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 ある日、世界に幾つかの杭が落ちた。その杭はこの世界のものではない生物を産み出し世界を瞬く間に破壊していく。




「助かってるのは魔物の活動できる範囲がそこまで大きくないところよな」

「とは言え状況は芳しくありません。現状大きい杭を潰すどころか小さい杭でさえ破壊した例は多くありませんから」


 生活はできないほどではないが小さい杭が幾つか発生しているのは間違いない。各国との通信によると三分の一は侵略されたと言っていいレベルの被害になっている。残りは人達の領域と魔物達の領域で半分ずつ。生活はギリギリでどうにかなっており戦えない者達を守る為にも戦える者たちは踏ん張っている。


「この状態を保っていられるのも杭の生産が追いついていない可能性が高いということです。生産が早くなる前に大きな杭を潰したいのですが防衛で手一杯なんですよね」


 資料をみてもそれがどんな魔法によるものなのか全くわからず、本物を確認してみなければ破壊することが可能か分からないというのが現状だった。

 そんな中でも幾つかのパーティは安定して小さな杭を除去できているのが唯一の救い。


「やっぱりもう少し解析をしていったほうがいいのかもしれないですね」

「あぁ、俺達位の強さなら替えは効くからな」

「はい、次に繋げるのも大切ですから」


 そうして俺達5人のパーティは世界の為に歩みを進める。全ては顔すら見せない何者かによる人為的な何かを終わらせる為に。








「おい、まだ終わらないのか!」

「あと少しです!」

「気張りどきだ!」


 杭から魔物が出るのはそこまで高頻度というわけではない。問題なのは一体一体の強さにある。皮膚が鉄よりも硬い奴や異様に速い奴。それを的確に判断して処理していかなければ次が出てきてしまう。それを指揮官が的確に判断しそれに合わせ行動する。その紙一重を永遠に行っているパーティ、英雄の道。


「そいつは速度特化だ!」

「おう!」


 出現後すぐに突撃してくる人型フルアーマー風の異形に合わせてリーダーのダグラスが剣で弾く。そしてその直後に俺は弓矢で確実に関節部分を撃ち抜きそして出来た隙を魔法師のリタンとオールラウンダーのサクヤが上級の魔法を使い吹き飛ばす。


「よし、手応えアリね。次に備えて…」

「まて、何かおかしい」


 さっきのは明らかに柔らかかった。いくらスピードタイプとはいってもあれだけで仕留められるとは思えない。


「どうした?」

「後ろだ!」


 ダグラスの背中が赤く染まる。


「くそ!」


 予想は合っていたが一体じゃなかった。そのミスは一瞬でパーティの体制を瓦解させていった。


「ふざけるなよ!なんで杭から2体出てきてんだよ!」


 バランスを崩し処理が遅れた結果、パーティはどんどん追い詰められていく。





「解析終わりました…ですが」

「それは今はいい!」


 ダグラスは重症、俺も既に右腕が動かずリタンは喉をやられた。解析を終えたアイリスは結界を張り相手の侵入を防いでいるがそれもあと少しで壊れる。何度も張り直しているからか既に魔力の底が見えてきている。だが相手はどんどん増えていく。


「俺に賭けてくれるか?」

「リーダーとしてお前を信じる」

「ありがとう」


 俺は魔法を起動させる。


「俺だけじゃ足りない。リタンとサクヤの魔力もくれ!」

「わかった」


 喉をやられてしまったリタンは返事こそなかったが手を伸ばしている。


『世界の理、今こそ回り未来へ…』

「もう無理です!」

『ぶっ飛べ!』


 結界が壊れると同時に俺達は意識を失う。

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