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補助輪つきの魔王、あるいは雪の中の『なぜなら』

作者: 反田拓海
掲載日:2025/12/10

AIに習作をブチこんでごった煮にさせた闇鍋

 一年の半分は雪が降った。そこでは時計がよく壊れた。

 時間の狂いはここを魔の山に変えてしまい、僕はオリハルコンの剣と盾を捨て、雪に囲まれた暗い家に隠れた。


 家は呪われていた。中には下劣なごろつきがいた。


「ありがとう、お前のおかげだ」


 魔王は言った。彼は死体しか愛せなかった。ずんぐりした類人猿のような容姿に、ピンク色の奇妙な宮廷服をまとっていた。


 美は何を愛でるのだろう。補助輪だ。

 転輪聖王ならぬ転輪魔王にふさわしい、神聖なる車輪。


 僕は鳥になった。ふくろう程度の大きさで、手はなく、羽だけがあった。

 鳥になったら虫を食べねばならないのでは、と考えたが、それは嫌だった。

 だから僕は考え続けた。この魔界でどう飛び、どう生き延びるか。

 そして気づいた。

 マキャベリズムで覇道を歩むしかないと。


「しー……」


 雪女は艶やかな笑みを浮かべ、僕の口にスライムの核を押し込んだ。


「いいねぇ、鳥さんは。生まれた時から羽がある。飛べない生なんて知らないでしょう?」


 琥珀色のタマゴのようなものを胸に抱き、胎児のように宙に浮かびながらそう言った。


 内面は他人には分からない。人は孤独だ。

 僕はベッドから身体を起こす。重く、頭は回らず、自分が何をしているのかも曖昧だった。

 そして眠気に身を委ね、そのまま凍死した。


 死んだ後、聖書のラザロのように地中から引きずり出された。

 そこには魔物たちがいた。全員、眼鏡をかけていた。

 最初に仲良くなった魔物は、ゴールドシップのように顔を斜めにし舌を出した表情で、噛みつく姿勢を取っていた。


「ギャオン!」


 狂気じみた顔のまま、怪獣のような声を上げるチワワ。彼は虚無の中に沈んでいた。


「魔物に王道が通じるか」


 彼の言葉は正論だった。

 優雅な白鳥でさえ水面下で必死に足を動かしているのに、疲れたくない僕が海に出て何をするのか。

 だから僕は支配すると言い、魔界を支配した。


 私がお墓の中に入ってから六年が経つ。

 残っているのは剥き出しの白い骨だけだ。

 それでも、湿った土が触れるとひんやりと冷たく感じられる。

 地球とは、とても大きく荒涼とした悲しみの墓なのだろう。


「あ、そういうの、いいから」


 魔王様は言った。


「なぜなら、なんてものがあるから俺たちは疲れる。『なぜなら』は禁止だ」


 禁止されたなぜならに哀悼の意を表して、僕は眠る。

 春の匂いがした。


 夢を見ていた。

 美女が野獣を愛で、野獣は美女に目もくれず、自分の生み出す美だけを愛していた。

 僕は無力だった。


 ロマンチックではなく、むしろクラシックな重さがあったけれど、僕は雪が好きだった。

 空に自由はない。

 僕は鳥として堕落せずに生きる。


 鳥の堕落とは何か。

 木の実の中の虫を「運が良い」と喜んで食べるような、正気を削る邪神のような何かだ。

 だから僕はそれを拒絶した。

 僕はコントロールを失うつもりはなかった。

 決して。

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