世界枢軸同盟首脳会談
1939年8月20日、第二神聖ローマ帝国占領地ポルトガル共和国リスボン。ここに世界枢軸同盟を構成する、第二神聖ローマ帝国・アメリカ合衆国・イタリア王国の首脳陣が集結した。ヒトラー首相・エメラルダ大統領・ムッソリーニ統領が集結するのは初めての事だった。その史上初の首脳会談が開催された理由は、何といっても中華民国の無条件降伏であった。優勢に戦争を進めていた世界枢軸同盟から、初めての脱落国が出たのだ。今後の戦争遂行について話し合う状況必要は十分にあった。
首脳会談の会場となったホテルは、第二神聖ローマ帝国が責任をもって警備していた。国防軍やゲシュタポが動員され、リスボンの市街はある意味で封鎖された状態だった。現地住民の生活は一切考慮されておらず、不審者は躊躇無くゲシュタポが連行していった。
戦時中であるのも理由だが何といっても最大の懸念事項は、大日本帝国皇軍戦略情報局の諜報員であった。『人がいる所なら全てに潜入出来る』と称されるのが大日本帝国皇軍戦略情報局であり、諜報員の潜入は何があっても阻止しなければならなかった。その為に不審者は片っ端から連行されていったが、皇軍戦略情報局の諜報員は既に潜入した後であったのだ。
ホテルの大会議室にて首脳会談が遂に始まった。首脳会談を呼び掛けたヒトラー首相が、まずは口火を切った。何といっても中華民国無条件降伏による影響が大き過ぎると語った。特に第二神聖ローマ帝国はロシア帝国とオスマン帝国に侵攻しており、中華民国が無条件降伏したとなれば大日本帝国が直接的な援軍派遣を行うのは明白だった。しかも大英帝国は海上封鎖を行っているだけで、国家としては残っていた。
その状況で大日本帝国を拘束する筈だった中華民国が、こんなにも容易く無条件降伏した事で大日本帝国は安全確保が出来たのである。ヒトラー首相はそう言う時にエメラルダ大統領を一瞥し、暗にアメリカ合衆国が役に立っていないと皮肉を込めた。
それを感じたエメラルダ大統領は、太平洋での大日本帝国による通商破壊戦を制圧次第に攻勢に出る、と語った。ムッソリーニ統領も大日本帝国海軍地中海艦隊により海軍を壊滅状態にさせられており、あまりいい気分をしていなかった。
ヒトラー首相の皮肉により、首脳会談は出だしからいい雰囲気とは言えなかった。




