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プレゼントを渡して満足した葵は、ケーキを頬張る。
「以上でお祝いはおしまいなんだけど、何かしたいことある?」
時刻は14時を回ったところ。
しようと思えば何でもできる時間だ。
「ん〜・・・葵を抱きしめながら映画見て、葵と一緒に風呂入って、葵のこと抱きたい」
「へっ!?」
煩悩まみれではないかっ!?
「で、出かけたりとかは・・・?」
「今日は葵を独り占めするんだから外には行かないだろ」
当たり前のように言われても・・・。
「取り敢えず映画でも観ようか・・・見るからには!本格的にしようではないか!」
「急にどうした」
「そうと決まればコンビニだ!」
梗介の腕を引きずってコンビニに向かった。
「独り占めじゃなくなった・・・外には出ないって言ったのに・・・」
コンビニに来てから梗介は隣でボソボソと文句を言っている。
葵は無視して映画鑑賞を楽しむためのあれやこれをカゴに入れていく。
梗介は片手を葵と繋ぎ、もう一つの手はカゴを持ってくれている。
文句を言いながらもこういう優しさを忘れない梗介に内心キュンキュンしていた。
「昔もよくコンビニで買ったお菓子食べながら部屋暗くして映画観たよね〜」
あの頃と変わらない過ごし方に笑ってしまう。
「ホラー苦手なくせに見栄張って挑戦して泣き叫んでたな」
クスクス笑う梗介をキッと睨む。
「梗介が「怖いの?だせ〜」って挑発してくるからでしょ!」
「俺ってば素直じゃなくて可愛いな。葵と過ごす口実が欲しくて必死だったんだよ」
「もっとやり方あったでしょうに・・・」
「だから今は素直に葵が欲しいって言ってるだろ」
とんでもない事を口走る梗介の口を勢いよく塞ぐ。
「周りの人に聞こえたらどうするの!」
「照れてんのか?可愛いな」
こいつはもう手遅れだ・・・。
「逃げよう!」
必要なものは揃ったので会計のためレジに向かう。
手を引かれる梗介は愉快そうに笑っていて腹立たしい事この上ない。




