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幼馴染のち恋模様  作者: 琴乃葉つむぎ
記念日と便り

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レストランでは定番だが夜景が見える席を予約した。

ホテルが見えてきた辺りからずっと葵がはしゃいでいて、愛しさで爆発しそうだ。


「テーブルマナーとかよく分かってないからこっそり教えてね?」


と小声で言う葵も可愛くて抱きしめたいと腕が疼く。


「テーブルマナーなんて気にしなくていいから葵は可愛くはしゃいでて」

「子供じゃないからね?大人の女性らしく振る舞って見せる!」


気合い十分だが、早速外の夜景にはしゃいでいて、この尊い生き物をどうしてやろうかと頭を抱えてしまう。


料理が運ばれてくると、慣れないながらに綺麗にナイフとフォークを使っていて今度は綺麗だな、と思う。葵の魅力はこの数時間だけでも留まることを知らない。どうにかなりそうだ。


「おいし〜い!」


葵は料理を美味しそうに頬張ってもぐもぐしている。

葵のこんな幸せそうな笑顔がまた見られるようになって、心から良かったと安堵している。

蓮からの電話が頭を過ったが、今は葵との幸せなひと時に浸っていたくてすぐさま脳内から追い出した。


デザートのタイミングで、スタッフにお願いしてあったプレゼントを運んでもらう。

【Happy Anniversary】とチョコレートで書かれたデザートプレートと、99本のバラの花束。


スタッフから花束を受け取り、葵の前に跪く。

もう既に泣き始めている葵に笑ってしまうが、伝えたいことがある。


「葵。俺と出会って、俺を好きになってくれてありがとう。これから葵の笑顔が咲き続けるように、葵が不安にならないくらい愛されてるって信じられるように・・・なによりも、葵が心から幸せだって思って生きていけるように、これまでの比じゃないくらい大切にする。ずっと愛してるよ。これからは夫婦としてよろしくな」


涙で見えていないかもしれないが、ずっと目を逸らさずに聞いてくれた葵に花束を渡す。

周りの席から拍手が巻き起こる。

泣いて何も喋れなくなっている葵をそっと抱き寄せた。腕の中で何度もありがとうと好きを繰り返す葵が愛おしい。

スタッフが気を利かせて葵の隣に椅子を持ってきてくれた。


「デザート食べれそうか?」


と聞くと、そっと顔を上げてプレートを見る。それにも感動したのか、止まりかけていた涙が溢れ出す。

食べたい気持ちはあるようで、泣きながら写真を撮って、泣きながら頬張っていた。可愛い。

スタッフが何枚か写真を撮ってくれて、思い出がまた一つ増えた。


食べ終わってからもグスグスしている葵を連れて、取っていたスイートルームへ移動する。

これも葵へのサプライズなので、また感動して泣き出すかと思ったが、今度は来た時のようにはしゃぎ出した。


「スイートルームってすごい!すごいのは知ってたけど、本当にすごいんだね!」


語彙力が死んでいるところも可愛いと思ってしまうのだからもう降参だ。

今日だけで何回可愛いと思ったか数えきれない。


今日は一緒にお風呂に入ってくれる(今までで一番しつこく強請った)ようなので、二人で広い風呂を満喫した。

そのままベッドに雪崩れ込んだのは言うまでもない。


いつもより手加減して抱いたとはいえ、泣き疲れたこともあり葵は俺の腕の中でスヤスヤ寝息を立てている。

俺は今日が幸せすぎて、終わってほしくなくて寝れずにいた。


これまでの幼い思い出や、一番近かったのに一番遠くなった学生時代、付き合ってからの葵との愛しい日々や苦しかった日々。これからも色んな思い出が増えていく。良いことも悪いことも。

それでも、葵を愛する気持ちは変わらないし変わりようがない。

手に入れたこの温もりを絶対に守ってみせる、と心に誓いゆっくりと瞼を下ろした。



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