未知な、充君
疲れが取れない多喜…。
いつもと違う充…。
いつもと変わらない高氏…。
イケメン後輩×ツンツン先輩第15話
結局昨夜は俺のほうが
疲れがたまりツッコみが追い付かず
俺と高氏のなんやかんやは
とりあえず保留ということになった。
あまり疲れも取れぬまま、
世知辛くも学生という身の上なので
いやいやながらも学校に来た次第です・・・。
「はぁ~・・・」
「ようっ!多喜、おはよー」
「あぁ、充か・・・」
「なんだよ、何そんな疲れてんの?
まだ、朝は始まったばかりだぜ?」
「俺の疲れの原因が何をほざく・・・」
お前が俺の母親に勝手にカミングアウトなんか
するから俺の疲労は倍増しなんだぞ・・・。
「えぇ?俺、なんかしたっけ?」
「しただろ。母親とメール。」
「あぁ、お母様への報告メールのこと?
いやぁだってお母様が多喜が学校でお友達と
仲良くできてるか不安だっていうからさ~」
「あの人は俺をいくつだと思ってるんだ・・・」
ん~幼稚園児?
なんて不愉快なことを言っている充はとりあえず
殴っておく。
「友達ができるか不安ってのは置いておくとして
そこでなんで高氏のことも知らせるんだよ。」
「だって面白そうだったから。
多喜に彼女ができたらすぐ知らせてって前々から
言われてたからさ、彼女じゃなくて年下の彼氏なら
できそうです。って送ったんだよ。」
「充、首折られるのと、心臓刺されるの
どっちがいい?屋上から突き落とすのでもいいぞ?」
「それ即死するからやめてっ!!」
「なんだ?新庄は苦しみながら
いきたいタイプか?」
「あ、藤堂先生」
たった今話しかけてきたのは
俺らの担任である、
藤堂 克明先生だ。
それなりにイケメン?というか
男らしい野獣系男子というものらしく
女子生徒には人気が高い。
最近は草食系男子ばかりだから
藤堂先生みたいな肉食系にトキメク
だのなんだの女子が騒いでいた。
女子の言葉は毎回新しくてよくわからん・・・。
「そうか、新庄がマゾだったとは初耳だなぁ」
「ははは、いやだなぁ藤堂センセー。
あなたに言われたくないですよ~
マゾはどっちですか。」
「おいおい、担任をマゾ呼ばわりか、新庄?」
「いやいや、藤堂センセーこそ大事な生徒を
マゾ呼ばわりはひどいんじゃないんですかね?」
なんだこの二人・・・。
二人の周りに不穏なオーラが立ち込めているのが
見えるぞ・・・。
それにしても、充は当たり障りなく誰とでも
話すタイプだからこいつがここまで
わかりやすく機嫌が悪いの久しぶりに見たな・・・。
藤堂先生とはそこまで仲悪いとか聞いたことなかった
けど、何かあったのか?
この前までは普通だったよな・・・?
「ところで藤堂センセー、もうチャイム鳴りましたけど
さっさとホームルーム始めなくていいんですかね?」
「お前らが騒いでるから指摘しに来てやったんだよ。
感謝しろ。」
「わぁーそれはアリガタイデスねー。
藤堂センセーはお優しくていらっしゃる。」
空気悪っ!!
充の笑顔がだんだんと怖く見えてきた・・・。
俺と違って充は顔は笑ってるくせに内心でスゲー
怒るタイプだから、俺よりタチ悪いんだよな。
「藤堂先生、みんなホームルーム待ってるんで
始めてもらっていいですか?」
「あぁ、そうだな。そろそろ始めるか。」
やっと離れてくれた・・・。
正直、充の機嫌悪い時のオーラは精神的に
きつい・・・。よくもまぁ、あれだけ機嫌悪い
充と話していられたな藤堂先生も。
「おい充。お前、藤堂先生となんかあったのか?
すげー嫌そうだったけど・・・」
「べ~つに~?なんもないよ。」
「・・・」
(嘘だな。目が笑ってねぇよ・・・)
あれか?この前担任の情報手に入れたとか
言ってたけどなんか変な趣味でも
あったのか?
「お前ら今日の放課後、体育祭の種目決め
あるから教室に残ってろよ。」
体育祭・・・。
そうか来月か。あんまり好きじゃないんだよなアレ。
もともと走るのとか苦手だし・・・。
なんか玉入れとか、綱引きとか無難なやつ取れればいいな。
「多喜はまた玉入れかなんか?」
「あ?あ、あぁ。」
「だよなぁ~多喜走るの嫌いだもんなっ。」
充の機嫌が知らない間になおってる・・・。
復活が速いな。
「んじゃ、お前ら今日も一日がんばれよ~」
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「あぁ~!!やっと授業終わったぁ!!」
「終わったって言っても飯食った後に
まだ2時間半は授業あるけどな。」
「多喜~、それを言うなよ~!」
「いいからさっさと飯食うぞ。
今日も食堂でいいか?」
「おーけー」
じゃあ食堂行くか。と教室の扉をつかんだ瞬間
廊下から誰かが走ってくる音が響いてきた。
まぁ、誰だかは心当たりがありすぎるんだがな。
「お!旦那のお迎えが来ましたかね?」
「キモイからその旦那ってやめろ。」
「さーら先輩っっっ!!!」
「よぉ、高氏~」
「あっ!新庄先輩どーも!」
「高氏、少しは声のボリュームを落とせ。」
「はい!!」
意味わかってねーな。
「俺ら今から食堂行くけど高氏はどうする?
まぁ、多喜が行くなら高氏も来るか・・・。」
「あたりまえっす!!」
「んじゃあ行こうぜ~」
勝手に話を進めて充が食堂へと向かう。
俺の意見は無しかよ。
「さーら先輩」
「あ?」
「新庄先輩、なんかあったんすか?
すごい疲れてるように見えるんですけど・・・。」
「へぇ、充の変化がわかるってお前すごいな。」
「さーら先輩に褒められた!!」
ついでに俺の疲労の変化にも気づいてくれると
有難いんだけどな・・・。
「ちょっと朝に藤堂先生ともめた?
というかなんというか・・・。」
「藤堂先生ってさーら先輩のクラス担任ですよね?」
「あぁ、少し前まではこれといっておかしい点は
無かったんだけど、今日藤堂先生と話した時の
充がスゲー機嫌悪くてな」
「新庄先輩が機嫌悪いって相当ですね。
何かあったんですかね?」
「知らん。充はあんまり自分のこと
話さねーからな。」
充と友達と呼べる関係になって結構たつけど
いまだにアイツのことでは知らないことのほうが
多い気がする。
俺が聞かないのもあるけど、
充は自分の家庭の話とかになるとそれとなく
話を逸らす癖があるから、たぶん触れてほしくないこと
なのだと俺は勝手に判断してる。
「そうなんすか・・・。
なんか新庄先輩はいつもニコニコして
おしゃべりだから自分のことも
いっぱい話してるもんだと思ってました。」
「まぁ、周りから見たら充はただのニヤニヤ野郎だから
そう思われてもむりはないな。」
「ニヤニヤ野郎って・・・。」
「お前はヘラヘラ野郎だけどな」
「ええぇ!!?ひどいっすよさーら先輩ぃ~」
こいつをヘラヘラ野郎と言わずしてなんと言う?
ぴったりなあだ名じゃないか。
「ほら、メソメソしてんじゃねーよ。
さっさと充追いかけるぞ!」
「あぁ!待ってくださいさーら先輩!!」
まぁ、充もあまりにも手に負えないことが
起きたらなんかしら言ってくるだろ・・・。
変に口出すとアイツは余計隠す癖がある。
あいつからなんか言ってくるまでは
大人しく見守るのが一番だな。
やっと担任出せたー。
ちゃんと充のほうの話も進めたいですなぁ・・・。
高氏のお兄さんもそろそろ出番が来るはず!
来るはずっっ!!




