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「シャッ!」
触れようと伸ばした指先に黒猫の爪が迫る。
すんでの所で腕を引いて躱す。
骨の躰であった時は相当な無茶も出来たが、この生身の肉体ではそうもいかぬ。
小さいとはいえ獣の爪で切り裂かれれば血も出よう。
幼少の頃より生傷の絶えない生活をしていたことを思い出す。中には傷が膿み、酷く腫れあがって苦労したこともある。なんて不便なんだ。生身の肉体とは。
「駄目よ、嫌がっている子に触ろうとしては」
「くっ」
黒猫を抱く黒衣の少女は楽し気にそう忠告をする。
猫のせいで近づくことも出来ない。
低いうなり声を上げて俺を威嚇する黒猫の瞳を見ながら考える。
こういう時はどうすればいいのだったか。
「おお、猫よ、理不尽な運命に遭遇せし哀れな黒猫よ……許してくれ、俺が間違っていた。心の底から後悔している。二度とお前に刃は向けぬと誓う。その…………愛しているぞ」
「言葉の分からない猫にいきなりの愛の告白。黒騎士さん、頭大丈夫?」
「貴様がッ! 言っていたことだろうがッ! 動物相手には言葉が伝わらなくとも言葉を掛けよと!」
「シャーッ! フッーゥ!」
ルルの口から出たあまりの言葉に、条件反射で奴めに飛び掛かろうとしたが、黒猫に止められる。縫いついたように床から離れない足。くっ、厄介だ。
気持ちを落ち着ける。
学んだことはどうした? 怒りで動いていい事があったか? 怒りは収めよ。
暴力は無し。短気も無しだ。よく考えろ。冷静に、理性的に生きるのだ。俺は。
あれはいつだったか。
動物と仲直りをするための方法……そうだ、馬だ。
空を飛ぶことに恐怖し、人を恐れて近寄らなくなった馬に、黒猫の姿をしていた時のルルが俺に教えた言葉。無人島での出来事。
言葉は大事だと、そう言われて馬の世話をしていた時のこと。
馬と猫と俺、それだけがいた世界で起きた、今では夢のような……
「馬あっ!!!」
「フシャーッ!」
俺の声に反応して俺を威嚇する猫。
その場に居た者たちも驚いて俺を見る。
盲目の女僧侶プリュエル、マロー司教、阿保に泣き虫、黒衣の少女。部屋にいる全員の視線が俺に集中する。
「ちょっとねぇ、黒騎士さん、いきなり大声を出さないで。猫も嫌がるのよ、そういうのは。嫌われたいの?」
「いや、すまん、じゃなくて、馬だ! 馬が盗まれた! いや居なくなった!」
オルレアンの町で俺の前から姿を消した馬の事を今思い出した。
頭の何処かでそれどころでは無いだろうと囁く俺がいる。皆が見る今の俺の姿を見ろよ、と。裸同然の下着姿でうろついてどうした、と。女になってしまってどうした、と。恥ずかしくはないのか、俺よ?
駄目だ。考えると泣きそうだ。見られて恥ずかしいなどと、過去の俺が知ったら何を思うのか。意識すればするだけ顔に血液が集中していく。頬が熱い。今の俺の頬の色はどうなっている? 血の色そのものに染まってはいないか?
考えるな。俺は男。俺は男。
見られることがなんだ。無視だ。人の視線なんぞ無視。
俺の頭の中の混沌はその領域を増やすばかりだ。
絶賛混乱中であることを見透かされない様に、あえて強めに怒気を発する。
「馬泥棒に盗まれたのだ、たぶん。いや、絶対。馬の奴、今も生きているのかどうか……おのれ悪事を働く者どもめ、泥棒にしろ詐欺師にしろ、そういうやつらがいるから世の中は……世の中は……」
自分の口から出た詐欺師という言葉で思い出す。
「プゥレラァーティィィィィィイ!!!!」
「わ」
「シャーッ!」
ルルを除いた全員が跳ね上がり猫が俺を威嚇する。
「もしかしてわざとやってる?」
一人冷静な黒衣の少女は俺に疑惑の目を向けてくる。が、決してわざとではない。つい大声が出てしまった。冷静になれ。だが冷静に頭を働かせる俺とは別の領域にある俺の心が叫んでいる。腸が煮えくり返る。
詐欺師プレラーティ。
別の世界の俺を闇へと引きずり込んだ男……
「プレラーティ! 詐欺師め! あいつは今、何処に居る? あの詐欺師めを引きずり出して首を掻き切って……」
「はいはい、どー、どー、落ち着いて黒騎士さん、いい子いい子」
「俺を馬の様に扱うでないわっ!」
「シャーッ、フーゥ、ゥウー」
俺の怒鳴り声に対していちいち俺を威嚇する黒猫。最初よりも嫌われていないか、これ。
まぁいい。猫は後回しだ。そもそもルルの奴と話が出来ればいいのだ。最初から和解なんぞを望む必要も無いことであった。猫の事は後にする。どうとでもなれ。ルルの奴め、いつまでそいつを抱いているのだ。
「で、プレラーティさんが黒騎士さんに何か酷いことをしたの?」
「何かしたのって、貴様……」
貴様も知っているだろうがと続けようとして、言葉を見失う。
別の世界の俺を、悪魔を召喚するなどと言って唆し、財産を巻き上げて、最後は裏切っていった男。あの世界の俺が地獄の果てまで追いかけてやると誓ったような、復讐に値する男であって……
「何も、されていない? この、世界では?」
ルルが現れた事で出会う時期も理由も違った。
この世界で出会ったあいつに俺は騙されることも無く、財産を巻き上げられることも、凶事を共に働くことも、何も無かった……いや、悪魔教どもによって俺は柱に括られたりしたではないか。奴は悪魔教の党首だった。奴を恨む十分な理由……そういえば奴もあいつらに裏切られていた。偽ジャンヌやジョフロワと共に、同じようにして括られていたのだった。
恨むべき相手は、別の世界のプレラーティ、恨む者は、別の世界の俺。
「俺は……関係……無いのか?」
「そーそー、何もされていないなら放っておけばいいのよ」
それもまた、頭で理屈は理解しても、心では納得しがたい事柄だ。奴めに何かしらの裁きは下されないのか?
「奴を見た最後はいつだ?」
「ぬ、プレラーティとは奴の事か? ジョフロワとかいう男と共に柱に括られておった奴」
「そう、それだ、ゴウベル、奴を見た最後はいつだ?」
正面から俺に見られて頬を染めるゴウベル。阿保か、男に見られて何を顔を赤らめている。
「誰も何も言わんから俺が言うが……服を着ろ」
「服……」
視線が下に行き、気づかされる。
丘陵を描く二つの胸のふくらみは、それなりだ。
そうだった、俺は今、女だ。忘れていたかった。
再び頭に血液が昇るのを自覚する。どうなっているのだ、この体は。
恥ずかしい。鎧と兜で全身を隠したい。魔女め。俺にとんだ呪いをかけおって。おのれ。おのれ。
「ああ、天使様の天上の美しさに心を奪われていて気がつきませんでした、た、たしかに、これは不始末。今すぐにお召し物を……」
「いや、いい」
マロー司教が慌てて部屋から出て行こうとするが止める。
女物の服など持って来られても、どうしようもない。着ろと? 女物の服など着たこと無いわ。
「天上の美しさとは、よく言い表せておりますな、マロー司教。いやぁ、死者殿の本当の姿が女の方だったなんて、しかも美しい。骨の姿からは想像も出来ないものですな。その、今のお姿は、死者殿の生前のお姿で?」
泣き虫が鼻の下を伸ばしながら俺を見る。なんだかとても嫌ぁな気分になる。節穴め。見るな。いや、見られたからなんだというのだ。俺がおかしい。
なんだ天上の美しさなどと。どいつもこいつも。どいつもこいつも。
「がんばったからね。どう黒騎士さん? 自分の美少女ぐあいは。褒めてくれていいのよ?」
「褒めるかッ!」
意識を失う前に剣の腹でちらりと見ただけではあるが、確かに美しい造形はしていた。
艶のある流れる黒髪と神秘の赤目。穢れ一つ無く輝く白い肌に均整の取れた手足。
自分の顔は確認できないが、皴の一つとて無い手足の肌つやはここからでも確認できる。
それを作ったという黒衣の少女の表情たるやどうだ。口の端を上げて邪悪そのもの。それが悪意の欠片も無い奴の素の表情だと知った今でも恐ろしい。
見た目だけなら邪悪な魔女そのもの。
見た目だけでなく、その力も。
軽々しく人の姿を変えるなどと、呪いだからな、それは。
「ルルッ、ルルッ! 俺の鎧は何処にやった!? 鎧だ! 俺の鎧を出せ!」
その呪いをかけた当の魔女に頼むしかないのが一層悔しい。
「ああ、あれ? 回収したわよ。サイズが合っていないからねえ、着るにしても結構な手直しが必要よ」
「なんだと!? 今すぐなんとかならんのか? せ、せめて兜だけでも……」
「ぶふっ、下着姿で兜だけ……どこの荒くれよ……」
何が可笑しいのか、楽し気に笑う魔女。
俺も頭の中で兜だけを被った下着姿の女を想像する。無いな。確かに無い。
実際にそんな奴がいたら俺は笑うでもなく眉をひそめて見るだろうが。
「いや、手直しなど必要ない。俺を男の体に戻せ、それで話はすむ」
「戻すも何も、黒騎士さんの男の体なんて最初から存在していない、あ、骨の奴ね、あれ、嫌がってなかったかしら? 戻りたいの? まだとってあるわよ?」
「それは……」
忌むべき男の死体から作られた骨の躰。
俺を殺した奴の骨。
それを再び望むのかと聞かれている。
もう一度あの躰で動いていろと頭ごなしに言われたら反発もするだろうが、もし俺が望むのなら、どうだ? もう一度あの躰で過ごすことは出来るのか? いや、悍ましい。嫌だ。いや、性能はいいのだ。あの骨の躰は。だから、いや。どうだ? 納得できるか? あれは忌むべき男の死体だが、それをただの素材だと考えることができたのなら、いや、しかし。
「ん? ルル、俺の男の体は最初から無いだと」
「無いわよ、作らなきゃ」
俺の死体は何処に行った? 腕の無い、俺の死体。
「この女の身体は、どこからきた? この姿は? 俺の……あの体は?」
「今の君の体の素材にして使ったからもう無いわ。と、こういう言い方をすると怒るのよね、君たちは。今の君の姿については、殺されたあの人の体から君のDNA、ええとね、人の体の設計図、ね。それを抜きだして、ちょっと色々と手を加えて」
「ルルよ、また悍ましいことを言っている」
「あー、そうね、そういう感覚よね。ゲノム編集とかデザインベイビーとか、黎明期には色々と問題になったということは知っているわ。神への冒涜とかいっちゃって。私の感覚では何言ってるのって感じなんだけどね。望む物を生み出し続けている人類が、そこだけ望む物を生み出すための努力を否定するようでね、そういう人たちの考えがわからない、実際にそういう声はすぐに消えて行ったというのも知っているし、どんな綺麗なお題目も、人の欲にはかなわない、って本題からずれている。うーん、説明できないわねぇ。黒騎士さんが、もし女の子として生まれていたら、そんな姿にになっていた、かも、うん、それくらいで許して」
「質問した俺が馬鹿だった」
理解するための前提知識が存在しないという意味でも。
奴への迂闊な質問は一層混乱するだけだという意味でも。
「そ、その、割り込むようで心苦しいのですが……天使様方の会話を私たちは聞いていてもよいものなのですかな……?」
マロー司教が視線を泳がせながら聞いてくる。
わからないことだらけだろう。渦中の俺ですら流されるままでいるのだ。
混乱と混沌を周り中に振りまくのは魔女の本分。許してやってくれ。
「気にするな、マロー司教。それから俺たちの会話の内容を深く考えるのは止める事だな。それがお前たちのためだ」
「はあ」
知らなくてもいい事は世の中にはある。食べるなと言われた知恵の実には、食べるなと言われるだけの理由があるのだ。たぶん。
「服、じゃなく、鎧だ、すぐに用意できないのならせめて男物の服だ。体を隠せるならなんでもいい」
「男装姿の黒騎士さんには興味があるけど、ローブを出せば? 君にあげたやつ。別空間に仕舞われているだけよ?」
「あっ!」
存在を忘れていた。
死神が纏うような黒のローブ。変幻自在に姿を変えて俺の役に立ち続けてくれていたのに。鎧が無い事でローブまで無いと思い込んでいた。
「黒のローブよ、来い」
「おおっ」
虚空より取り出した黒色のローブを素早く羽織る。
全身がくまなく隠れて、これで一安心。ほっと息をつく。
視線を泳がせていた男どもも落ち着く。
「強制起動、マントモード」
「なっ!」
「おおっ?」
全身を隠していたローブが一瞬で形を変えて、前が完全にあらわになる。当然だ。マントは背中にしか無い。
再び下着姿を披露されて男どもは色めき立つ。
「何をするっ!? ルル」
「はい、黒騎士さん。兜、どうぞ」
ローブと同じように、ルルの手によって虚空から取り出された兜を放り投げられて渡される。
受け取る俺。手元には兜。ほぼ全裸。
「裸マントに顔を隠す兜、黒騎士さんの荒くれモード完成、さ、被ってみて? ぷっ」
「…………荒くれとか、知らんわッ!」
奴の顔めがけて兜を投げつけてやるが、兜は途中で虚空へ消える。おのれ。
「戻れ、ええい戻れ、ローブモードだ! 言う事を聞け黒のローブよ!」
「権限は私が持っているからねぇ。兜は無いけど、それでもいい感じ。黒髪ストレート美少女のほぼ裸マント、こう、来るものがあるわね、うん、いい感じよ、黒騎士さん。もうちょっと恥じらってくれると最高なんだけど」
「 俺 で 遊 ぶ な ! 」
俺に対して警戒を解かない猫がいるために、ルルに掴みかかれない。
結果、床を踏みしめて悔しがることしか出来ない。
どうして俺はこんな目に遭っている?
どこから間違えた?
俺が悪い子だったからか?
教えてくれ、父よ、母よ。
「こうなると、そのローブには色々なモードを付けておくべきだったわね。はだかエプロンモードとか。あ、今からでも遅くないわね。ちょっといいかしら?」
「よくない! や・め・ろ」
何だ、はだかエプロンモードとは。それはただのエプロンではないのか。裸にする必要はあるのか。
このままでは黒のローブ、いや、マントまで回収されかねない。
近づく奴から数歩遠ざかり警戒をする。最後の砦、取られてなるものか。
「本当に、黒騎士様とルル様は仲がよいです、ふふ」
「プリュエル。良くないぞ」
大人しくしていたプリュエルが俺たちのやり取りを見て笑う。
前にも言われた気がするが、奴は一体、何を見ている。一方的に俺が遊ばれているだけなのがわからんのか。勘が鋭いなどと言っていたくせに見当違いも甚だしい。
「む、ローブに戻った」
「これでようやく落ち着いて話せるわねえ。もう黒騎士さんのせいで話が進まないったら。反省して?」
「き・さ・ま」
「シャーッ!」
「くぅっ……」
猫が邪魔だ。猫が邪魔だ。
「あ、お馬さんは無事よ」
「なんだと」
そうだった。ゴウベルの奴が服を着ろとか言う前はそういう話をしていた。
あとプレラーティ。
「黒騎士さんの言う通り馬泥棒にあったみたいねえ、危うく殺されてお肉になって食べられられちゃう所を回収して今はあの無人島に居るわよ。後で呼んであげる」
「そうか……そうか」
物でも人でも、俺はあまり他者に対して愛着は抱かない方だったと思うが、骨の躰となって以降を共に過ごしたあの馬には、何かしらの感情も生まれていたのだ。
無事とわかってよかった。
「それにしても、よくわかったな。馬の奴の危機をどうして知った?」
たまたまとか、都合よく、とかは思わない。奴には奴にしかわからない方法で世界を知ることが出来る。その瞳はどこまで見ることが出来るのか。
「蹄鉄に紐づけて生体反応もわかるようにしていたからね。居場所だけじゃなく酷い恐怖とかの精神の乱れ、死の直前とかが、わかるように」
「あの黒い蹄鉄に? そうか」
理屈はやはり理解出来ないが、知る術があったのだ。
「黒騎士さんの剣とか鎧とか、そのローブにも付いているわよ? 持ち主が死んだ後とか、好きな時に回収するためにだけど」
「む」
ローブの裾を見る。上等な質の生地で作られた黒いローブは、裾が意味もなくボロボロだ。汚れ一つないくせに。
格好いい、雰囲気がいい、その程度の気持ちで、こういう姿なのだ。作った奴は、そういうことをする。骨の姿を単純に格好いいものだと決めつけて、悪意無く渡してくるような、そんな奴。
「回収するのか」
「ええ、まあ、空間の安定を図るための楔としての装置でもあったわけだし。役目を終えれば、それで。で、無視して放置しても問題ないのだけどねえ。色々と聞こえてくるものだから」
「?」
黒猫を抱く黒衣の少女は視線を盲目の女僧侶に向ける。
「祈りに応えて下さったのです」
いつの間にか、プリュエルの手には黒いナイフ。
それが大事な宝物であるかのように握られている。
「どうかお聞きくださいませ。私は今、告解いたします。黒騎士様。そしてルル様。私が辿った道を、悩みを、そして、後悔を」
盲目の女僧侶は床に跪き、俺たちに対して聖なる印を切る。
「長くなりますがよろしいでしょうか。私は物心つくころより目が悪く……」
「ぐぅ~~~。きゅるきゅる」
「…………」
「…………」
「…………物心つ「きゅる~。きゅるきゅる」…………」
おいおい。
この恥知らずな音の出所は何処だ?
音の出所を辿ると、なんと、それは、俺の腹だった。
「……プリュエル。長いのは辛い。短く、要点のみを」
「あう」
俺の言葉に出鼻を挫かれた女僧侶は、その濁った瞳を宙に泳がせて困惑する。
「ぶふぅ。く、くーろーきーしーさんのー、そーゆーところー」
ルルの奴が笑いながらも白い目で見てくる。
言いたいことはわかる。
だが待ってくれ。
プレラーティがどうなったのかも聞いていないし、他の面々や、今ここに至るまでの件も聞いていない。馬の事は知れたが他の事、俺の女の身体のことも何も解決していない。長くなりそうなプリュエルの話に付き合っている時間は無い。何より。
腹が減った。
それも。すごく。
きゅ~。きゅるきゅる。くぅ。
沈黙に支配された部屋で、恥知らずな俺の腹の音が空腹を訴えてくる。
どうしよう。恥ずかしい。すごく。
俺の今の顔の色は、どうなっている?
こんなことなら大人しくルルの兜を貰って被っておくのだった。後悔は後からやってくるのだ。
ふ、服を着るだけで一話を使っただと……




