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鉄と海の帝国  作者: 007
第2章 加熱

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緊急対策会議3

1939年5月10日、大日本帝国の首都東京では、黒崎妖華総理大臣が首相官邸の広々とした会議室で緊急対策会議を開催した。会議室は厳粛な雰囲気に包まれていた。出席者は閣僚全員に加え、皇軍統合作戦司令本部の総長を筆頭とする大日本帝国軍の最高幹部陣、そして皇軍戦略情報局の長官とその幹部陣も揃っていた。

彼らは皆厳しい表情を浮かべ、重大な議題に臨む姿勢を示していた。この会議の開催理由は、遠くロシア帝国での要塞線崩壊という衝撃的な出来事と、地中海でのターラント強襲の成功という二つの重要な軍事動向を受けてのものであった。これらの出来事は、大日本帝国の国際戦略に深刻な影響を及ぼす可能性が高く、即時の対応が求められていた。

黒崎総理はまず、会議の冒頭でロシア帝国での状況について詳細な説明を求めた。彼女の声は落ち着きながらも、大日本帝国の指導者らしい威厳に満ちていた。それを受けて、国防大臣の石原莞爾陸軍元帥が立ち上がり、説明を始めた。石原大臣はまず、自身の秘書官に命じて、出席者全員に事前に準備された機密書類を配布するよう指示した。秘書官たちは迅速に動き、厚いファイルが一人ひとりの手に渡っていった。石原大臣は全員に書類が行き渡ったことを確認し、ゆっくりと資料を開くよう促した。出席者たちは一斉にページをめくり、そこに記された内容に目を凝らした。

すると、外務大臣の松岡洋右が突然、驚きの声を上げた。彼の顔は青ざめ、目を見開いていた。この驚きの反応は、黒崎総理や他の閣僚たちに留まらず、皇軍統合作戦司令本部総長の風間麗子海軍元帥以下、軍人たちにも広がった。彼らは皆、資料に記載された情報に衝撃を受け、互いに視線を交わした。

ただ、皇軍戦略情報局長官の川島芳子陸軍大将とその幹部陣だけは、冷静さを保ち、表情を変えなかった。このことから、情報の出所が当然ながら皇軍戦略情報局であることは明らかだった。なぜなら、彼らは事前にこの情報を入手し、分析していたからである。その資料には、敵軍の使用した巨大な列車砲と二種類の自走臼砲の詳細な写真が添付されており、砲身のスケールや構造が克明に記録されていた。これらの兵器は、従来の常識を覆すほどの規模と破壊力を備えていた。

陸軍総軍司令長官の東條英機大将は、資料をじっくりと眺めながらその巨大な列車砲と自走砲の破壊力について語った。

このような怪物じみた兵器であれば、ロシア帝国の堅牢な要塞線も、甚大な被害を被ったはずです。砲弾の威力は、要塞のコンクリート壁を粉砕し、内部の防衛陣地を一瞬で崩壊させるでしょうと、彼は低く力強い声で述べた。これに続いて、川島長官が追加の情報を提供した。諜報員からの報告によると、列車砲は口径80センチの超大型砲であり、自走臼砲は60センチと54センチの二種類が存在します。これらは移動可能でありながら、固定砲台を凌駕する火力を発揮するようですと、彼女は淡々と事実を列挙した。

この説明を聞いた連合艦隊司令長官の高橋知里大将は、眉をひそめながら驚嘆の声を漏らした。連合艦隊の超弩級戦艦群でさえ、主砲の口径がこれを下回ることになり、まさに巨砲の極みですと、彼女は海軍の観点からその脅威を指摘した。

石原国防大臣はこれらの意見をまとめ、この超弩級戦艦群を上回る巨砲こそが、ロシア帝国の要塞線を崩壊させた元凶に他なりません。私たちはこの脅威を過小評価してはならないと、強調したのである。

黒崎総理はこれを聞き、深くうなずきながら今後の方針を述べた。今後は、いかにしてこの巨砲を破壊するかが、ロシア帝国での戦いの鍵を握る。軍事援助を継続し、諜報活動を強化せよと、彼女は断固たる口調で命じた。これにより、会議の空気はさらに緊張感を増し、帝国の戦略が具体化されていく気配が漂った。

次に、石原国防大臣はターラント強襲についての説明に移った。彼は地図を広げ、詳細な作戦経過を指し示しながら語り始めた。地中海艦隊たる大日本帝国海軍連合艦隊第8艦隊と、大日本帝国空軍地中海航空方面隊の連携による活躍により、ターラント軍港は壊滅状態に陥りました。イタリア王国海軍の主力艦艇は全滅し、港湾施設も大規模な損傷を受けていますと、石原大臣は勝利の成果を誇らしげに報告した。

さらに、これにより、イタリア王国が新型艦を急造するか、第二神聖ローマ帝国あるいはアメリカ合衆国が地中海に艦隊を進出させるまでは、地中海の制海権は我が帝国の手中に確固たるものとなりました。航空機の空襲と艦砲射撃のコンビネーションが、敵の防衛網を突破したのですと、彼は断言した。

これを聞いた黒崎総理は、満足げに頷きながら、今後の方針を明確に示した。最優先事項は、中華民国を降伏させることです。それにより、太平洋戦線を安定させ、資源を集中させる。連合国に対する軍事援助は引き続き大規模に実行し、何としても太平洋と地中海の現状を維持せよと、彼女は戦略の全体像を語った。さらに、中華民国を対処しない限り、アメリカ合衆国への本格的な対応は不可能であり、ヨーロッパへの大規模遠征も現実味を帯びないと、理由を詳細に説明した。

最後に、黒崎総理は川島長官に視線を向け、汎ゆる手段を講じて、アメリカ合衆国と第二神聖ローマ帝国の行動を妨害するように。諜報、外交、秘密工作のすべてを総動員するのですと、厳しい命令を下した。これにより、会議は終了の気配を帯び、出席者たちは新たな決意を胸に官邸を後にした。

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