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初ダンジョン攻略

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『ダンジョン:まどろいの森』


 霧が立ち込める薄暗い森、どことなく漂う不気味な雰囲気が冒険心をくすぐってくる。

 三人は猴希を先頭に霧の中をどんどん進んでいく、二人はあまりにも自然すぎるため気づいていないが人に合わせて歩くなんて芸当を涼しい顔でやってのけているすぎなはバケモンである。


「カサカサ…」

「やっと、お出ましのようだぞ」三人とも戦闘態勢をとる。

「『ビルドアップ』」

「『精霊召喚:火の精霊』」

「すげー!!二人とも、何したの今!!「ビルドアップって何バフかけてんの?火の精霊って何!?」

「「うるさい!!」」

「すいません」


 そんな茶番をしていると霧の中からゴブリンが三体現れる、うめき声を上げながらにじり寄ってくる三体に嬉々として猴希が飛び込んでいく。


「うらぁぁぁああ!!」一瞬でゴブリンの懐に潜り込み連打を浴びせる。


 何もさせずに一体のゴブリンがポリゴン体に変える。

 そこでふと我に返る、帰り道を考えていなかったと、残された二体のゴブリンが猴希を挟み込むように強襲する。

 猴希に突っ込み癖があることを誰よりも理解している二人は、猴希が危険を感じてパニックになった時にはもう動き出していた。

 無型でゴブリンを弾き飛ばし人型で羽交い絞めにする、動けなくなったゴブリンを無型で切り刻みあっという間にポリゴン体へと消化させる。


「火の精霊!!」


 精霊というとかわいらしい見た目のものを想像する人も少なくないだろうが、RoLにおける精霊その属性をイメージしたような風貌を持っているため特に火の精霊は厳つい。

 体長は一メートルほどでやせ型の少年のような体格で全身に火を纏っている、骸骨のような顔で目から火が溢れ出ている、猫背で走るその姿はとてもじゃないが精霊には見えない。


 そんなモンスターよりモンスターみたいな見た目の火の精霊は燕の指示に従いゴブリンに不意打ちを仕掛ける、横っ腹にタックルをブチかましそのまま馬乗りになって滅多打ちでKOフィニッシュした。


「こえ~、火の精霊」

「狂暴すぎだろ」

「そんなことないわよ、私の言葉に従順よ」


 この世界でも誰かを従えているんだなぁと思いながら再び逆らわないようにしようと決意する二人であった。


 その後は猴希が突っ込むこともなく互いに連携を取り合うことで安定して攻略を進める。


「そういえばエンカウントしてないな」ふと思い返すと、暫くエンカウントしていないという事実に気が付く。

「そろそろボスってことかしら」

「かもしれんな」

「ここのボス何か知ってる?」

「「知らん」」

「でしょうね」

「知らない方が面白いだろ」

「それもそうね」


 そんな呑気な会話をしていると。


『ボスモンスター出現:ゴブリンロード』


 ゴブリンとは違い二メートルを超える身長に恰幅の良い体格しておりヤクザの組長のような雰囲気を醸し出している、手に持った大剣は錆び切って切れ味こそ悪そうだが鈍器としての殺傷能力は十二分に持っているだろう。


「常駐モンスターの上位種が出てくるとは、ザ・ボスって感じだな」

「王道はいいね、俺が前張るから二人ともちゃんとカバーしてくれよ」

「あんたこそ、簡単に倒されないでよ」

「なめんなよ『ビルドアップ』」

「気合い十分だねぇ『パワーインク』」

「何それ!?バフ?」

「そう、傀儡専用の」自分にしか掛けれないバフを持っている二人を見て少し嫉妬する燕。

「ひどいわ私だけ仲間外れにして」

「しょうがないだろ」

「分かってるわよ『精霊契約:火の精霊』」

「何それ!!」目を輝かせて聞くすぎな。

「一時的に契約した精霊の属性の魔法を使えるようになるのよ」

「いいなぁ俺も魔法使いたい」

「これがないと初期の時はほとんど暇なのよね召喚士って」

「二人とも準備はいいか?」

「いいよ」

「えぇ」

「それじゃ行きますか」


 先陣を切って駆けだす猴希、先手必勝、出会い頭に顔面パンチをお見舞いする。


「固ってえー!!、全然HP減らねーじゃねーか」あまりに減らないHPを見て絶句する。

「ダメージ出すのは諦めろ!!、タンクしろコーキ」

「言われなくてもそうするよ!!」

「ツバメ!!」

「火の精霊行け!!、『ファイヤーボール』」


 火の精霊と燕のファイヤーボールによる同時火力、火の精霊のパンチと顔面へのファイヤーボールを同時に受けコーキの時とは違いダメージが通ったようで仰け反る、目に見えてHPが減少する。

 その一瞬のスタンを逃すまいとすぎなが追撃する、無型を飛ばして連撃をお見舞いするが流石に人型は間に合わずゴブリンロード目の前で停止してしまう。


「全然間に合わねぇ~!!、コーキ頼む!!」


 叫んだころにはもうすでに動いていた。

 人型傀儡とスイッチし大ぶりのスキルを発動させる。


「『剛拳』」

「グルゥゥゥアア!!!」


 猴希の拳が横っ腹に深々と突き刺さる、流石序盤に強いことに定評がある拳闘士というべきか、初撃がのへなちょこさが嘘かのような一撃をお見舞いした。

 衝撃に耐えきれずそのまま倒れこむゴブリンロード見て思わず。


「「「チャンス」」」


 そこからはゴブリンロードがただただ蹂躙される映像が流れ続ける。


「これで終わりだ!!」


 猴希の最後の一撃を浴びて一度も立ち上がることを許されずにポリゴン体に消化された。


『ボスモンスター撃破:ゴブリンロード』





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