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【将棋】京急将棋祭り2018 3日目のお話【感想】

作者: 清野 剛

それでは最終日、3日目の話となります。


発言に関しては一言一句正確な訳ではなく、ニュアンスが歪まないことを重視しておりますので、そんな感じで読んで頂けたらと思います。


本日は最終日ということで、初日同様に開会式がありました。つつがなく終わり、司会の竹部さゆり女流三段から「それではこれで閉会式を~」と。


つつがなく終わりませんでしたねw


開会式終了後、本日出演する女流棋士がステージ前に並び、紹介がありました。代表しての挨拶は西山朋佳女王。


西山さんは奨励会で三段リーグに挑戦しているのもあり、聞き手やイベント参加は初ということで、その初めて感が何とも良いですね。


写真タイムの後は『東西女流対決』と題して、山根ことみ女流初段と頼本奈菜女流1級の対局となります。


東西の西は山根さんを指していると思うのですが、山根さんは今年の6月に関東へ移籍したので、実は東東対決になっていたというオチも。


解説は谷口由紀女流二段、聞き手は本田小百合女流三段。本田さんは過去に両対局者へ将棋を教えたことがあるそうで、山根さんの不思議ちゃんなエピソードも披露してくれたました。


将棋の方は先手の山根さんが後手の攻めをいなして勝利したのは覚えているのですが、3日間通じて、ほとんどが対抗型か相振飛車の力戦だったのと、この後の企画将棋のインパクトで、内容がだいぶ飛んでますねえ・・。


今日は将棋連盟の中継スタッフの方が終日いましたので、気になる方は将棋連盟モバイルでご確認頂けたらと思います。


13時。ゲストの高見泰地叡王が登場。本日は司会の竹部さんが幾つか質問をぶつけていました。


叡王になって、最初は「叡王」と呼ばれるのに反応できなかった話や、高見君から竹部さんへ今日の猫かぶり司会にツッコミがちょいちょいあったりと、軽快なトークでしたね。


続いて企画コーナーの『星座対決三番勝負』。天秤座チームとして、本田小百合女流三段、山口恵梨子女流二段。魚座チームとして、山根ことみ女流初段、頼本奈菜女流1級が選抜されました。


今日の山口さんは眼鏡をかけていて、朝は一瞬、誰だか分からなかったのですが、眼鏡も似合いますね。


ここで三番勝負の内容が中村九段から発表され『王手将棋』『青空+覆面将棋』『10分切れ負けリレー将棋』のラインナップとなりました。両チームにはお昼に伝えたそうです。


解説は高見泰地叡王、聞き手は西山朋佳女王。西山さんは初めての聞き手だそうで、高見君から「初めての聞き手が王手将棋で大丈夫ですかっ」とツッコミもw


先手は山口さん、後手は山根さん。王手将棋は文字通り、王手をかけたら勝ちのルールとなります。


山口さんは以前に三枚堂君や若手棋士達と指していたそうで「自信ありますっ」と力強く。対する山根さんも過去に研究したことがあるそうで、こちらも「自信ありますっ」と対抗しました。


山口さんの初手は5八飛車。普通なら中飛車宣言ですが、これは王手将棋ならではの手で、この後、6八銀、4八銀として、持ち駒からの王手を消した、穴熊的な手ですね。


後手も6二銀、4二銀と上がり、セオリーを感じさせます。そこから角を1三と出て、飛車が5四に回り、5七の地点へのプレッシャーを強く。


実はこれがサックリ決まっていて、必死の状態。山口さん投了で、まずは魚座チームの1勝となりました。山口さんは山根さんの王手将棋の強さに驚いたとコメントしていましたね。


続いて青空+覆面将棋。元々は普通の将棋から歩を排除した青空将棋を予定していたのですが、更に覆面要素も加わりました。


覆面将棋とは、通常だと王を取られたら負けですが、取られたら負けの駒を事前にそれぞれが指定し、それを取られたら負けというルールとなります。相手の指定した駒を予想しながら進める形ですね。(香はすぐ取られるため、飛車は成ると捕まえづらいため、指定禁止)


対局者は先手が本田さん、後手が頼本さん。チームが一敗しているのと、後輩相手ということで、本田からは気合を感じます。


対局前に解説の高見君から中村九段に確認した事項があり「取った王は使って良いんですか?」と。中村九段は苦笑いで少し考えた後、使って良いことになりました。


両対局者が指定した、取られたら負けの駒が、観客席に公開されます。本田さんは右金、頼本さんは右銀。


青空将棋なので、初手は9一香成と、いきなり香を取りながら成香ができました。後手も同様に1九香成と香をとります。


この後、角交換を活かす形で、先手は5三に角を打ち、両銀に当たりをかけて探りを入れます。これに対して、後手の指し手は6二金。右銀を守った形ですね。まあ、ロックオンですなw


解説の高見君、聞き手の西山さんは、指定駒が分からないように喋る必要があるため、「もし、この駒だったら~」と言った感じで、上手に進行していました。


右銀に狙いをつけた先手は、7筋に香を打ったり、途中駒損になりながらも右銀に迫っていきます。歩なし将棋だと香が強くて、香打ちに対して、桂打ちで受ける盤面が多かったですね。


防戦一方だった後手も一発5七に桂を打ち、両金に働きかけます。本田さんはブラフで金を逃げない手も考えたらしいのですが、逃げなかった場合に、右金が取られる可能性が高いと見て、ここは4八金と逃げました。


これで後手も右金にロックオンということで、お互いに狙い駒が定まりました。


覆面将棋に対しては、西山さんが「高見さん上手そうですよね」という感想に「嘘つきってことですかっ」と素早く返していたのが、さすが高見君というか、面白いですねw


玉を取り、玉を打つという展開もあり、駒台に玉が乗ったり、初めて聞く符号があったりと、覆面将棋ならではの楽しさがあります。


将棋の方は手数が伸びるにつれて、先手の駒損が響く展開となり、最後は先手の投了で後手の勝ちとなりました。


高見君は「覆面将棋だと駒を取られて終わりになると思っていたんですけど、投了で終わりましたねっ」とコメント。確かに。


これで魚座チームが2連勝となりましたが、ここはお約束ということで、最後の勝負に勝ったチームが優勝となります。


その最後の勝負は『10分切れ負けリレー将棋』を予定していましたが、2局目が熱戦で長くなったのもあり、中村九段の判断で、リレーではなく1対1の切れ負け将棋に変更となりました。


対局者は王手将棋で対戦した組み合わせで山口さんと山根さん。


「山口さんのリベンジなるか」というところでしたが、今日の山根さんは強かった。詳細は省きますが、見事な差し回しで本日3勝目。星座対決もストレートで魚座チームの勝利となりました。


高見君から勝利者賞の商品券を渡された二人は嬉しそうでしたね。魚座チームおめでとう!


次は上級講座の時間。と言っても連日の通りフリー枠です。今日は中村九段が昨日の『詰将棋対決』で出番のなかった問題をメインにお客さんに答えてもらって、と言った感じでした。


5時。メイン対局は西山朋佳女王と谷口由紀女流二段の対戦となります。西山さんは「谷口さんとは1勝2敗なので、勝ってタイに戻したいです」と力強いコメント。


考えたら席上対局なので、公式戦の勝ち負け数には影響がない気がするけど、考えたら負けってやつですね。


振り駒の結果、先手は谷口さんに決まり、戦型は相三間飛車となりました。開戦が早かったのもあり、先手は居玉、後手も7二銀に6二玉の状態で囲わない将棋に。


解説は高見泰地叡王、聞き手は山口恵梨子女流二段。この組み合わせは予想通り、軽妙なやり取りが多く、楽しい大盤解説でしたね。


将棋は先手の受けで、後手の飛車が詰まされる展開となりましたが、女王が随所で実力を見せ、捩じり合いを制し、鮮やかな寄せで勝利となりました。


対局後に谷口さんは「こうなるので居玉はやめましょうっ」とコメント。居玉負けあるあるですねw


最後は恒例の『詰将棋』『次の一手』の正解発表とプレゼント抽選。昨日の11手詰めは割りと簡単だったんですけど、今日の11手詰めは難しかったですねえ。


正解発表は、いつも棋士がその場で図面を見て解くのですが、高見君は一目とはならず。それを見た中村九段が秒を読みだしてプレッシャーをかけるっていうw


それでも10秒ぐらいで解いたのは流石ですよね。投票数からも難しい問題だったのが分かりました。


『次の一手』は「西山女王が最近こだわりのある食材は何でしょう」という問題で、3択は昨日一昨日と一緒。正解はアイスクリームで、お気に入りを朝食の前に食べる事が多いそうです。


初めての将棋祭り出演に楽しそうだったのが印象的で、見ていてこちらも楽しい気分になりました。また出演する機会があったら嬉しいですね。


そのまま西山女王の締めの挨拶と、中村九段の挨拶があり、楽しい三日間は、これで終了となりました。


全日見た感想として『女流棋士の祭典』は、とても良かったですね。例年に勝るとも劣らない内容で、すごく楽しかったです。


将棋中継が増えるにつれて、女流棋士の出番も多くなり、聞き手だけではなく、司会進行を兼ねることが多くなったのが、喋りの上手さに繋がっているのではないかと思っていましたが「喋りの上手い人が多くなってきたなあ」と改めて感じました。


技術の進歩で『見られない職業』から『見られる職業』になったことも大きいですよね。本当に華やかな三日間でした。個人的には来年も女流棋士の祭典ウェルカムです!


会場の京急百貨店は、京急上大岡駅から直結となっており、品川から30分とアクセスも良いので、興味が湧いた方は、ぜひ来年遊びに行ってみてください。


京急将棋祭りのレポートを書いているのは、こんなに面白いイベントの記録が全然残らないのはとても残念だと思う点と、レポートを読んでイベントに参加する人が一人でも増えたら嬉しいな、という思いですね。


場の面白さを文面で伝えるのは、なかなか難しいところもありますが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。


リンクが貼れないため、1日目、2日目のレポートはページ最下部の『作者マイページ』のリンク先からご確認ください。

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