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第7章  御奉書

「えーぃ。何故にこのような沙汰を受けとらねばならぬのじゃ。守護代め、おのれが甘い汁を吸わんが為に、吾らを落としいれようと策を弄したのに違いない。えーぃ、このままでは済まさぬぞ。船越輿三郎。どうじゃお主、知恵を出さんか。」

 浦代官香西五郎左衛門は収まらず、御奉書を手に代官補の船越輿三郎を前にして落ち着きなくイライラと歩き回りながら言った。

 右に左に代官の動きに目を配りながら、いかつ顔をかしげながら輿三郎は頭をめぐらせた。

「恐れながら、御奉書には徳役を課すのを差し止めるのみとしか書かれておりませぬ。税課を課すに関しては問題はござらぬでありましょう。仁尾浦の陸部は、彼在所は浜陸一同事、先年落居しおわんぬとされており、陸部の田畠での作物は神人達の採り放題でござる。いっそこれに税課を課せばいかがでしょう。」

「おっ、ほほほぅ。輿三郎。よいよい。それ良いぞ〜。」

 青白い公家顔の香西五郎左衛門は手に持った扇子を鳴らしながらイライラと歩き廻っていた足を止め、

「お主は切れるのう。それじゃ、それじゃ。まだその手があったか。まぁ見ておれ、守護代め。目にもの見せてくれるは。よし輿三郎。早速、陸部の検地を差配し、掌握せよ。」

 船越輿三郎の肩を扇子で叩きながら言った。


 命を受けた代官補の船越輿三郎は、早速同所陸分の内検を強行した。すなわち陸上部の田畠を掌握してその部分に対して、別の課税を行おうとしたものだ。 

 かわいそうなのは仁尾浦の住人たちである。海上の諸役をつとめることで、浜とみなされた陸部に田畠が存していても、今まではその部分への課役は免がれていた。




☆作者から☆

 野暮用が多すぎてほったらかしになっておりました。陳謝

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