87
良くない事が行われようとしている。
『お前は神を信じるか?』
恐ろしいことが起きようとしている。
『神の愛を感じた事はあるか?』
ナントにある俺の居城。
その一室。
何本もの蝋燭が灯されていても、どこか薄暗い、俺の私屋。
男が街で見つけた少年――どことなくジャンヌを思わせる風貌の少年。彼の瞳に大粒の涙が浮かぶ。
――男。
街で声を掛け、強引に城に連れてきた少年の肩に手を置き、耳元で囁くような声で問いかける、俺ではない俺。俺の可能性。ルーアンからの帰り道で黒猫と出会わなかった世界の、俺。
少年は自分の横にいる男が領主だと聞かされている。だが、それで安心するどころか、逆に恐怖に震えている。ただならぬ雰囲気に怯えている。手も、身体全体も、酷く震えている。口を開く事すら出来ない程に。
『さあ、存分に祈るといい、そして……神へ届けろ……どうぞ姿を現して自分を助けてくれるように、と……』
そうして、
男は少年の首に手を掛け――
「止めろッ!!」
手を伸ばして少年から男を引き離そうとするが、俺の腕は虚しくすり抜けるだけ。これは映像だ、映像だとわかっている。わかっているが、身体が勝手に動く。
一つの命が惨たらしく失われようとしている。
罪の無い無垢な者が殺されようとしている。
一つの世界が終ろうとしている。
とてつもなく悍ましく、不徳な行為によって失われようとしている。
それを齎す者は――俺。
視界の中、今まさに行われようとしている最悪の凶事にも、黒猫はただ見ているだけ。
「ルルッ! 何をしているッ! 止めさせろッ!」
「出来ない」
「出来ないだと……」
俺の知る黒猫とは、おおよそ不可能な事など無いような力を持った存在。
それが、出来ないなどと言う……
「起きた事をなかったことにすることは、誰にも出来ない。あったことは、あったこと。これは覆らない。記憶から消し去って忘れることは出来る、知らないままなら無かったのと同じ。けども、それでも、無かったことには出来ない。世界がそれを、記憶している」
黒猫はそっけなく返答をする。
目の前で、俺とまったく同じ顔、声、姿をした男の表情が醜く歪む。
笑って、いる。
まったく罪のない少年の首を絞めながら……
「やめろ! やめろやめろ! もういい! やめろ! 悪趣味もいい所だ!」
……認めない。
これが俺だとは、認めない。
この惨めで哀れで悍ましい男が、もしかしたらそうなっていたかもしれない自分だとは、絶対に。
「これは嘘だな? 嘘だろう? 嘘だと言え、ルルッ!」
「嘘ではないわ」
子供が死んだ。殺された。俺の手に掛かって……
頭の中が滅茶苦茶で、まったく上手く働かない。吐き気が込み上げる。ぶちまけたい。
嘘だ。
嘘だ。嘘だ。嘘に決まっている。
罪だ。
戦場でもなく、敵でも無い。罪の無い者を殺すのは、紛れもない大罪。
それを為した俺でない俺は、荒い呼吸のまま放心している。何だ。何を思っている?
恐らく、この時の俺が思っていたこと――
「嘘だから! 信じないぞ!」
――後戻りのできない事をしでかしてしまったと後悔し――
「ルル! どういうつもりだ? 何がお前の目的だ? 俺に何を見せている?」
――しかし、言葉に出来ぬような、奇妙な解放感と、興奮もあって。
「違うッ!」
俺の記憶ではない! 俺は知らない!
何が起きている? どうしてこの時のあいつの感情が理解出来てしまう?
「これは何から何まで作り物だな? どう言って誤魔化そうとしても無駄だ。そこにいる俺の姿をした阿保と違って、この俺は騙せないからな!」
黒猫の金色の瞳が俺を射抜く。
「何が目的だって、おかしなことを聞くわね。わかりきった答えしか返せないけど、これは君が望んだ事よ? 本当の事が知りたいんでしょ? 君がこじ開けた扉の先にあるものが、これ。それを見せているのに……」
「嘘を吐くなッ! 俺がこんなことするかッ!」
いくらなんでもこれは無い。こんなものはあり得ない。
「プレラーティの辺りからおかしいと感じていたのだ。男同士で慰めあうなど、気色の悪いことを……この少年殺しとて、ジャンヌの魂を呼ぶための儀式に使う生贄か? ジャンヌに少しだけ似ているから? 阿保か。クソ馬鹿馬鹿しい。この阿呆は何を信じている? 俺はそこまで愚かではない。こんなものは信じない」
「信じたくないなら信じなくてもいいのよ。君の信じたものが、君の世界での真実になる」
「そんなことは……」
真実は一つではく、人の数だけ存在して……
視界の中にいる、別の世界の俺の真実は……
「わざわざ手間を掛けてまで、こうして君に見せている映像は、確かに起きたことなのよ。そこは受け入れてね」
この凶事は、この悪事は、
起きた事、なのだ。
どこかで。俺の知らない所で。知らない世界で。
勝手に始まって、勝手に終わっている。
動かぬ少年の前で放心した俺の姿をした男を見ながら、思う。
「……これは……俺の……罪、なのか?」
これが本当の事だと、受け入れてしまえば。
もしこれが本当にどこかで起きたことならば。大罪を犯した俺は裁かれ、罰として殺されたのだとしたら。それで納得してしまいそうになる。
世界が歪む。
立っていられない。
これは夢か? 現実か? それとも、俺はもう地獄にいるのか?
「……ルルよ、黒猫よ。……これが……俺が殺された理由……なのか? 俺は、どこか知らぬ場で犯した大罪の責任を取らされて、罰を受けて死んだのか? ……神の裁きによって……それは、笑える話だ……はは」
「先走っちゃ駄目よ」
黒猫は笑わない。
「罪も罰も、それを決める者がいて初めて生まれるもの。人によって、時や場所によって、様々に変化するもの。人の得た能力”曖昧でもいいか”の範囲内にあるもの……ここでも神様の出番は無さそう」
「神は……関係無い?」
もういい。理解が追いつかない。見たくない。頭が働かない。眠い。寝たい。寝よう。寝ればいい。いつものように、すべてを放り投げて……
縛られていたものから解き放たれて、放心している、あの男のように……
「……絶対に、嫌だ。認めない……これが俺だとは……認めない。俺と、そいつは、違う」
この世界の俺は、無垢な少年に手を掛けて、それが露見して、悪魔などと呼ばれるのだろう。
罪には罰を。それが当然。
だが俺ではない。俺とは無関係だ。奴のしでかした罪を俺が引き受けなければならない理由は無い。
「そーね。それでいいんじゃない? けど、せっかくだから、ちゃんと最後まで見なさいな」
「最後……これが最後、だろう。奴は罪を犯した」
後はそいつの犯した罪で、正当な裁きを待つだけの。
「違うわ、これから、始まるのよ」
目の前、放心していた男が突如、立ち上がり、狂ったような哄笑を始める。
『ヒ、ヒヒ、ククク、ハハ、ハハハハッ、やはり、神は出てこないなあ! 許されざる罪を犯した俺を裁きにもやってこない。神は何も見ていないのだ。俺も、ジャンヌも、人のことなど、何も! ……人は皆、生まれながらに罪を負っている……アダムとイブが楽園を追放された時より背負った原罪……子供らとて、それに違いなく。だから裁かれなければならない。誰かが裁かねばならない。罪には罰を。それが当然。……まるで働かぬ神ゆえに、俺が代わりに裁いてやるのだ……だから』
奴の首を吹き飛ばす勢いで拳を振るが、すり抜けるだけ。
『俺は……悪くない』
凶行に及んだ自身の両手を見ながらつぶやく男を、拳によって正すことも出来ない。くだらない理屈をこねくり回して自分を正当化しようとする男を、この手で殺すことも出来ない。
腸が煮えくり返る。今の俺の感情はどうなっている? 殺したい。こいつを、俺の手で。……手が出せない相手がこれほど憎いとは。
場面が変わる。
『ジャンヌの魂の召喚に失敗したと?』
詐欺師プレラーティの前には俺がいて、虚ろな瞳で彼を見ている。
『ひ……は、はい……愛しい人、ジル……ええ、私の力が足りなくて……』
『まぁいい、次がある。次だ。くく。悪魔に捧げる生贄のことなら心配するな。街には腐るほどいる。すべて俺が用意しよう、くくく』
『は……はは』
凶事を、重ねる。
次々と。
子供を殺す事を躊躇しない仲間を増やしていき。
悪行に耽る。
恐怖に染まる少年の顔を見て、愉悦を感じている。
自分の周囲の変化になど、目もくれず。
まるで一つの閉じた世界。
狭い、あまりに狭い世界に籠っている。戦争も、イングランドも、ブルゴーニュもアルマニャックも王も、すべてを放り投げ、目を背けて、閉じこもっている。
『ジャンヌの魂はまだ呼べぬ。どうしてだ?』
『も、もしかしたら、ジャンヌ様はすでに、この世界の何処かに復活しておられるのかも……ええ、それならば、こうまで召喚に応じない説明が付きます。ジャンヌ様は神によって選ばれたる真の聖女。どんな奇跡が起きるのか、想像もできません』
『すでに、復活している、か。ふうむ。ありそうなことだ』
「何がありそうなことだ、だッ! クソッ! 死ねッ!」
何度目だろうか。拳が空を切る。
見ている事しか出来なかったが、それでも口から罵倒が飛び出す。無能な詐欺師にいいように利用されおって。殺したい。殺さねばならぬ。愚か。愚かな男。
『まぁいい。次だ。次がある』
『は、はい』
『プレラーティ……ジャンヌの魂の召喚は、もういい』
『え?』
『今更ジャンヌと話が出来たとて、どうだというのだ。何を話せばいいのかも、すでにわからない。それに……彼女に会わせる顔もない』
最後の声は、誰にも聞こえぬように。
『それより錬金術だ。何としてでも悪魔から金を創り出す方法を聞き出せ。宝石や美術品、価値のある物が減ってきた。いくつかの領地も売り払った。資金が無い』
『そ、それは一大事……』
『金だ。金を創れればすべての煩わしい問題は解決する。頼んだぞ』
『お任せを、愛しい方。悪魔より神秘の技法、聞き出してまいりましょう』
絵画に描かれるような美しい青年が、蕩けるような微笑みを男に向ける。だが。
『………………逃げるなよ?』
『な、何を申しますか、逃げるなどと……』
『金が無くなっても俺の元から離れるな。俺とお前はすでに同じ罪を背負う者。許されざる神の敵だ。もし、お前だけ逃げるのならば、俺は地獄の果てであろうが、どこまでも追っていこう』
『ひ』
男の手が、青年の蜂蜜色の髪をつかんで、離さない。
『悪魔に助力を乞うても無駄だ。生贄を用意しているのは俺だからな。悪魔も俺の味方をするだろう。さて、次の生贄は、どうするか……くく、そうだな、今度オルレアンでジャンヌを演目にした劇をやる。輝かしい解放戦。オルレアンの乙女。すでに懐かしい……そこで聖歌隊を作るから、集めた少年らの中から、見栄えの良いの見つけてやるか』
『あ、あぐ、ぐ』
苦しむ青年を、歪んだ笑みで見下ろす男。そこにいる俺は、すでに完全に狂っていた。
「どうして、ここまで愚かになれるのだ……」
今の俺と、あの俺と、どうしてここまで差がついた。
「目的が変わっちゃってるねぇ。集中力が続かないって言われた事ない?」
「黒猫……」
すぐに目的を見失うのは俺の悪癖。この男も、また同じ。
この男の選ぶ少年には、すでにジャンヌの面影など無い。ただ、見栄えの良い少年を生贄として選んでいる。自分の愉悦の為の道具にしている。
「お、俺はこれほど残忍でもなければ、男や少年に欲情するようなことも無いからな」
これでは性欲大魔神などと揶揄された事を非難することも出来ない。
「脳の中で、恐怖や興奮は容易く性欲と結びつく。近いのよね、働く場所が。男色も殺人も、やってはいけない事だと知っているからこその恐怖であり興奮。良くない事、けど、一度知ったら止まらない。やめられない。一度脳の中で強く結びついてしまうと、同じような快楽を求め続ける、何度も、より強く。これは人の習性。人は快楽を求めて行動するように出来ている。子孫繁栄の為ね。たまに誤作動起こすけど。ん? 誤作動は違うのかな? こういう事態も折り込み済みの、人類って奴よ」
「人類……」
枠だけ決めて、そこに入れるものは自由。人類は、そうした方が上手くいくのだと。
「的があって、中心があって、そこに矢を射かけた場合、ズレることもあるでしょう。けど、それもまた問題は無い。射る矢の数を多くすれば、自然と中心に集まる矢は多くなるからね。人類に限らずだけど、不都合なことには数の暴力で補う。最高を求めた時に、良しとされる場所から外れてしまった矢が生まれるのも仕方がない、ということで、彼は人類として間違っている行為をしているわけじゃない。男色だろうが快楽殺人だろうが、大きな視野で見れば、人類の範疇よ、範疇」
「人類の範疇であるわけ……ないわ……」
反論に力がこもらない。また難しい事を言っている。
だが、これだけは黒猫が間違っている。
男色はともかく、快楽殺人なんぞ認められていいわけがない。どこの視野だ。
悪魔。まさに悪魔と呼ぶのにふさわしい。人から逸脱した存在。俺の可能性。
「彼がその立場に置かれたのは、たまたまよ。それは誰にだって起こりえる。というか、逆説的に、そこの彼は道徳的であろうとしていたし、命を大事にしてたし、間違った事、良くない事をしているという自覚がある。その反動でしょ、彼が暴走しているのは。最初の傾きが大きければ、振り子のように、大きく逆に揺れるものよ」
正しくあろうとして、失敗をした。だから自暴自棄になって……
「だとしても、この俺と違いすぎるだろ……」
「まぁ、ね、最初に少しだけ何かが違えば、その後の変化は激しいものになる。分かれ道で右を選ぶか、左を選ぶか。登りの階段か、降りの階段か。同じように一歩ずつ進んでいっても、その先に居る場所は、だいぶ違う。面白いよね」
「面白いなどと……」
この男と俺で、何が違った?
いや、考えるまでもない。黒猫だ。黒猫の存在だ。
出会いから、すでに大きく違う。
あの俺は、殺される側の恐怖を知らない。
逃げることも出来ないような強大な力を持つ相手から迫られる恐怖を、知らない。
だから、殺せるのだ。無力な子供を殺せる。殺される側の感情を理解出来ない。弱いものの立場を理解出来ない。想像すらしていない。
命について、深く考えてもいない。
黒猫と会話をしていない。
悪魔ではないと言う、悪魔にしか思えないような存在から、神も悪魔も人の想像力が作った虚構の存在だと、聞いていない。
神や悪魔を信じていて、疑おうともしていない。
この男の虚構の世界には、未だに神や悪魔が確かに存在し、されるがままになっている。だから神秘を求めて、くだらない詐欺にも引っかかる。
骨の躰になっていない。
黒猫が言うには、肉と共に性欲を削ぎ落した形。俺から性欲を取り除いて、そうなった姿。
思い起こせば、確かにこの骨の躰になって以降、性欲など湧かなくなっていた。今まで気にしたこともなかったくらいに、自然に、そうなっていた。
精神は肉体に引きずられる。
確か、黒猫はそのような事も言っていた。
俺ではない俺は、己の肉欲に従い行動する。すでに己を縛っていた何かから解き放たれていて、自由に振る舞い続ける。その結果としての、惨状。積み重なる、罪。
「愚か……愚かだ……」
そして、何より、この男と俺との違い。
ジャンヌを殺した連中への、復讐の心。
ルーアン、そしてパリ、他の地での、終末の噂に狂った世界を見ていない。
右往左往して、混乱して、酷い混沌に飲み込まれて行った世界を知らない。
ピエール・コーションの大聖堂での醜態を見ていない。
ジャンヌを殺してしまったことを誤りだと認めたイングランドの総司令の言葉を聞いていない。
彼女を殺したせいで地獄が溢れたのだと信じ、彼女は本物の聖女であると信じる者が多く生まれた世界を知らない。
逆に俺は、黒猫と出会い、求めていた神秘に出会い、罪を犯したと俺が決めた奴らへの罰を済ませていた。
知らぬ間に、溜飲を下げていた。
今の俺の心に、ジャンヌは思い出として残っているものの、それはただの記憶だ。
ふとした切っ掛けで思い出して、身を焼くような思いもするが、それでも、納得して受け入れることの出来た過去の記憶だ。
だが、こっちの世界の俺は、どうだ?
奴らの頭上に天罰が落ちないのは何故だと嘆いて、いつまでもいつまでもジャンヌの死を引きずり、その怒りは胸にくすぶり続けている。
良くない事だと知りつつ悪行を重ねて、あがいて、もがいている。ずっと、ひたすら、自分で自分の傷をえぐり、苛み続けている。けして自分の拳の届かぬ相手、神を憎みながら。ずっと、ずっと。
認めるしかない。反論も思い浮かばない。
これは、確かに、黒猫と出会わなかった時の、俺だ。言い逃れが出来ない。
道を選び間違えた先にいる、俺の姿だ。
そして、今の俺。
ああ、そうか。
叶っていた。
俺の願いは。
ジャンヌの処刑からルーアンの町を出るまでに心の中に渦巻き、言葉にすることも出来なかったような俺の心からの願いは、すべて、余すことなく、満たされていた。最初から。黒猫と出会った時から。俺の、世界そのものへの復讐は、いつの間にか始まって、そして終わっていた。ジャンヌを殺した世界は俺の望んだ通り、むしろ想像をはるかに超えて、罰を受けた。受け過ぎだと思うくらいには。
「もういいだろう。もうわかった。十分だ。ああ、俺が悪い。お前は、俺の望みを叶えてくれたのだな。……感謝する。謝罪もしよう。何度も貴様を疑った。これを見せたかったのは、そういうことなのだろう、黒猫よ。俺に会いに来てくれて、ありがとう、だ」
おかげで間違った方向に進むこともなく、今の俺がいる。感謝の気持ちも本物だ。
だが黒猫は不服そうにしている。
「…………どうにこうにも、よろしくないわね」
何がよろしくないのだ。
「何を勝手に満たされているのやら。本当の事を知りたいのなら、まだ何も知っていないでしょ。途中放棄は認めないわよ。それとも眠くなってもうどうでもいいとか思ってる? あ、すごくありそう」
眠いは眠い。それに、つらい。俺ではない俺が罪を犯し続けるのを見るのは、本当に、つらい。胸が締め付けられる。心が引き裂かれる。
「それに何か勘違いをしているようだけど、君の願いが世界の混乱なら、私は何もしていないわよ?」
「いや、お前のせいで、どれだけ世界が混乱したか……」
「あー、あー、聞こえなーい。まぁ最後まで、せめて用意した分くらいは見てね、すぐに私の出番よ」
猫の瞳が煌めき、場面が変わる。
いつまで続くのだ?
聖歌隊……芸能……少年……加害……う、頭が。




