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幼馴染のち恋模様  作者: 琴乃葉つむぎ
突然の贈り物

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今日は、1週間ぶりの出勤日だ。


梗介がシンガポールに戻ってまだ2日しか経っていないのかと先が思いやられる。

梗介は仕事の合間を縫ってできる限りの連絡をくれる。無理しないでと伝えるが「無理しないと今すぐにでも日本に帰ろうとしてしまう」と言われては、もう何も言えなくなった。


とはいえ、仕事は山積みだ。休んだ5日分を取り戻さねば!


「柚月さん!今、少しお時間いいですか?」


と、意気込んでいると後輩の楓華に話しかけられた。


「もちろん。どうしたの?」

「記事に載せるここのお店と比較できるようなお店ってありますか?・・・あ!記事の中で比較するわけではなくて!頭の中で比較すればこのお店の良いところをより良く伝える言葉が書ける気がして・・・」


楓華ちゃんは本当に頑張り屋だなぁと尊敬すると共に、ほっこりした気持ちになった。


「それならおすすめの所あるから一緒に行かない?」

「いいんですか!?」


グイッと顔を近づけられ体を後ろに逸らして避ける。


「う、うん・・・そんな興奮しなくても・・・」

「すみません、つい・・・」


テヘヘと効果音がつきそうな笑い方に葵もつられて笑う。


「じゃあ、早速今日行く?」

「ありがとうございます!」




定時で上がってから楓華と一緒に来たのは、前に梗介ときた定食屋さんだ。


「いらっしゃ〜い!あら、葵ちゃん!来てくれたのね〜」

「こんばんは。今日は後輩を連れて来ました」


葵の後ろからひょこっと顔を出した楓華はいつもの笑顔で挨拶する。


「こんばんは!柚月さんの後輩の片桐楓華です。柚月さんにはいつもお世話になってます!」

「まぁ可愛らしい!ここは葵ちゃんの実家みたいなとこだからゆっくりしていって!」


席に着くとメニューを穴が開くほど見つめる楓華。


「そんなにメニューを見つめてどうしたの?気になることでもあった?」

「いえ・・・全部美味しそうですごく迷っています・・・」


・・・それは良かった。

何とか注文を済ませ、店内を見渡す。

昔から何も変わらないが、それがどれだけ尊いことなのかを知っっている。


「すごくいい雰囲気の定食屋さんですね。初めて来た私でも居心地が良くてハマっちゃいそうです!」

「でしょ!私も小さい時からよく来てて、思い出深いんだ〜」

「ご家族とですか?」

「うん。友達ともよく来てたかな」


家族や真緒、それから梗介とも。唐揚げの取り合いしたことあったな、と思い出してクスッと笑う。


「あ、今好きな人のこと思い出しました?」


ニヤニヤしながら突っ込まれ居た堪れなくなる。


「前、公園で・・・ありがとうね」


好きな人というワードで思い出し改めてお礼を言う。


「すみません!私無神経なこと言いましたね・・」


申し訳なさそうに眉を下げる楓華に、そういえば話していなかったと報告することにした。


「あのね・・・あの時言ってた人と復縁?して、プロポーズ、されたんだ・・・だから」

「えぇぇ!?プロポーズ!?」

「ちょっ!楓華ちゃん声大きい!」


時すでに遅し・・・



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