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超短編

恋に落ちたのは…。

作者: しおん

はじめて恋に落ちたのは、隣に住んでるお兄さんだった。



まだ小さかった頃の私は、いつも一緒に遊んでくれる隣のお兄ちゃんが大好きだった。


あの気持ちが恋心なのかは、未だにはっきりしないところがあるけれど、きっとあれが私の初恋だったと信じてる。




つぎに恋に落ちたのは、中学の先生だった。



新しく私の通っていた中学に配属になった鳴子という先生は、ひどくイケメンだった。


その頃の私は、俳優やらアイドルやら、とにかく顔がかっこいい人間がタイプだった。そんな時に現れた先生に、私が興味をもたないはずがなく、気になりだしてから恋に落ちるまでにはそう時間がかからなかった。


そんな私が恋に落ちるほどだ。もちろん他の女子生徒からの人気も凄まじいもので、バレンタインデーには、まるで戦争でもしているかのような修羅場がそこかしこで行われていた。その様子をみて恐怖すら感じた私が、この恋を諦めるのに早々時間はかからなかった。




そして、最後に恋に落ちたのは高校の同級生だった。



クラスの中心で人気者のとなりに必ずいる彼の親友。

少し寡黙な彼の名前は東郷。

その厳つい名前が良く似合う、かなりがたいのいい体の持ち主だった。

はじめはあまり話さなくて面白くない人だと思っていて、興味すらもってはいなかった。


そんな考えが変わったのが文化祭。


クラスの実行委員に選ばれてしまった私は、私とおなじ実行委員としてその運命を共にする東郷と少しずつかかわるようになっていったのだ。

はじめは事務的な話ばかりだったが、だんだんと話す話題が仕事から趣味へとかわっていった。

寡黙だと思っていた彼は案外おしゃべりで、話題が途切れることはなかった。


文化祭が終わってからもこの関係はなくならず、あとからクラスメイトに聞いた話だが、そのころから付き合っているのでは?と、噂されていたらしい。


そのまま仲の良い友達という関係をだらだらと続けていたある日、私は東郷に大事な話があると呼び出された。


皆さんご察しのとおりの"告白"だ。


びっくりしてしまった私はすぐに返事が返せず、一日待って欲しいと東郷に伝えるのが精一杯だった。

翌日、一晩考えた末に浮かんだ答えはOKというもので、それから私たちは付き合うことになった。



あれから、何年もの月日が流れた。

大人になった私はもう、恋には落ちないだろう。

だって今日、恋心を捨てて、永遠の愛を誓うのだから。





「さぁ皆さん、花嫁の登場です」


読んでくださって、ありがとうございました。


感想などいただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] テンポがよくて、読みやすかったです。 読んだ後、こちらも幸せもらえるような感じがありました。 「そして、最後に恋に落ちたのは高校の同級生だった。」 この一文を見たとき、ん? どういうことか…
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