チュートリアルがムズ過ぎる
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数多の職業の中で堂々の難易度1位、運営ですらこの職業はネタ職であると認めるほどのバカげた難易度、あまりの難しさに社員はテストをすることすらできずテストには一月ほどの鍛錬を積んだAIが使用された、そんな製作スタッフの夢と希望を孕んだ職業、RoL初期職業最高難易度【傀儡師】。
【傀儡師】
戦闘用の傀儡を操作して戦う。理論上は片手で一体ずつ操作することが可能であるため、一人で二つの傀儡を使用することを推奨する。一体では普通の職業の70%ほどのダメージしか出すことしか出来ないが、二体を自由自在に操ることができれば傀儡師以上に火力を出せる職業は存在しない。
説明を読み危険な香りがしていることを分かりながらも石橋を叩いてるだけの人生は面白くないとも考えていた。
「なんかネタ臭がぷんぷんだが、説明道理なら一番火力が出せるってことだろ、じゃあ選ばないわけにはいかないよなぁ!!。これでも手先の器用さには自信があるんだプロピアニストの倅をなめるなよ」
『職業【傀儡師】でよろしいですか』
「あぁ、RoLの最難関職業、一日でマスターしてやる」
『設定を終了します、心ゆくまでRoLをお楽しみください』
目の前が真っ白になり何とも言えない解放感にさらされながら待っていれば次第に霞が消えていくように目の前の景色が鮮明に見え始める。
コロシアムのような空間にダミー人形のようなものが三体トライアングル状に配置されている。
「チュートリアルかなこれは」
AIサポーターからナレーションが入る『職業:傀儡師のチュートリアルを始めます、傀儡師の武器には大きく分かれて三種類一番ベーシックであり扱いやすい人型、扱いは難しいが人型以上に高い能力を持つ獣型、それ以外のすべてを網羅する無型が存在します、今回のチュートリアルでは第一の大陸エーゲルにおいて困ることの無い程度の戦闘技術を身に着けることが最終目標です』
ナレーションを聞き終えると同時に目の前に傀儡らしきものが出現する、泥人形のような人型のもの、角のないシカのようなもの、そしてでっかい剣。
「前二つは理解できるけど最後がでかめの剣ってマジかよ」
ひとしきり悩んだ末取り合えずベーシックなものを取得することから始めようということで人型の傀儡に手を伸ばす、近くに手をかざすと人型のチュートリアルを開始しますかという文言が表示される、了承すると人型傀儡のチュートリアルが開始された。
『人型傀儡操作指南を開始します、視界の右上に武器指南表を表示するので確認しながら以下の五つのミッションを達成してください』
ミッション1:通常攻撃をダミー人形にヒットさせろ。
ミッション2:攻撃スキルを使用してヒットさせろ。
ミッション3:攻撃を行ってくるダミー人形に対してカウンター攻撃をヒットさせろ。
ミッション4:攻撃スキルでのカウンター攻撃をヒットさせろ。
ミッション5:ゴブリンを討伐せよ。
普通の職業であればどんなに遅くても10分もあれば達成できそうな感じではあるが傀儡師の場合どうなるのか楽しみである。
「えーっと、まず基本操作から右手の場合、右足ー親指・左足ー小指・右手ー人差し指・左手ー薬指・重心ー中指と書いてありはするが説明されただけではなんのこっちゃって感じだな、やりまくって直感操作をできるようにしていくしかないか」
すぎな自身のゲームの上達論として直感でできることを増やしほかのことに脳のリソースをさける状況に持っていくことが大事だと思っているため、直感を鍛えるために無意識にできることを増やす練習が一番の近道であると考えている。
「人型傀儡を取得して装備と、おぉ自動で手に器具みたいなの付いた」
装備すると力なく倒れている人形が目の前に現れ右手に五つの指輪、そして人形と指輪とをつなぐ糸が出現した。
親指を動かせば右足がビクつく小指を動かせば左足がビクつく、しかし、どうもあがいても足をばたつかせるだけで立つことすらできない。
この時点で嫌な予感がしていた、まずほとんどアシストが入っていない数多くのゲームを遊んできたすぎなだがここまでアシストの入っていないものは硬派をうりにしているようなゲームでしか見たことがない、次に小指を小指単体で動かすことをもうすでに強制されている、リアル思考を目指しているためにアシストを軽減することは理解できるが小指を単体で動かすことはもはや技術である、よくプロの楽器奏者の人が練習していたら次第に小指だけで動かせるようになったなんて話を聞くことがある、つまり傀儡師をやりたければまず小指を単体で動かせるようにしてこいという製作者側からのメッセージだろう。
「あまりにも鬼畜すぎるな、待てよってことは」
普通の人間は足をばたつかせているだけでは起き上がることはできない、手をつき足を踏み出して腰を入れ手を放して上体を起こすことでやっと起き上がれる、この通りにやらなければならないのか。
試しにこの通りに順を追って傀儡を動かしてみる、手をついて足、腰に重心を乗せて手を放して上体を起こす。
「う~わぁ、立っちゃった」
この時点でこの空間から最低でも数日は出れないという事実を理解してしまった。
ここからすぎなの猛特訓が始まった。
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