エリーとダニエル
2130年。地球温暖化により、海面上昇、気温上昇した世界。世界各地の国は、日本を除き、火星に移住している。そして今日、2130年7月20日、日本も火星に移住することになったーー
朝8時。いつものように、兄のダニエルに起こされ目覚めた。
「いつまで寝てるんだよ!いつもだけど、いい加減自分で起きたら?せいぜい、火星移住の日ぐらい、自分で起きなよ。」
「はーい。所で朝ごはんは?」
適当に返事をし、朝ごはんのことを聞く。
「あぁ、用意してないから自分でフォミマに買いに行きなよ。金はやるからさ!」
と言って、1000円渡された。
鉄製のドアを開ける。ギィー、と、地面に擦れて、不快な音が出る。
階段を降り、アパート「コーポ モモコ」からほど近い、フォミリーマートに向かう。やはり温暖化のせいか、余り歩いていないのにも関わらず、汗が額から滝のように溢れる。ズボンのポケットに入れていた手ぬぐいで汗を拭く。
3分ほど歩いた。ようやく、フォミマに着いた。
フォミマの中は、冷房がビンビンに効いていて、寒いほど涼しい。
中で、友達のチャーリーに出会った。
「よぉ、エリー。買い物か?」
チャーリーが、陽気な声で聞いてくる。
「まぁな。兄ちゃんが朝ごはん用意して無かったからな。お前も買い物か?」
「いや、涼みに来ただけさ。母さん、電気代ケチって、付けてくれないからさ。」
残念そうに、チャーリーが呟く。
「そっちもそっちで、大変だな」
そう、チャーリーに告げ、フォミマチキンと、味噌おにぎり、どちらも2つずつ買う。
「合計600円になります。」
会計を済ませ、フォミマから出る。
出た瞬間、また中に戻ってしまった。
そのぐらい、暑かったのだ。帰るのも苦戦しそうだ。
第1章 完。