かれた布を敷く。そして航空機を仕舞うと転移で王都に戻る。既に職人達が集まっていた。人数は………約2500人。集まり過ぎじゃね?


「多い」


「人海戦術で一気に作るぜ」


 取りあえずこの人数だと、一度で運ぶしかない。私の魔力量でもギリギリだったので魔力回復薬と言う、魔力を補充出来る魔法薬を飲む事になった。思いっきり苦いのに、ほのかにオレンジの様な味がするので好きじゃない。まだ改良が足り無いようだ。フルーツ味の魔法薬の開発への道のりは遠そうだ。


「何も無いな」


 移動した先は草原。領地の大部分が草原地帯で、一部街道が出来たばかりだ。私は宝物庫から既に召喚済みの分身を呼び出すと、畑の開墾と水道・下水・水路の開発を頼む。オストランドの図書館に役に立つ魔法が有ったから、既に読んでいる。

 私は開発予定地で、【浮遊】の魔法を発動する。邪魔な石や草は全て浮き上がり別々に纏める。草は肥料に変わるらしいし、小石も使い道はある。更に土魔法で家の基礎を作る。頑丈に作ったので問題ないだろう。後は水道管とか色々埋め込む物は魔法で後からでも出来る。こっちは職人に任せても大丈夫だろう。


「どうしたの?」


 後を頼もうとしたら、皆固まっていた。


「いや、数日かかる仕事が数分で終わったのを見るとな……」


「良いから始めて。飛空船でどんどん資材が送られて来るから。取りあえずはこれを使って」


 私の宝物庫には紙などを作る関係で木もそれなりに入ってるし、鉄も多い。分身を一人置いて釘などをその場で生産出来る。必要な道具は言えば大抵その場で作れる。


「【ゴーレムクリエイト・ロックゴーレム】」


 更にドッグを作る関係で大量に出た岩から数十体のロックゴーレムを出す。出したゴーレムの胸に加工した魔晶石を嵌めこみ、操者の腕輪「岩人形」を渡せば魔法使いでなくともゴーレムを操作できるので、職人にアシスタントとして使うように頼んだ。私は畑を作るからこっちには居られないし。


「じゃあ私は行くから」


 後は彼等に任せるべきだろうと私は領主館と住宅の建設予定地を離れる。


「姫様って何人居るんだ? 」


「考えるな。考える程ボケるぞ」


 去り際に酷い事を言われた気がする。

 次に畑だ。魔法で草と小石を分けて集める。小石はアスファルトに使うから必要だ。道路は全部アスファルトを敷く事に決めてるのでいくらあっても足りない。ゴムは…合成ゴムでも混ぜるか。宝物庫内で集めた石油から分身達がせっせと生産してる筈だ…サボって無ければ。


「ふむふむ。こんな感じかな」


 まずは予め取り寄せた畑の土を【解析】する。更にそれに農地予定地の土を大規模な土魔法で変質させる。流石に初めてなので、土の精霊に手を貸して貰った。後は耕すだけで十分だろう。トラクターはまだ完成してないのでここは後で良いだろう。

 そのまま幾つもの畑を作る。


「姫様……少し大きすぎませんか?村人全員が豪農を超えてしまいますが。って言うか維持出来ませんよね?広すぎです」


「草むしり程度ならゴーレムでも出来るし、収穫も魔道具を配給するから大丈夫。

 大規模農業を予定してるしね。まあ、肥料の開発が急務だけど、私肥料に関しては詳しく無いんだよね」


 来るべき大量消費時代を迎える為には大規模な農業が必要だ。先を考えれば小規模農業は割に合わない。大量かつ安価に作れる者が勝者となるのだ。大規模農業は必須である。

それにこの領地で農業が発達すれば王都の食料事情も良くなる。忙しくなるが、マーサさんの村の人達も多くのお金が入るだろう。

 私としては国民が豊かになる=お菓子の需要が増える=新しいお菓子が開発される。この為ならば、アーランドをアメリカ並みの大国にするのも吝かでは無い。投資は見返りがあるから行う物なのだ。

 次々畑を作っては移動する。道路を作って効率的な村を作っていくのだ。日に日に建築物も建っていく。2階建ての家に大きい納屋までついてる。更に川から水道を作って、各家に水を供給させ、トイレやお風呂も作る。無論シャワー付きだ。

 更に完成した道路にアスファルトを敷いて、歩道も作る。車線も別けないとね。4車線もあれば十分だろう。片道2車線だ。魔法の使い過ぎで分身がどんどん消えていくが何も問題は無い。あるとすれば、常時私の魔力が100分の1位しか残って居ない事程度だ。回復しては分身を出して魔力を消費するので、少しづつ魔力も増えてる。私の魔力は何処まで増え続けるのだろう。一応限界はあると思うのだが。


「姫様を野放しにするとこうなるのですね。誰か止めて! 」


「私を縛れる人間は居ない」


 2か月も経つと、完璧な農地が完成していた。問題は完全に開発した事で伸びしろが無い事だろう。肥料は異世界人が来る関係で良い物があるらしい。私は肥料まで作れないのでありがたかった。土の精霊と協力して、農地も最高のコンディションだ。時期が悪いが、来年からは直ぐに使えるだろう。

 住宅は職人が汗を流しながら猛スピードで作り続けてる。偶に魔物が襲撃を仕掛けてくるので、わんこーずを30匹程呼んで殲滅作戦も決行した。お蔭でこの領内にはゴブリン1匹すら居ない。魔玉もまあまあ集まった。

 そして職人を手伝いつつ、時間が過ぎるとお父様とお兄様が視察に来た。

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