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貞操逆転世界で、俺だけが『抵抗』できる ~魔力ゼロの種馬扱いから始まる、最強神官長(ヤンデレ)との支配関係逆転生活~  作者: 秋葉原うさぎ


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第21話:魔王の器、初めての『夜の街』へ ~路地裏の猫と情報屋~

 学園を脱出した二人が辿り着いたのは、煌びやかなネオンが輝く「夜の街」。

 そこは、欲望に忠実な女性たちが獲物を探す、別の意味での戦場でした。

 新キャラクター「情報屋の猫」も登場!

 ジメジメとした地下水路を抜け、マンホールの蓋を押し上げると、そこは別世界だった。


 夜空を焦がすような、極彩色の魔導ネオン。

 香水と、酒と、紫煙の匂い。

 そして、通りを行き交う露出度の高い女性たちと、彼女たちに「はべらされている」着飾った男たち。


 王都イチの歓楽街、「歌舞伎町カブキ・ストリート」。


「……最悪ね」


 隣でアテナが顔をしかめた。

 泥だらけの神官服。髪も乱れているが、その美貌は薄暗い路地裏でも発光しているようだ。


「こんな下品な場所にあなたを連れてくるなんて……。早く神殿に戻りましょう」


「戻ったらセラフィナが待ち構えてるだろ。……それに、ここなら追手の目も誤魔化せる」


 俺は近くの露店で安いフード付きローブを二着買い、アテナに渡した。


「これを着て。銀髪は目立つ」


「……ミナトの匂いがする」


 アテナは文句を言いながらも、俺が一度袖を通したローブを嬉しそうに羽織り、フードを目深に被った。

 これで「家出中のカップル」くらいには見えるだろう。


「さて……ノアの指示だと、この辺りに協力者がいるはずなんだが」


 俺たちは路地裏を進んだ。

 表通りの喧騒が遠ざかる。

 ここには、アテナの知る「表の秩序」とは違う、濃密な闇の空気が漂っていた。


「ねえ、お兄さん。遊んでいかない?」

「可愛い顔してるねぇ。お姉さんが養ってあげようか?」


 すれ違う女たちが、粘り気のある視線を投げてくる。

 俺がフードで顔を隠していても、「男」というだけでフェロモンを嗅ぎつけてくるのだ。恐ろしい世界だ。


「……殺すわよ」


 アテナがフードの下でボソリと呟き、指先をパチパチさせている。

 やめて。歓楽街が火の海になる。


『――こっちだよ、旦那』


 不意に、頭上から声がした。

 見上げると、配管の上に一人の小柄な影が座っていた。


 猫耳。

 しなやかな尻尾。

 そして、闇に溶けるような黒い忍び装束。


「……獣人?」


 俺が警戒すると、その影は音もなく地面に着地した。

 フードから覗く顔は、あどけない少女のものだ。しかし、その瞳はオッドアイ(右が金、左が銀)で、したたかな光を宿している。


「『黄昏の梟』の使いっ走り、情報屋のシャムだよ。ノアの姉御から話は聞いてる」


 シャムと名乗った少女は、ニシシと笑って俺の周りを一周した。


「へぇ……これが噂の『魔王の器』かぁ。見た目は美味そうな普通の兄ちゃんだけど、匂いが違うね。……危険なオスの匂いがプンプンする」


「触らないで。手を切り落とすわよ」


 アテナが即座に牽制する。


「おっと、怖い怖い。神官長サマの独占欲は有名だからねぇ」


 シャムは肩をすくめると、手招きをした。


「立ち話もなんだし、アタシの隠れセーフハウスに行こうか。……セラフィナの旦那狩り部隊が、もう近くまで来てるからさ」


 ◇


 案内されたのは、歓楽街の最奥にある怪しげなバーの地下室だった。

 部屋にはモニター用の水晶玉がいくつも並び、王都中の情報が集まっているようだ。


「ここなら安心だよ。結界もアタシ特製だからね」


 シャムは椅子に座り、脚を組んだ。


「で、知りたいんだろ? 『魔王』のこと。そして……1000年前の真実」


 俺は頷いた。

 地下書庫で見た壁画。

 空に現れた紋章。

 そして、俺の中に眠る力。


「単刀直入に言うよ」


 シャムは真剣な顔になった。


「アンタの中にいるのは、ただの魔王じゃない。……かつて女神イシュタルに反逆し、男たちの自由のために戦った、**『始祖の王』**の魂だ」


「始祖の……王……」


「そう。女神は歴史を改竄し、彼を『世界を滅ぼす魔王』として封印した。……そして今、その封印が、異界から来たアンタの魂と共鳴して解かれようとしている」


 シャムは水晶玉の一つを操作した。

 そこには、中央神殿の地下深くに眠る、巨大な「黒い棺」が映し出されていた。


「神殿側が必死なのも当然さ。アンタが完全に覚醒して、その棺の封印を解けば……『種族去勢』の呪いが解け、男たちが力を取り戻す。……そうなれば、女たちの支配は終わる」


 俺の背筋が震えた。

 俺の存在が、この世界のシステムそのものを崩壊させるトリガーだというのか。


「……ミナト」


 アテナが俺の手を握った。

 彼女の手は冷たい。


「覚醒したら……あなたは、あなたでいられるの? それとも、魔王に乗っ取られてしまうの?」


「……わからない」


 俺は正直に答えた。

 だが、心臓の鼓動(呪印)は、恐怖よりも「使命感」を訴えている気がした。


「安心しなよ。今のところ、アンタの自我は保たれてる。……それに、アンタには強力な『鎖』があるじゃないか」


 シャムがニヤリと笑い、アテナを指差した。


「神官長サマの『愛』だよ。その重すぎる愛が、皮肉にも魔王の暴走を抑えるくさびになってるんだ」


「私の……愛が?」


 アテナが目を見開く。


「そう。だから、精々イチャイチャしてな。それが世界平和のためさ」


 シャムはウィンクをして、一枚の地図をテーブルに広げた。


「さて、講義はここまで。……ここからが本題だ。アンタらが生き残るためには、この街にある『闇市』で、あるアイテムを手に入れる必要がある」


「アイテム?」


「『認識阻害の仮面』。それを着ければ、アンタの魔王オーラを隠せる。……じゃないと、この街の女たち全員に襲われて、朝には干からびちまうよ」


 それは切実だ。


「よし、行こう。……案内頼めるか、シャム」


「りょーかい。……ただし、アタシへの報酬は高いよ?」


 シャムは舌なめずりをした。


「出世払いでいい。……アンタが王になったら、アタシを『専属の愛人スパイ』にしてくれよな」


 こうして、俺たちは怪しげな猫耳情報屋を仲間に加え、欲望渦巻く夜の闇市へと足を踏み入れることになった。

【あとがき】

 夜の街、情報屋、そして世界の核心。

 RPGならワクワクする展開ですが、ここは貞操逆転世界。

 路地裏の至る所に「逆ナン(物理)」の危険が潜んでいます。


 新キャラ・シャムちゃん。

 食えない性格ですが、頼りになる仲間です(たぶん)。


 次回、「第22話:闇市のオークションと、出品された『元・勇者』」。

 仮面を手に入れるために潜入したオークションで、まさかの出会いが!?

 

 続きが気になる方は、ぜひ【ブックマーク】と【★】評価を!

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