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ゆっくりとポーズを決めながら近づいてくる老騎士の浮かれた姿を見て、今、自分が酷く疲れているということを自覚する。しっかりと寝れていなかっただけで、こうも頭が重い。睡眠を必要とするのは、何かと都合の良いこの身体の重大な欠点と言える。
兜に手をやり、ゆっくりと左右に頭を振る。
「ジェルマンまで、何を子供のように浮かれているのか……何をどうしたいのか……貴様ら……」
「む、浮かれておるわけじゃ……浮かれとるか? 子供のように浮かれていると言われても、さもありなんじゃ、なんせ神の戦士じゃなどと、この年で……っと、骨の御仁、骨の御仁の被っとるその兜は、先の夜に振り回しておった兜じゃな、うむ、強そうじゃ」
振り回していたか? ああ振り回していたな。隠れている黒猫を見つけ次第、ぶつけてやろうとしていた。見た目も強そうでは、ある、少なくともジェルマンの頭の上の花よりは。
「なんだ、その花は、装飾品もだ、ピカピカと飾り付けおって……」
「……何故儂は頭の上に花を?」
「知るかっ!」
「光の戦士とはどんな姿かを皆と言い合っておる内に、よくわからんようになったのじゃ……こりゃ自分を見失っとると言われても文句は言えんの……まぁピカピカ具合でいったら、あの時の骨の御仁の光り様こそ、ピカピカしておったのじゃが」
「ああ! すごかった! 太陽みたいにピカーって光って、そんであいつが燃えて! それから色んな光る図形が飛び出して来て! えと、何だっけ、それから、どっかから聞こえてくる天上の音楽も! ええと、ちゃんちゃららんらん、ちゃんちゃらちゃらちゃら……」
「ちゃちゃらちゃらちゃら……」
「や・め・ろ」
あれが天上の音楽だと? 軽薄な悪夢の音楽の間違いだろうが。うろ覚えで旋律を真似し始めたアリセンと一緒になって歌いだそうとする大人たちを手で制す。
駄目だ、こいつら、もう駄目だ。
おお……逃げたい。逃げたくなった。
すべてをかなぐり捨てて逃げてしまっても、別に誰も、俺を責めたりしないのではないだろうか? なぜならば、俺を裁けるのは俺だけだから……いや、駄目だ、それはただの言い訳だ。黒猫の言葉を適当な言い訳に使っている。ある瞬間、ふと、すべてがどうでもよくなってしまうのが、いつもの俺の悪い癖。これでは無責任な黒猫と同じ、あれと同じは……嫌だ。
「あの時は魔女によって骨の御仁は呪いを掛けれたのではと皆が言っておったが、無事であられるかの?」
「その話はもういい……何も無い、何も呪われてはいない。それよりもだ、ランスの町に行くのだろう? 王に会いに。俺もついて行ってやる、どんな話になっている?」
「そ、そう、その話です、部屋に行きましょう。アンドレ殿もおいでです。ささ」
最初に部屋から出てきた俺と距離を置いていたのは、どうやら俺が呪われてしまったのだと思っていたかららしいな? いつの間にかトムスらとの距離感は戻っていた。
どうでもいい事だ、それが、どうでもいい問題ならば。
案内をされるままに大部屋に通される。
◇
「アンドレ……お前の恰好は普通だな……よかった……」
「な、何がです?」
先に部屋にいたアンドレの、特に変わった様子もない姿を見て安堵する。
アンドレは部屋にいたもう一人、見知らぬ中年の男と話込んでいたらしいが、立ち上がって俺を迎える。部屋に入ってきて、目が合うなり胸をなでおろしている俺を見て、しばし混乱するアンドレだったが、遅れて入ってきた、頭に花のジェルマンやゴテゴテと着飾ったリュミエラの姿を見て一瞬だけ絶句し、その後、何かを納得する。察しの良い奴。
「天使様、兜を被っておられるのですね? その兜の下は……髑髏のままなのですか?」
「ああ、変わってなどいない、それよりアンドレ、俺は天使じゃない。天使呼びを止めろ」
天使、御使い……いずれも使者を表す言葉だ。神にも誰にも何も、言葉ひとつすら預かっていないのだ。黒猫のやつは好きにしろとしか言わないしのだし。
「しかし……その……では、聞いても良いですか? あなたはどうして、そんな姿になってしまい、ここにいるのですか?」
「…………」
じっと見つめてくるアンドレの視線を兜越しに受ける。今だけは、この兜の視界の悪さが救いになっている。
アンドレよ、こんな姿でここにいる理由は俺が一番知りたいことだ。
昨日一日、色々と考えはしたが、結局のところ俺を納得させることのできる答えは俺の中にも黒猫の言葉の中にも無かった。おい、俺よ、俺は何でここにいる?
今の俺には使命も、さらには大した目的も無い……俺自身の心から望んだ目的は、もうすでに叶えてしまっているのだ。古今、誰の身の上に起きたことも無いような神秘なる体験を、今もこの身で受けている。それで満足してしまっている、らしい、黒猫が言った事のすべてを信じるのなら……
「聞くな、それから考えるな、そんなことはお前たちにとってはどうでもよいことなのだ……」
そう、そうだな、そんなものは俺以外の他人にとってはどうでもいい話、何かしらの事情があろうと無かろうと、ここにいる誰もが知る必要のない裏の話……俺だけに意味のある裏の事情なのだ。
かつて黒猫が俺に放っていた言葉の数々を思い出しながらアンドレに答えを返す。
「俺の存在が気になるのなら、追い払ってもいいだろう、その権利はお前たちにある、それを責めはしない、俺は静かにこの場から立ち去るとしよう。だが無視できるというのなら、そのまま何もするな、聞くな、俺の事は放っておけ」
「……名を明かせぬ人よ、そうします」
頭を下げて俺の自分勝手な言い分に応えるアンドレ。
「素直だな。ふん、俺の事を信用しすぎではないのか?」
この屋敷の連中といい、この怪しさ極まる俺を信用しすぎているように感じる。骨だぞ? 動く骨。もっと疑問に思え、もっと追求しろ、困るし、されたくもなし、正解の答えも無いが。これでもし俺が逆の立場なら、何としてでも聞き出そうとするはず…………なるほど、これは黒猫が辟易するわけだ。
何で? どうして? 何故? どこから来た? 何者か? 目的は? 答えよ、答えよ黒猫……挙句の果てには俺の頭の中だけで組み上げた論理で黒猫を弾劾しての、この始末、これは見捨てられるわけだ。酷く納得できる話だ。
俺は謎の黒猫という存在に拘り過ぎていたのだろうか? ただあるがままに起きた事態を受け入れ、与えられた力を甘受し、その力がどこから来るものなのか疑問にも思わず満足して楽しんでいろと? いや、いいや。気になるだろうが、あんなもの、気になるのが普通だ。喋る黒猫だぞ? しかも目的も何も与えられなく、ただ放り出されるなど、どうすればいいというのだ、いい加減にしろ。
「それはきっと、あなたが、あなただからでしょう」
「あん? どういう意味だ?」
会話の途中なのに考え事に耽り出した俺は予想外の一言を受ける。兜越しに無言で見つめ合う。知らない中年が汗をかきながら慌てている。俺が、俺であるから? 俺の正体を見極めたとでも言いたいのか? 俺ですら俺を知らんぞ。アンドレは柔和な顔つきに不敵な笑みを浮かべて俺を見ている、知らない中年が、こちらや、あちらをチラチラと見て……
「誰だ、そいつは……」
つい気になって、聞いてしまう。ちらちらと五月蠅い。
思い起こせば、この中年の男、先日の夜から居たな。魔女騒動の茶番の間ずっと、ちらちらと視界の端には映っていた。
「い、医者のナゼルと申します。し、市民の代表として、その、こ、こ、ここっ、この場に、居られる栄誉を、を、ををを」
「落ち着けナゼル」
「か、かかか、神の戦士たちのぉ、戦いをぉ、この目でみっ、みっ、みみみ」
「取って喰ったりなどしない、ゆっくりと話せ」
こういうのはどうにも……悪くない気分になるのだ。
ひたすら俺を恐れる男の姿を見て落ち着いてしまうのはどういうことだ。こうして誰かに恐れられているのが、俺は合っているということか? それこそが本当に俺が求める俺の好きなこと……いやいや、待て待て、何だか色々と酷いぞ、情けない感じではないか、それは。認めない。認めてたまるか。
「この男、ナゼルには、町から逃げた本来の責任者たちの代わりになって市民たちの取り纏めを頼んでいるのです。緊急事態でしてな、色々と不便があるものです」
トムスらの補足もありつつ、それぞれが挨拶をして席につき、会議が始まる。ナゼルもいくらか落ち着きを取り戻している。顔からは汗が噴き出しているが。
「外の様子はどうだ? 混乱はしていないようだが?」
「聖女様、並びに天使様の御威光を賜りまして……」
「ナゼル、俺は天使じゃない、悪魔でもないがな。ただの動いて喋れるだけの骨だ、そのように対応せよ」
「…………あぉぅ」
じゃあ何者なのか? 何故この場にいるのか? 対応って? どうすればいいの? そんな言葉にできない疑問が顔に出ている。わかりやすい男だ。
ただの動く骨が何故この場にいるんだろうな? ナゼルよ、お前の求める答えは、この世は理不尽に溢れているから、というものになるのではないか? 実際の俺は流れでそのままここに居るというのが正解だが、まぁ深く考えるな、諦めろ。
「……そ、騒動を起こすな、集まるな、すべて聖女様の言葉として従っております。今はイングランドの襲撃に備えて町の整備をさせております。屋敷の周りの者たちも全て居なくなったわけではありませんが、大人しく祈っているだけです。聖女様の言葉を疑う者もいません。何せあの戦いを目撃しましたからな、天し、骨の方……かの蛇を纏った恐ろしい魔女、巨大な悪魔に転じた者の名は……」
骨の方……
別に構わんが。ナゼルが恐る恐る問いかけてくる。他の皆もまた俺の返答に期待している。名前か……
あれの正体は黒猫のルルだが、もちろんそれを言うと混乱させるだけなので言わない。
「あれについては……真の名を知るだけで呪われ、人を混沌の地獄に落とす……名を呼んではならぬ、知ってもならぬ、そういう存在……考えるな、知ろうとするな、これは貴様たちの事を思って言っているのだ」
かつてない程の真剣な俺の口調に呑まれて、皆は無言で唾を吞む。
「ルシフェル……」
痛いほどの静寂に包まれた中で、青ざめたナゼルの小さなつぶやきがその場を満たす。なんだ、その名は?
「今、なんと?」
「いっ、いえっ、その、あ、ああっ、なんてことを、おお、お許しくださいっ! 口が、口がすべってしまいっ! ああっ!」
立ち上がり、その場の床に額を擦り付けようとするナゼルを止めて話の続きを催促する。
「ま、町の、に、逃げ出した住人の中には、戻ってくる者もいまして、そ、その者らからの話で、別の町には悪魔の王の召喚に成功した者がいるのだと……」
「なんだと?」
「ひ、噂話です、な、名を知ってはならぬなどと、知りませんでした、あ、ああ、私はなんて恐ろしい事を……」
「構わんから話を続けよ、ナゼル」
「あ、悪魔の王にして、かつての天使の頂点、堕天使ルシフェル、それが、その者が召喚に成功したという悪魔の名前……皆が口にしておるのです、しきりに、噂話で、私も様々な人にその話をしておりました、人に聞かせてしまいました……知らなかったのです、名を知っただけで呪われるなどと……ああ、私の馬鹿、馬鹿っ」
それは俺が先ほど適当に作った話だ。名を知るだけで呪われるような存在などいない、と思う。
まるで断罪を待つ罪人のように青ざめ震えるナゼルを哀れに思う。俺の適当に吐いた言葉で混乱させてしまって、本当にすまない、口にはせんが。
「人々がしきりに噂しているならば、いずれ儂らの耳にも入ったことじゃろう」
ジェルマンが哀れな男に助け船を出す。いいぞ、ジェルマン、その浮かれた頭の花は許してやる。
「それにさ! もうそいつは骨の人が倒したんだろ? じゃあもう恐れることは無いんじゃ……」
それだ。もう脅威は去った。そういう話にしよう。いいぞアリセン。身の丈に合わない剣を貰って馬鹿の子のように浮かれていたのを許してやる。
「アリセン、忘れたの? あの時、騎士様は空に向かって”戻ってこい”とか”姿を現せ”とか叫んでいたじゃない? つまり、あれは一時的に退かせただけ、です、よね? 騎士様?」
「…………ああ、まあ」
馬鹿は俺だった。
馬鹿にも見える化粧をしたリュミエラに問いかけられても言葉を濁すことしかできない。ああ、ここにいる浮かれた誰よりも阿呆をさらしていたのは俺だ。何故あの時、俺は黙っていなかったのだ? 俺の口から吐く言葉でどれほどの人を混乱させればいいのか、被害が俺自身にも振りかかっているのがせめてもの救い……いや、誰も救われない。
それにしてもルシフェルだと?
何故ここでその名が出てくる? 俺自身の不甲斐なさを一旦置いておいて考える。
誰かによって召喚されたという悪魔の王、かつての天使の長であり、もっとも神に近しい力を持つ天使、神に反逆し、今は堕天使、だったか? 光をもたらす者、三対の輝く翼を持つ神の敵対者……知っている。俺には聞き覚えがある。それにしてもその名、誰ぞを思い起こさせる名ではないか、なぁ、黒猫のルルよ。
これは偶然の一致か? それとも偶然一致したなどというほどのことでもない、ただのこじつけ、言いがかりの部類の話か? そういえば、かの堕天使は蛇にも例えられることがあったはず。楽園にてイヴを唆した悪魔、リリスとの関わりは? 貴様は誰かに召喚され、この世に現れたのか?
……俺はまた同じ間違いをしようとしている。
いい加減にしろ。
学習しろ。
何が名前が似ている、だ、まったく似てないわ。俺は阿保か。
ルルの奴ははっきりと言ってのけた、人に悪魔の召喚は無理だと、ならば悪魔の王を召喚した、などという者が嘘をついていると考えるのが妥当だ。いわゆる詐欺。詐欺師。
そもそも黒猫の奴の理論によれば神や悪魔など実際には存在しないという……いるだろうが、皆の前で茶番を繰り広げていた存在が、だ、俺の存在こそがその証明だ。俺の思考は必ずそこで止まってしまい答えが出ない。
ああ、もう。兜を脱いで遠くに放り投げたくなる。
皆の、すがるような視線に気がつく。
考え込んで動きを止めた俺を見ている。じっと俺の言葉を待っている。
こいつらはこいつらで、色々と考えているのだろうが、そのすべてが間違いだと断言できる。こんなもの、正解に辿り着けるわけが無い。お前たちの頭の中で繰り広げられる思考、そのいずれもが無意味な思考だ。
そしてきっと俺もお前たちと同じなのだ。
ええい、俺の頭の中、すべてを晒せ出せたらいっそ楽になるのに、などという思いがよぎる。
思考を覗かれるという不快さよりも、言葉による現状の説明の困難さ、もどかしさが上回る。ここに俺の理解者はいない。ぶちまけたい、すべてを。
「大丈夫だ、その名なら、何も問題ない、誰も、呪われない」
かろうじてひねり出した言葉は途切れ途切れになってしまった。だが効果はあったようだ。皆が明らかにほっと胸を撫でおろしている。ナゼルなどは水から救い出されたのだとばかりに椅子にもたれかかってゼェゼェと息を吹き返している。これが言葉の持つ力か。他者の虚構の世界へ影響を与える、言葉による呪い。俺は魔法使いでも天使でも悪魔でもない、ただの無力な喋る骨なのに。
「思えば皆が知っとる名を呼んだから、なんじゃという話じゃが」
ジェルマンが真理に気がつく。
それもそうだ。
たしか、その名は聖書に書かれていたものだったか? それとも教会の連中が眉をひそめるような禁忌の本に書かれていたものだったか? 少なくとも俺が聞き覚えのあるくらいの名だ。知ったからなんだというのだ。おのれナゼルめ、無駄な緊張感を出しおって。
なんせよ気になる事、調べる事が増えた。悪魔の王を召喚したなどと言う者にもいつか会いに行ってやろう。誰かは知らんが、とんでもなく迷惑な奴だ、悪意のある詐欺とわかれば、しかるべき罰を与えてくれる。
ルシフェル、悪魔の王、堕天使、ルル……これは聖書を最初から読み直さねばならんな、などと思っていると話が変わっていく。
「北、いえ、北東ですか、カレーの港町から南になります。そこにイングランドの兵は集合をかけているようですね。幸いにしてイングランド側の動きは鈍く、数もそれほど多くはないという報告ですが、それでも一万は越えそうな勢いです。いつものように騎兵だけではなく強力な長弓兵を揃えている。ルーアンの町に籠っていては囲まれて手遅れになるでしょう」
アンドレによる、この町が置かれている現状の説明。俺以外の者は知っていた事柄なのだろう、驚く者はいない。
「ルーアンは今、食料の備蓄が非常に厳しい。住民や兵士が逃げ出す際に持っていかれたのも多いが、燃えてしまったのも多い……」
トムスが声を低くしてつぶやく。
俺と黒猫が最初に来た時の事だな。最初に訪れた時から町は燃えていた。それは俺の責任でもある。おのれ黒猫、貴様だけ責任から逃げおって。
逃げると言えば。
「そういえばゴウベルの奴の姿を見ていないな、奴は今どこにいる?」
俺の問いかけに顔を曇らせるトムス。
「ゴウベル殿……かの御仁はイングランド兵の元に行きました」
「ん? 逃げたか?」
「いえ、違います。我が娘リュミエラ、真の聖女に仕えると言って聞かなかったのです。そして聖女の騎士である自分の最初の仕事は、イングランドは邪悪なる魔女によって操られ、騙されてしまいジャンヌ・ダルクを処刑してしまったのだという事実を、同胞の皆に伝え知らせることだと言って……」
そういえば、ルルの奴がそんなことも言っていた。奴の口から出た嘘だ。あの場のゴウベルの勘違いに便乗しただけであって、そんな事実は無い。俺ですら忘れかけていた。
「命の危険があると止めたのですが、光の戦士である誇りを胸に殉教するなら、それも運命なのだと言って聞かずに……」
「奴は阿保か?」
今のイングランドでそんなことを主張すれば一瞬で異端認定を受けて処刑場行きだろうに。いかなあの男とて、これはさすがに死んだな。
なるほど、奴も浮かれて頭をやられた内の一人であったか。何が光の戦士だ。聖女の騎士だ。勝手にしろ。
無駄死にをしに行く男に、しばしの祈りを捧げる。
俺は今、誰に祈りを捧げている?
神に、だ。
未だ一向に出てくる気配を見せない真なる神に向かって、祈る。
おお、神よ、ここで行われた事すべてが茶番と知って愕然とする死後のあいつを、せいぜい慰めてやってくれ、俺は知らんから。




