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第九話 お土産

第九話 お土産


 一方その頃、上の方では先生達が慌てていた。

「どうした!」

「ラクーが落ちました」

「その後、ラクーを追ってフォーが……」

 先導していた引率の先生が状況を問うとクラスメイトの誰かが僕の転落を伝えているようだ。


「おーーい、ラークーー、大丈夫かーーー」

 引率の先生の声が穴の中からかすかに響いてくるので、返事をしておく。

「はい、大丈夫でーす。広くて浅い池になっています。」

 僕は大声で穴に向かって叫ぶ。

「そうか、よかった。

 今からロープを垂らすから、そちらに届いたら腰に巻き付けて合図しろ。

 この穴は大人が通るには狭そうだからな。

 できるか」

「はいやってみます」


 僕は返事をすると、ロープが届くのを待つ間、あたりを観察してみる。

 隣でフォーもキョロキョロしている。

 池はかなり広く、どこまで広がっているのか先が見通せない。

 池の水は透明で、薄暗い中でもはっきりと底が見える。

 池の底にはきれいな青い小石が敷き詰められている。

 僕が落ちてきた穴からは少しずつ水が池へ注いでいるが、他にも水源があるのだろう。わずかに水面は波立っている。流れがある証拠だ。

 水量が変わらないところを見ると、水が流れ出ているところもあるのだろう。

 幻想的な風景だ。


 僕は湖底のきれいな石を拾い上げるとヒカリゴケの方へかざしてみた。

 青い透明な宝石のようだ。

 別の石も拾ってみると、石によって青味の濃さが違う。

「濃いのもきれいだけど薄いのもきれいだな」

「そーね。宝石みたいだわ」

 僕のつぶやきにフォーが相づちを打つ。


「せっかく来たんだから、いくつか持って買いってお土産にしよう」

「じゃあ、形のきれいなものを探しましょう」

 僕たちは丸いものや楕円がきれいなものをいくつかポケットへとねじ込んだ。


 一生懸命よさそうな石を探していると、穴からロープが垂らされてきた。


「おーーい、ラクー、ロープは届いたか」

 先生の声が聞こえる。

「はい、今、届きました」

「そうか、では、先端を腰に結びつけて合図しろ。

 引っ張り上げてやる」

「分かりました」

 僕とフォーはロープの先端に輪を作ると腰のベルトの位置に巻き付け、返事をする。

「用意できました」

「そうか、では引き上げるぞ。みんな手伝ってくれ」

 せーの というかけ声に合わせて、僕は穴を上へ向かって引き上げられた。







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