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11 退屈

「…謹慎1ヶ月だな」


「分かりました」


目が覚めたら4日後とかビックリ仰天でしたがまた魔力の使い過ぎと過労だそうです。まあ魔力切れで怠いし疲れが抜けない&全身筋肉痛と言う結果でベットから動けない私に下された審判は謹慎1ヶ月です。しかも読書禁止、実験禁止、外出禁止等々のオプション付きです。


「やはり厳し過ぎないか?せめて1日とか俺の膝の上に3日間座ってるとかの方が…やはり王権を行使するべき時が来たか!唸れ俺の威厳、よし大臣共をきょう…説得だ」


「陛下!!!そのような事に王権を使うなぞ私が許しませぬぞ!そのような事をするのなら姫様の謹慎を婚姻まで延ばしましょうか?」


うお!お父様の後ろから宰相さんが…そう言えばこの人の名前知らないな、お父様が露骨に合わせようとしないし知ってるのは人間で短い赤髪に鋭い翠色の目で体はスリムと言うか完全に文官の人だな。

 それと私は結婚するまでこの生活なのでしょうか?正直結婚とか何も考えてないしお父様やお母様みたいに誰かを好きになれるのか分からない。


「ぬぐぐ…だが減刑の嘆願が来てるのだぞ!これがあるからには…」


「それを込みで謹慎処分なのです。本来なら王位継承権を放棄させ公爵家に降格していただく事をしでかしたのですから十分甘いかと」


「甘くない。むしろアリスティアの趣味の全てを没収とか嫌がらせレベルだろ!何を考えてるんだ寧ろ1ヶ月間アリスティアは何をして過ごすんだ?退屈ではないか。1ヶ月も部屋に籠って何もするなとか心が病んだらどうするんだ」


「本や魔道書等を置いておけば1ヶ月などあっという間に過ぎるでしょう?それではむしろ姫様に趣味の時間を与えるだけで、罰にはなりえないでしょう」


「ぬぐぐ…貴様が大臣共に手を回さなければ今頃アリスティアは俺の膝の上だったのに…」


禄でもない計画を立ててましたね。宰相さんの方が正しい気がする。確かに1か月間は暇でしょうが私には杖さえあれば暇潰しくらい用意出来るし魔法の練習をしてれば1ヶ月位あっという間ですね。


「それと姫様の杖は撤去致しました。流石に手間でしたが陛下が然るべき場所に保管しております」


「あれはヤバかった髪が逆立って皆に笑われたぞ!何の嫌がらせだ」


馬鹿な…私の杖を他人が持てるとは…やはりお父様は人間の枠から出てるのでしょう。しかし私には無詠唱が、あれの練習と言う手段が残ってるまだ終わりじゃない。


「魔法も使用禁止です。外に衛兵を配置してますので無断で使用すれば罰を与えます」


宰相さんは私が嫌いなんでしょうか?会った時から余り私に興味が無いような雰囲気を出してますし徹底した罰です。どうやらこの人が私の罰を決めたのでしょう。お父様は減刑派と見たが減刑しても碌な罰を与える気は無いのでこの罰で妥協したのでしょう。まあ王籍剥奪を軽く覚悟してたので軽いですが暇なのが問題ですね。暇過ぎて死ぬかも…


「外出は食事と風呂とトイレ以外は認められませんので」


「ぬぐぐぐ…待ってろアリスティア、大臣共やコイツの好きにはさせん、直ぐに俺が救い出して見せるぞ!行くぞ」


そう言ってお父様は宰相さんと出て行った。私はお父様が宰相さんを嫌って無い事を知ってますのでこのやり取りで驚きませんが第三者が見れば国の行方を危ぶみそうなので今度注意しておこう。


「退屈になりそう。」


そして私の予感は正しいのだった。



謹慎1日目


退屈な時間が私の心を苛む。私の希望で10畳位の部屋になったがこの部屋はベットとソファ、テーブル、本棚以外は机しか無いのに本棚は現在カラで机に置いておいた素材とかも撤去…いったい何をして過ごせと?


「暇過ぎて死にそう…そうお父様に伝えておいて」


「無理ですよ姫様、私も国王様に会えないんですから。このまま1ヶ月間大人しくしててください」

どうやらアリシアさんもこの部屋で待機らしい。多分私の監視もしてるんだろう。


「作法とかの勉強とかも無いって何もするなって事?」


「さあ?私は特に興味ないので」


アリシアさんは興味の無い事はとことん興味が無いらしい。


「ここにも無い…」


私は何をしてるって?簡単な事ですよ部屋の探索です。私の部屋には魔物の素材とか本とか色々隠してた(お母様秘蔵の魔道書とか)のでそれの確認をしてたのですが何一つ見つかりませんどうやら全て撤去されたのでしょう。くそぅ魔道書はまだ読んでないから隠蔽の魔法を掛けてまで隠してたのに。


「無~駄~で~すよ姫様、どうせ隠してた物を出そうとしてるのでしょうけど全て私が報告しましたし魔道書に関しては別途お説教をするそうです」


なんと!獅子身中の虫とはこの事だったか。


「…裏切り者」


「私は国に使えてるのですよ…それに姫様の困った顔を見るのが唯一の趣味なので。ハアハア……」


ぬう…この人は駄目だ。あの長い耳を引っ張りたいが余計に私を困らせる事をして仕返しをしてくるだろうから我慢だ。



謹慎5日目


今日は何日だっけ?お父様もお母様も部屋に来ないしアリシアさんもそんなに居ない。私はずっと椅子に座ってる。どうしてって?何もする事無いし何をしてればいいのか分からない、だから私は椅子に座ってるだけ。今が何時だか分からないな。


「…め…て…ださい」


何か聞こえるような…ダルイなこのままゆっくりしてたいな。


「ひ~め~さ~ま」


五月蠅いな。私はこのまま部屋の一部になるのだ~


「ふむ…これは流石に……」


ああこの緩やかな時間は好きだな~もう何もしたくなくなる。私はこのまま優雅に時を過ごそう。

 最初は嫌な時間も人は慣れるのです。そして私は…何日かは忘れましたが見事この環境に適応しました。慣れると楽ですね、ぼ~と外を見るだけの生活も何と楽しい事か…このまま人生の全てを過ごしても良い気がする。私は姫様だし働かなくてもよくね?



謹慎??日目


たのし~な楽だな平和だな~


「姫様が壊れてる…私はこのままでも良いのですが報告しないと怒られますかね?…もう少しこのままで居ましょう。ハアハア」




ドラクリア視点


「アリスティアが壊れてきてると…」


一体何を言ってるのだ。あれから10日も経ってないぞ、流石に早すぎではないのか?と言うか何故だ。俺だけじゃなく周りの奴等も困惑している。


「やはりですか…」


隣のボルケンが何かを呟く…奴が、奴こそが……宰相だ。


「どう言う事だ?直ぐにアリスティアを出すぞ!やはり子供を閉じ込めるとか俺には出来ん、かわいそうだろ」


俺はアリスティアの方に行こうとするがボルケンが俺の前に立った。邪魔だな。


「お待ちください。今これを姫様に見せる御つもりですか?流石にこれを処分しなければ姫様の性格上面倒な事になりますよ」


そうこの数日俺が動けなかったのはこの山積みの婚約の申し込みだ。王家なら別に可笑しくは無いが俺はアリスティアを政治に使う気は無いしボルケンも少し早いと考えてるらしく秘密裏に処理してるのだ。察しの良いアリスティアなら来てるのに気が付きそうだからな。別にコイツに説得された訳じゃない。俺を倒せないような軟弱者に娘をくれてやる気が無いだけだ。それにこれを見たら嫁ぐとか言い出しそうだしな…俺的には興味を持たないような気がするけどボルケンは万が一にでも見せない方がいいと言う。


「流石に放置出来んだろう」


「今回ここに来てる希望者の家は新参者…何やらきな臭い思惑を持った者や帝国と繋がってる可能性のある奴等ですよ、姫様に見られる訳にはいきません…そうですね数冊の本をお渡しすれば元に戻るかと。読んだ事の無い本なら姫様の好奇心に火がつくでしょうし」


ナイスな提案だな。それなら元に戻るだろう。


「では俺が持っていこう。そろそろアリスティアに合わないと俺も正気を失いそうだ」


「駄目に決まってるでしょう。陛下が申込みの返答を書くのですよ。まだまだあるので早く終わらせて残りの政務をしましょうか。先の一件の処理など山積みですよ」


「ぬぐぐ…申し込みの返答や政務も大事だがせめて少しでも娘と会うくらい出来るだろう」


「それも姫様に対する罰ですので」


きっぱりと言い切ると俺の机に山積みの書類を置いてきた。


「姫様はまだ己が出来ていない…余り良くない者をそばに置くと直ぐに影響を受ける恐れがあります。それに多くに興味を持ちますが変な事にまで知る必要は無いでしょう」


確かに多くの影響と言うか妙に城下町の奴等と仲が良いな、確かにあそこの連中は気が良いし治安も良いが悪人も当然居るんだがアリスティアは余り理解してないだろう。ちょくちょく捕縛の報告も来てるから多少は狙われてるのだろうが大抵町の奴等が袋叩きにしてるらしい。


「しかしな…俺も会いたいし心配だぞ」


「問題ないでしょう。姫様も陛下の子です、あの程度で壊れるのならそこまでです。それに報告なら私にも来ましたが暇過ぎて意識が飛んでるだけでしょうから適度に刺激を与えれば問題はありません、が与えすぎるのは傲慢の元。好奇心も少しは抑えていただかないと国庫が空になります」


「無駄使いはしてないぞ?小遣いの中でやりくりしてるし金の心配は無いだろう。問題が出たら俺が稼ぐさ」


「それが問題なのです。何処の国の王が娘の為に竜を狩って来ますか?陛下が居なければどうしますか?もし国庫から使うなどと言い出したら国が傾きますよ」


ぬぐぐコイツに口では勝てん。そもそもアリスティアはそんな事しないと思うが可能性をだされるのは厳しいな。確かに俺もアリスティアには甘いと自覚してるがあの子を信頼してこそなのだ。だが確かに国庫の金を使って竜の素材なんぞ集められたら国庫は空になるな…そこまで余裕はないのだ。アリスティアなら自分で狩るとか言いだしそうなので俺が狩ってきたが…あれ?国庫よりアリスティアの自立精神をどうにかした方が…


「俺みたいに自分で狩って来そうだな…アリスティアは国には頼らないだろう」


「何処の国の姫が単身で竜を狩るのですか!国庫の事よりも大問題ですよ!どちらも問題だから好奇心を抑えさせるのです!」


確かに逞し過ぎる…俺の血が強すぎたか?本気で将来が心配だ。


「このまま適度に刺激を与えつつ自制心をつけてもらいましょう」


「だからと言って俺が会えないのはおかしいだろ!俺は親だぞ、娘に会えないとか拷問だぞ」


「陛下が行けば謹慎を解くでしょう!謹慎が終わるまでは仕事をしてもらいます。当然陛下にも監視がついてるので逃がしませんよ?この機会に仕事を溜める癖を改めてもらいます」


ぬがぁぁぁやはりコイツは嫌いだー

ボルケンはドラコニアを誘導するのが得意ですただ罰を与える為に適当な事も言いますがドラコニアは気づきつつも反論出来ません。反論すると数倍の反論で帰ってきて話をすり替えられます

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― 新着の感想 ―
[一言] あの状況だと約束守って死ぬか罰受けるかの2択しか無さ過ぎてヤバイ 普通に軽減前の罰受けて王位継承権投げ捨てて王女辞めればフットワーク軽くなって良さそうなのにな それでも公爵だし主人公の発明品…
[気になる点] 国防の為に無理をしたら罰が継承権剥奪とかワケガワカラナイヨ…そもそも継承権者少なくて困っていた筈では。 あと句読点が消えてるのは何故なんだぜ。
[一言] 魔法使えてチートだなんだ宣ってる割に結界とか作ってない時点論外だと思うけどね。
2021/03/28 17:05 退会済み
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