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幼馴染のち恋模様  作者: 琴乃葉つむぎ
泡沫の安らぎ

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梗介は出張に行ってから、海外での仕事とプロジェクトの工事の件を並行して進めていた。葵にも忙しい中で合間を縫って電話をしてくれていた。

仕事の邪魔をしたくなくて、瑠奈に言われたことを確認できずにいる。


しかし、相変わらず梗介は真っ直ぐな言葉で愛情表現してくれるので、いつからか少しずつ不安が薄れていった。


1ヶ月が経ち、今日は梗介が帰国する日。

私は休みを取って空港に迎えに来ている。


「11時半の到着だよね・・・あ、あの便かな?」


到着ロビーにある電光掲示板から梗介が乗っているであろう便を見つける。

今のところ時刻通り到着するようで安心する。


到着まで少し時間があるので、空港内を散策する事にした。

普段あまり来ることがないので、非常にワクワクして足取りが軽い。

大きな窓からは飛行機が飛び立つ瞬間が見え、思わず立ち止まって見入ってしまった。

あんな大きな機体が人の手で飛ばされていくのかと最先端の技術に圧巻する。

色々とお店を見て周り、そろそろ時間だと到着ロビーに戻る。


平日とはいえ、誰かを待ち望む人が多くいた。

この中にも私と同じように、大好きな恋人を待つ人もいるのかな?とくすぐったい気持ちになった。




到着時間を少し過ぎた頃、到着口から出てくる待ち人を見つけた。

公衆の前なので駆け寄りたい衝動を抑える。

梗介も葵の姿を見つけ、輝く笑顔を向け手を振っている。


二人の距離が近づき、早歩きで向かってくる梗介は葵を思い切り抱きしめた。


「葵!会いたかったっ」

「梗介!?ちょっ、見られてるから!」


熱い抱擁に周りは様々な目線を向ける。

居た堪れなくて顔が上げられない・・・。


「生の葵だ、やばいな・・・」

「な、生・・・?」


梗介は感動したように呟いているが、葵は若干引いている。


「もう・・・お帰りなさい」

「ただいま・・・つっても3日間しかいられないんだ・・・また戻る」

「えっ、そうなの?」


驚きと落胆が顔に出てしまった。


「だから今日は、葵のこと独り占めさせて」


葵の目を優しく見つめ愛おしそうに葵の頬を撫でた。


「うん。あのね、梗介の誕生日お祝いしたいの」

「ん?電話で祝ってもらったよな?」


9月1日に梗介は29歳の誕生日を迎えていた。お祝いは一応電話で済ませているが・・・。


「プレゼントも渡したいし直接お祝いしたかったんだけど・・・嫌?」

「嫌なわけない。葵がいるならそれだけでお祝いになるよ」


久しぶりに見る梗介の笑顔は心臓に悪い・・・。


「じゃあ、我が家にご招待します。狭くても文句は受け付けません!」

「今は狭ければ狭いほどいい。葵と離れたくないからな」


供給過多で倒れそうだ・・・。



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