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死霊の黒騎士と黒猫のルル  作者: 鮭雑炊


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「鼠は黒死病を引き起こす病原菌を保有することがある。それが人にうつるってわけね。けれど、鼠に齧られたり、鼠をよく殺菌もせずに食べたりといったことをしないと、その病原菌は、なかなか人にはうつらない。しないでしょ? ふつうは生で食べたりとか。人の胃袋も結構丈夫に出来てるし。人と鼠の間には、確かな境界がある。けど、あるのよ、鼠と人と病原菌を結んで、その境界をあいまいにするものが。あるというより、いる。鼠と人が直接触れ合って病原菌をやり取りをするよりも、もっとずっと簡単に人と鼠を繋ぐもの、それは……ノミよ」

「ノミ?」


 リュミエラたちを含む軍勢がランスに集まっている。その情報を皆に知らせたルル。

 焦る者。

 戸惑う者。

 混乱する者。

 どうしてわかるのか、どういうことだ、どれくらいの規模か、待て、もっと話を、などといった質問や請願をする者たちを丸ごと無視して食堂を出た黒衣の少女は、屋敷内を知り尽くしたかのような足取りで進み、扉を開けて外に出ていく。


 暗い夜道に明かりが少し。

 天を仰げば空には星一つ見えない闇の世界が広がっている。


 道を占拠して睨み合っていた聖職者たちと、リッシュモンが連れてきた兵士の一団。そこに躊躇なく飛び込んでいく黒衣の少女。進む先にいた人々は、慌てて少女の為に道を開ける。

 まるで海を割ったモーゼがごとく。

 これはルルに恐れを為したというよりは、そのすぐ後ろ、彼女の後を追随する鬼の形相のリッシュモンやマロー司教らの顔を見てのことだろうな。


 案内人も先導役もいない。それでも迷う様子もなく、どこかに向かって進む少女は、石畳を速足ぎみに歩きながら死の病についての話を続ける。


 その後ろを、けして離されまいぞと必死な形相でついてくる者たち。俺も含めて。


「ノミとは、あの、血を吸う、嫌な奴か?」

「そう。そのノミ」


 闇に溶け込んでしまうかのような黒衣をまとった少女は、歩みを止めずに首だけで振り返り、人差し指と親指の二本で輪を作り、自身の目の前にもっていく。


「このくらいの、小さいの」


 片目を閉じて言った少女の指と指の間には、少しだけの隙間がある。


「それが厄介な事態を引き起こす」

「ノミなど存在自体が厄介だが。どこにでもいて、飛び跳ねて、血を吸われて、痒くなる、あいつは心底嫌になる奴だ。どれだけ多くの者がアレに悩まされていることか。が、ノミならばかろうじて目に見える。病原菌とは、それよりも小さいのか?」

「比べる相手が違うくらいには小さいわねえ」


 腕を降ろして前を向いたルルは歩みを止めずに言葉を続ける。俺も夜目は効く方だが、ルルは暗闇をものともしない確かな足取り。離されぬようについていく。


「細菌の大きさもまちまちだけど、大きさが10倍になった一匹のノミを想像してみて。出来る?」

「嫌な想像だ……」

「出来たらその巨大ノミをさらに10倍にしてみて、で、さらにその超巨大ノミを10倍にした超超巨大ノミ、それよりも巨大なノミが平気で闊歩する世界。そんな世界の普通のノミが、細菌の大きさよ」

「想像出来ん」

「黒騎士さんの周りに、裸でムキムキの男の人が1000人集まってぎゅっと身を寄せたとして、君ひとり分くらいが、ノミと細菌の大きさの関係? まあ、いいわ、本題」

「……何故裸になる必要がある」


 それなら想像出来る。嫌な想像だが。

 黒い粒のようなノミの一匹を1000人からなる軍団として見た時、その一人を見分けるようなものか。それは確かに目には映らない。


 明かりも持たずに突き進む黒衣の少女は、やがて、一つの屋敷の敷地内に入っていく。そこにもいくらか人がいたが、やはりその歩みを止める者はいない。


 先ほどまで俺たちがいた大きな屋敷よりは、幾分か小さく狭い屋敷。


 この屋敷には、いるのだろう。ここに件の病人がいる。そう確信する。


「黒死病の原因となる菌を保有した鼠の血を吸って、同じくその菌に感染したノミは、体内で増殖していく菌のせいで喉がつまって血を吸えなくなる、というか、吸っても吸っても飢えが止まらなくなる。で、そんな飢えた保菌ノミが人も獣も見境なく噛みまくってしまう結果、噛まれた箇所を通して次々と感染者が増えていく。まるで菌がノミにそう動けと指示しているようじゃない? 菌の存在がノミの行動を支配する。脳みそを持っていて一つの意思の下に行動しているかのようで面白いわね? 面白くない? まあいいわ、それがその菌にとっての生存戦略の形よ。……増える為に、広がる為に、そう在る」


 黒衣の少女は自らの手で屋敷の扉を開けて入っていく。己が屋敷の主人であるかのごとく突き進み、一つの扉の前で止まる。


「鼠、に限らず、獣の世界と人の世界を繋ぐ、吸血行為をするノミ。血を介して、広がる……それが黒死病という疫病の姿のひとつ……ノックも無しに失礼。入るわね」


 そうして開けた扉の先。


 やはり、いた。


 ベッドに横たわる若い男。

 薄暗い部屋の中には、他にも仲間の兵士らしき男や召使いらしき女もいたが、彼らが突然の侵入者に対応する前に、遅れて入って来たリッシュモンが声を掛ける。


「マルク」


 それがそこに横たわる男の名前だろう。

 男に声を掛けつつ俺たちの横を通り過ぎるリッシュモン。その時に俺に向かって何か言いたげだったが、まぁ、どうしてここがわかったのかとか、そういうことを聞きたいのだろう。知らん。本人に聞け。ルルの奴はリッシュモンが連れてきた病人の場所など誰からも教わっていないはずだ。だが知っている。そういう奴だ。


「元……帥……」

「マルク、まだ口を開くことは出来るか?」

「ぃ……はい……ですが……ぃ……どう……か、もう……私を……お見捨てください」


 薄目を開けた酷く顔色の悪い男は、苦しそうに喘いだ呼吸と言葉を吐き出す。


「わた……し、は、悪魔に、体を支配され……どうか、みんなに……黒い死の悪魔が行かないよう……焼いて……私を焼いてしまって……どうか……熱い……体が焼けるようだ……地獄の火が……悪魔が見ている……私を焼いている……ああ、苦しい……熱い……ごほっ」


 最後に大きな咳をする。

 うわごと、なのだろう。男は意識が朦朧としていて視線も定まらない。

 病で熱を得て苦しむ者の姿、そのもの。

 人に耐えがたい熱をもたらして苦しめる悪魔なんかもいたはずだ。名前はなんといったか。


 汗で濡れ、額に張り付いた前髪を掻き分け、震える男の手を取るリッシュモン。


「マルク。勇敢なるマルク。そなたは先月子供が生まれたばかりであろう。そんな弱音を吐く姿を子に見せてもよいのか。見捨てぬ。死ぬことも許さぬ。戦え。戦えマルク。熱病の悪魔など倒してしまえ」


 厳しく叱責するリッシュモンだが、その眼光は精彩を欠き、言葉にも力を感じない。


「リッシュモンさん、用事も無く病人に近づいては駄目よ、不要な接触も駄目。それは”うつる”モノよ。本人がいいなら別に止めないけど、他人を巻き込むのはいただけない」


 それを言うルルの視線の向かう先。


「はあ、はあ、こ、この部屋……この人……私はここで祈りを……」


 遅れて部屋に入って来た偽ジャンヌ。


 黒死病はノミを介して鼠から人にうつる。鼠なら見ればそこにいるのがわかる。避けるのも容易い。だがノミなど、どこにでもいる。奴らは小さくて見落としやすい。痒くなった後で噛まれたのを知るのが精々だ。気を付けていればどうにかなる事でもない。病をうつされたくなくば元より病人がいる部屋には近づかないのが最善。その危険のあるこの部屋に偽ジャンヌは連れて来られて奇跡をせがまれたのだ。


「はあ、はあ、ここがジャンヌ様がおっしゃっていた……」

「プリュエル様!?」


 偽ジャンヌに手を引かれて部屋に入って来た、息も荒いプリュエルを見てマロー司教が目をむく。


「ついてこられたのですか!? 屋敷へお戻りください! 危険ですぞ!」

「すいません。ごめんなさい。申し訳ないことです。ですが、物の見えない私であっても見逃してはいけないことがあるような気がして、どうしても……」

「ぬ、ぬぬ、見逃せないのは、私もです、が、ぎ、銀の聖女様の身柄を狙う不届き者もおるのです! ここには恐ろしい病を抱えた人もいて、ああっもうっ」

「まー、まー、マローさん、今は私がいるから大丈夫。今は、ね。それよりうるさくしないでね、騒々しいのは苦手よ。病人もいることだし、お静かに」


 うなだれた様子のマロー司教に代わり、病人から手を離したリッシュモンがルルに質問を投げかける。


「この部屋に鼠はいない。それに病が人から人にうつるのは迷信だなどという医者もいるが?」

「病気の原因なんて、それこそ星の数ほど。人から人にうつらない病気も普通にあるからねえ。けど、これは違う。うつる」

「心が強く正しい者は病にならぬと……」

「気合で風邪を治す系の人? いるわよねぇ」


 ルルが肩をすくめ、リッシュモンが考え込む。


「様々な者が様々な理由を言う病の原因……病原菌なる目にも見えない程の小さき存在……それを認めるとどうなる? 鼠から人に、その目に見えぬ程に小さい病原菌なるものがうつるのならば、人から人にも、ノミを介してうつるのが道理、か……それで、そなたがここに来たのは彼の為に祈りを捧げにきたと考えて良いのであろうか?」

「祈らないわよ。それから奇跡も起きない」


 ルルの素っ気ない言葉に絶句するリッシュモン。険のある顔がさらに険を増していく。


「では何故」

「ちょっとした医学知識をひけらかすため? 楽しい行為よねえ、間違っていたり何も知らなかったりする人に上から目線で自分の持つ知識を披露するのって」


 再び絶句。


 口の端を少しだけ上げて笑う、いつもの邪悪な笑みに、流石のリッシュモンも二の句を継げない。


「やはり魔王か」

「何か言った黒騎士さん?」

「何も?」


 ルルよ、お前ではないにしろ、お前の仲間たちは様々な世界の人類を滅ぼしたりもしているのだろう? もう魔王でいいのではないか。魔女と魔王なら魔王の方が強そうだし。


「ごほっ、ごほっ」

「………………大奇跡を見て浮かれる者たちの中で、私だけは冷静であらねばならん、曇りなき眼で見ねばならんと意気込んでいたが、私もまた、実際に目にした大奇跡に目を曇らせ浮かれる者の中の一人であったのだろうか……乙女よ、ルルと名乗る者よ」


 病人からルルへと視線を戻し、それでも根気強く会話を続けるリッシュモンは、敵ながら、いや敵ではないが、嫌いな奴ながら大したものだと感心する。昔の俺ならもう剣を抜いている。


「マルクを苦しめる熱をもたらしているのが、その病原菌ということか、悪魔ではなく」

「そう、けど違う、厳密には」

「違う?」

「病気で熱が出る。体が熱くなるのは、マルクさんの体内にいる、やっぱり目に見えないくらい小さな細胞たちが病原菌と戦っている証拠」

「?」

「免疫に携わる、いわゆる国防の為の兵士さん騎士さんといった細胞たち。彼らが活発に動けるのが、その普段よりは高い体温なのよ。目には見えないけれど、確かに人の体内にいる彼らは普段からでも懸命に働いているけれど、最高の能力を発揮する状況にするために、そうしている。さらに侵入者である細菌にとっては不都合な体温でもある。これはね、人の意思は関係ないものなの。それは生まれながらにして体に備わった機能。親から受け継いだ機能。人は自己の生存の為に自ら体温を上げている。悪魔が悪さを働いているのではなく」

「悪魔が悪さを働いているのではなく……」

「ふふ、悪者だと思っていた奴が、実はいいだったーなんて、これが物語なら最高に盛り上がる展開よねえ? おいお前、敵じゃなかったのかー、みたいな」

「…………」

「……リッシュモンさんの好きじゃない所にもう一つ追加、私の冗談やくだらない雑談に付き合ってくれない」

「それは理不尽過ぎだろ!」


 ……最後のは俺だ。


 リッシュモンを擁護する気など欠片一つも無いが、ルルのあまりにもな否定理由に、つい声が出てしまった。くだらぬ雑談に反応しないからと嫌われるのでは救いが無さ過ぎる。

 ちなみにルルの奴はもう駄目だ。自分で自分の発言をくだらないと言っている時点でもう誰にも救えない。


「理にかなっている、ような気がする」


 病人を触った手を口元にやって独り言を零すリッシュモン。やがてルルの目を見ながら姿勢を正す。


「今を持ってもそなたらが何者であるのか、わからない。本当にわからない。だが、私が意図して行った挑発にも、そなたは常に冷静で寛容であった」

「おいリッシュモン、あの態度がわざとだったと?」

「まぁまぁ黒騎士さん」

「奇跡に目が眩み、奇跡以外のものを求めることが出来なくなるほど私は視野を狭めていたらしい。乙女ルルよ、そなたの正体はもう問わない。奇跡も請わぬ。自身の愉悦の為に医学知識を披露するというのなら、それでも構わない。どうかその知識でマルクを助けてやってくれまいか」


 壁に掛けられた燭台の明かりを受けて、リッシュモンの瞳が煌めき揺れる。


 中世暗黒時代。


 かつて、俺たちが出会ってすぐ、黒猫の姿をしていたルルが何気なく零した言葉。

 忘れかけていたが、それを唐突に思い出した。

 何を言っているのかわからなかったが、未来と過去、現在を行き来することが可能ならば、わかる。


 今、俺たちが生きる時代が、どこかの時代でそう呼ばれているのだ。


 確かに暗い時代だ。

 闇の中に置き去りにされているかのような時代だ。

 明かりは乏しく、死は身近で容赦がない。戦争に怯え飢餓に怯え、終末に怯えている。右も左も、誰も彼もが先を見通せず、闇雲に歩き回り、まともに立って進む事すらおぼつかない。伸し掛かる闇に息が詰まり、途方に暮れている。誰も、彼もが。


 手を差し伸べたくなる。求めたくなる。そこに光があるのなら。


 俺にとってのジャンヌがそうだったように。兵士にとってのジャンヌ・ダルクがそうであったように。

 ――多くの者にとっての信仰が、そうであるように。


「――どうよ? 黒騎士さん、リッシュモンさんの知性ある態度は。これが人に教えを乞う者の正しい態度というものよ。よく見て勉強してね黒騎士さん」

「……俺に振るな、応えてやれ、リッシュモンに」


 ……ルルの言いたいことはわかる。

 弟子にしろだの手伝わせろだのと一方的に言う俺に問題がある。しかも正体に拘り過ぎて失態を犯し自ら権利を放棄しておきながら、だ。

 恥も知るし、俺にだって知性はあるが、ルルの奴にはどうしても頭を下げたくない。理性ではない感情の部分でそれを許さないのだ。ぐぬぬ。


「さぁて、困ったわねえ。知識をひけらかしてうんぬんというのは、半分くらい冗談だとして」


 その言い方だと半分ほどは本気ではないか。ほとんど変わらない。


「器具も知識も、何もかもが足らないこの時代の人たちに、この状態になった病人を今すぐなんとかすることは出来ないからねえ」


 何度言われた事か。俺には、俺たちには、何もかもが足らない。

 それを言われる俺たちは、何が足りないのかも、わからない。


「この段階に至っては、ただ病人から離れて、後は無事を祈ることくらい? 本人が言うように、体ごと病原菌を焼いてしまうのも、実は有効な手段だったりするのよねぇ、認めたくはないでしょうけど」


 病人を焼くと聞き、彼の仲間が激高しかける。それを目で制すリッシュモン。部屋の中に満ちる緊張と、静寂。


 ルルはこれを挑発でも何でもなく、ただの事実として言っている。

 助からない。手遅れだ。そう言っている。

 そしてこうも言っている。

 俺たちが手を出さないままでは、と。


「俺の出番か?」

「ないから。黒騎士さんの出番はここにはないから」

「ないのか?」

「出来ない事をやれとは、さすがに言わないからね」

「骨の姿で幸せになれとか、出来ない事の筆頭だろうが」

「さーて」


 俺を無視して男が横たわるベッドに近づいたルルが、ゆっくりとシーツをめくる。


「……その病原菌に感染し、守護者たちの奮闘虚しく体内で増殖することを許してしまった場合、その汚染された場所に応じて症状が変わる。道路の様に張り巡らされているリンパ……ええと、血管とは違う流れの中で増殖した菌は、その集まる場所で、体を破壊していく……結果、肥大化」


 男の太ももには、握りこぶし程度に腫れ上がっているコブが見られた。


「血管で増殖していけば、各所の血管が破れ、そこから血が溢れ、壊死して、人の体は黒ずみ、死んでいく……黒き死、ね。そして……」

「ごほっ」

「人の呼吸を担う肺に感染が広がった場合」

「ごほっ、ごほっ」


 男は激しく咳き込み、胸を掻きむしる。


「もう鼠は関係無い。ノミも関係無い。人の咳と共に吐き出された病原菌は、吸って吐く息を通して、勝手に感染を広げていく」


 黒衣の少女は振り返り。


「ヒトからヒトへ。リッシュモンさん、おめでとうございます。貴方のうかつな選択で、この部屋にいる人たちは皆、感染者予備軍よ」


 黒衣の少女は口の端を上げて宣告する。


「!」


 リッシュモン、何度目かの絶句。ただ今回は、目を見開いて、本当に何も言えぬ様。


「ただ、今回だけは私がいるから……特別よ?」


 黒衣の少女は手を合わせ。


「範囲選択。領域確保。対象指定。比較。対象消失検証。エラー。重大な損失の可能性。再試行。再試行続行……」


 呪文を唱え。


「……成功。選択除去可能と判定」


 ほんの一瞬。瞬きにも満たぬ瞬間。人によっては気がつくかどうか。


 部屋の中が青白い光で満たされ。黒衣の少女は。


「ちょっとした、おまじないくらいは、かけてあげる。皆が病気になりませんように」


 言葉なくルルを見つめる一同に微笑みかける。


 何をしたのか、何をされたのか。本人以外には、わからない。しかし、何かはした。


 祈りもしなければ奇跡も起きないと言ったのに。

 起こすでは無いか。奇跡。

 こいつの言う事は本当に油断ならない。





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