ババエスキ攻防戦
中華民国無条件降伏の余波はロシア戦線のみならず、当然ながらトルコ戦線にも及んだ。ロシア戦線がある種膠着状態になっている事から、迂回路としてのオスマン帝国侵攻のアレキサンダー作戦を立案し実行した。だが予想以上の反撃を受けてようやく初期目標のババエスキ攻防戦が開始されたばかりだった。
そんな状況の中で中華民国の無条件降伏という知らせが入って来たのだ。世界枢軸同盟諸国は、表向きの言葉はともかく『所詮は劣った有色人種の国』が降伏したことに、あまり衝撃は受けていなかったというのは上層部だけだった。現場部隊は『味方が負けた』という現実に不安を強めていたのだ。
何せ開戦以来世界枢軸同盟に汎ゆる戦線で連合国側に勝利しており、オランダ王国・ベルギー王国・デンマーク王国・ルクセンブルク・フランス共和国・大英帝国カナダ自治領と短期間に6ヶ国も既に降伏させていた。だがその中で遂に味方が負けたのである。しかもその相手は大日本帝国であった。
これまでの戦争に全て勝利しており、経済力も軍事力も世界最大なのだ。その国が大規模軍事援助をしているからこそ、ロシア帝国侵攻やオスマン帝国侵攻に手間取っていた。それが中華民国無条件降伏となれば大日本帝国が直接的にロシア帝国やオスマン帝国に援軍派遣をしてくる可能性が高いのだ。それが現実的になった事が、現場で実際に戦う将兵達には死活問題だったのだ。
そんな第二神聖ローマ帝国陸軍に対して、オスマン帝国陸軍の士気は著しく高まっていた。兵士以外は大日本帝国からの大規模軍事援助により賄えているという状況であり、大日本帝国陸軍の援軍派遣が現実となれば今回の第二神聖ローマ帝国による侵攻を跳ね返らせる事が出来る可能性が高まるのだ。
その為に当初は絶望感に浸っていたオスマン帝国陸軍将兵は、希望を持つことが出来た。見捨てられていないと分かれば、戦い方にも気合が入り第二神聖ローマ帝国陸軍に対しても果敢に挑んでいた。
大規模軍事援助も途切れる事無く、というよりも寧ろ量が拡大して膨大な量が提供されていた。これによりババエスキ攻防戦に於いてオスマン帝国は、強大な第二神聖ローマ帝国相手に立ち向かえていたのである。




