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その時、人形が弾のように飛んだ。
そうとしかいいようのない動きだった。
そしてばあちゃんの胸に強烈な頭突きをかました。
「うっ」
ばあちゃんが胸を押さえて倒れた。
「ばあちゃん」
俺はばあちゃんに駆け寄った。
ばあちゃんは白目をむいている。
まえから最近心臓がよくないとは聞いていたが、胸に人形の頭が強くあたったために、発作が起きたのだ。
「きゃはははは」
人形の少女が笑った。
これまでひたすら無表情だったこいつが、今笑っているのだ。
人形はそのまま割れた窓から飛び出て行った。
救急車が来た。
俺も乗り込んだ。
ばあちゃんはそのまま病院へ緊急搬送された。
俺は祈った。
心の底から。
しかしばあちゃんは死んだ。
助からなかったのだ。
お通夜。葬式。
ばあちゃんは灰になり、先祖代々の墓に入った。




