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幼馴染のち恋模様  作者: 琴乃葉つむぎ
泡沫の安らぎ

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我が家に梗介を通すのはこれが初めて。前に荷物を取りに来た時は玄関までだったので、中へ入ってもらうのはとても緊張する。

一応入念に掃除はしたけれど、梗介の綺麗な家とは比べ物にならないのでどきどきしてしまう。


「葵の家初めてだな。家具とか雰囲気が葵っぽくていいな」


それは褒めてるのよね?何とも言えないコメントに戸惑う。


「お腹空いてる?ご飯作ってあって温めるだけなんだけど・・・」

「めっちゃ空いてる!葵の手料理久しぶりだな、嬉しい」


終始にこにこと表情を緩めていてご機嫌だ。


「準備するから座って待ってて」

「手伝うよ」

「それは助かります」


梗介と一緒にキッチンに立ち準備を始める。


「梗介何飲む?お茶、ソフドリ、お酒もあります!」

「今日は飲もうかな」

「ビール?」

「うん」


ソファー前のローテーブルに料理を並べていく。

ソファーの前に梗介が座り、その斜向かいに葵も腰を下ろした。


「梗介、お誕生日おめでとう!」

「ありがとう」


二人でグラスを合わせ乾杯する。

梗介と他愛のない話をしながらする食事はとても美味しいし楽しい。

一人暮らしが長かったのもあり、一人で食事することに抵抗はないが、好きな人ととる食事は幸せの味がする。

食べ終えた食器を梗介が洗ってくれている間にケーキの準備をする。


「何ケーキ?」

「まだ好きか分からないけどチョコレートケーキにしてみました」


ジャーン!と箱から出すと「期待通りで大変嬉しいです」と畏って拝んでいた。

梗介はコーヒーを、葵は紅茶を入れて食後のデザートタイムだ。

二人でソファーに座って寛ぐ。


「会社の近くにケーキ屋さんができて、そこのケーキが美味しいって評判だから買ってみたの。味どう?」

「甘すぎない感じがめっちゃ好み。美味いよ、葵も食べよ」

「良かった。いただきます」


口に入れてチョコレートの深い甘さが広がり悶える。


「ん〜〜〜!美味しいねっ、これは大正解!」

「クリーム付いてるぞ」


軽く笑いながら葵の唇の端についたクリームを舐めとる。


「っ〜!言ってくれたら自分で取れるよ!」

「わざとかと思って」

「そんな訳ないでしょ!」


恥ずかしくてプイッとそっぽを向く。

そこで視界に入ったプレゼントが入った紙袋。

忘れるところだった!

立ち上がり紙袋を持って戻ってくる。


どうしたのかと葵を目で追う梗介に持っていた紙袋を手渡す。


「これ、誕生日プレゼント・・・心ばかりですが、お納めください」

「堅っ・・・用意してくれてありがとな。開けていい?」

「うん」


ソワソワしながら開封を見守る。

袋の中から出てきたのはボールペン。

濃いブラウンの木目調のおしゃれなボールペンをプレゼントした。


「格好良い・・・おしゃれだな。仕事で毎日使うよ。これ葵だと思って常に持ち歩くわ」

「使ってくれるのは嬉しいけど葵じゃないです・・・」


嬉しそうにボールペンを眺めている梗介を見て安堵する。

喜んでもらえて良かった・・・。



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