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幼馴染のち恋模様  作者: 琴乃葉つむぎ
残酷な運命

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梗介side



最近、何となく葵に避けられている気がする。メッセージはいつも通りなのだが、電話で少し元気がない時があった。何かあったのかと聞くと「仕事が立て込んでてちょっと疲れが溜まってるかも」と言われた。それからも葵と会えず日が経ち、葵の温もりが恋しい・・・抱きしめて、キスをして・・・と、煩悩が止まらない。


大学生の頃を思い出して気持ちがズーンと沈む。あの頃もこんな風にすれ違って、葵が消えた。

でも今は、葵と付き合っている。その事実が梗介の中でお守りのように元気付けた。

今回の出張をなる早で終わらせて帰ってくる。それだけだ。


日本を立ち、シンガポールに到着してからは、いつもの如く仕事に没頭する。「仕事が君の恋人なんだね」と揶揄われることも・・・。

俺には可愛くて、格好良くて、優しい彼女がいるよ。と返すと大抵は「それはアンドロイドか何かか?そんな素敵な女性がいるなら見てみたいものだ」と信じてもらえない。無性に腹が立ったが葵の魅力は俺だけが分かっていればいいと聞き流した。


葵とはたまに連絡をとっていたが、最近では時間を合わせるのが難しく声が聞けていない。メッセージのやり取りも減って、物足りなさが募る。


こちらに来てから1ヶ月が過ぎようとした頃、葵からメッセージが届いた。

基本、梗介から送ることがほとんどで、葵の方から届いたことが嬉しくて心が弾んだ。

すぐに開いて目を見開く。


『別れてください。』


その一言だけが送られてきた。見間違いであって欲しいと何度も瞬きをして凝視する。何も変わらない・・・ただ残酷な一言が無機質に並べられていた。

すぐに葵に電話をかけるが「ツーッツーッ」と機械音が流れるだけだった。

スマホを持つ手が震える。


なんの冗談だ・・・?何が起こってる・・・。


すぐにでも日本へ帰りたかったが、明日、明後日は大事な取引が控えていた。リスケはできない。今日を入れて3日乗り切れば時間が空くはずだ。そしたら葵に会いに行く。やっとの思いで心を通わせたのだ・・・絶対、手放してなるものか。



_____それから、3日が過ぎた。片付くはずだった仕事が終わらず、はやる気持ちとは裏腹に疲弊していく。その間も何度も葵に連絡するが、返信もなければ電話も繋がらない。あの時と一緒だ。絶望で足元がグラつく。泊まっているホテルの壁に持たれて、ズリズリとしゃがみ込む。


「葵・・・」


名前を呼んでも空を切るだけ。愛しい人の返事は返ってこない。どうしてこうなったんだと額に手を当てうずくまる。


葵がいないんじゃ・・・生きる意味なんて・・・。



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