表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼の寝姿は雪だるま

作者: 木公田

『仕事終わった!今から帰るね!』

彼女からLINEが来た。

『寒いからうどん食べたい!』

続けざまにLINEが来る。彼女は僕の作るうどんが大好きだ。

『夕ご飯はうどんにしようか』と返信すると喜びのスタンプがたくさん返ってきた。

彼女の食べる姿は見ていてこっちが幸せになる。だからこそ作り甲斐があると言えるのだけど。

まだ帰ってくるまで時間もあるし、それまで少し寝よう…

------------------

「ただいまー!」

帰ってきたのはいいんだけど、部屋が暗い。

いつもならおかえり、って言いながら彼が迎えてくれるんだけど。

よく聞いてみたら、規則的な寝息が…

彼、寝てる… 

こたつで寝たら風邪引くよ?

風邪引く前に起こそうかなと思ったけど、彼の白いセーターに白い毛布が合わさって、モコモコした姿はなんだか雪だるまみたいでかわいい!

いつも見てるけど、寝顔もかわいいけどこれもかわいい、起こすのもったいなくなるくらい!

じっと寝顔を見つめていたら、私まで眠くなってきた。もうちょっとだけこの寝顔を楽しんじゃおうっかな。

------------------

ふと気が付くと、左側に暖かい感覚。

鼻をくすぐるコロンの匂い、彼女がいつも付けている香り。

いつの間にか帰ってきた彼女がすうすう寝息を立てていた。

近くには帰ってきてそのままな荷物や上着が置かれている。

彼女を起こさないようそっとこたつを出る。

いつもクタクタになって帰ってくる彼女のために、僕ができることは限られてるけど。

大好きなうどんを作るために鍋に水を入れてお湯を沸かす。

冷蔵庫からネギや油揚げを取り出し、包丁で切っていく。

彼女が起きる前にできあがるといいけど…

------------------

水が流れる音、沸騰する音、トントンをまな板を叩く乾いた音、

鼻をくすぐるだしの香り、口の中にイメージが広がる食べ慣れた味、

目を開けると部屋が明るくなっていた。

起き上がると湯気の向こうに見えてくる彼の背中、

私に気づいたのか振り向いて微笑みかけてくれる

「うどんできたよ、食べようか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ