悪夢
こちらでは初投稿です!
よろしくお願いします!
女性主人公です!!
世界は残酷だ
いつだって平等なんてものはない
そう痛感させられた
「………お……父さん………お…母さん………。」
少女の目の前に広がるのは残酷な光景である。
深々と雪が降る中で起きた
多くの車を巻き込んだ大事故
少女は奇跡的に助かったが目の前には両親の残酷にも無惨な姿がいた。
さっきまで他愛もない会話をしながら車中で話していただけなにに。
車から炎が立ち上がりみるみると車を人を呑み込んでいく。
「あ……いや……お父さん……お母さん」
力の無い声で呼びながら車内から放り出されたせいで身体を動かせづにいる少女
這いつくばりながら必死に両親の元へ行こうとする。
「お嬢ちゃん危ない!」
消防士の方が駆け付けてくれる。
「助けて……お父さんをお母さんをた…す……げ……で……」
泣きじゃくりながら懇願する少女
あまりにも残酷な光景に顔の表情が強ばる消防士
世界は残酷だ………。
ここからの記憶は曖昧で気づいたときには病院のベッドで寝ていた。
目に焼き付いた光景は炎の中に立つ不気味な影と頬にあたる雪の冷たさであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「………あ………あか……!…………茜!ねぇ!茜ってば!!」
誰かの声で夢の中から引き釣り戻される
「……う………えぇ?」
「起きた!授業終わったよ!」
寝ぼけ眼で時計を見ると12時を指していた。
「……あれ?」
「あれ?じゃないよ!もうお昼だよ学食行こうよ!」
少女の声と共に頭の中が覚醒していく。
茶髪がかったショートヘアーの少女がいる。
「おはよ……めぐみ」
「おそようだよ!茜!てかごはん!」
そう少女に言われ突っ伏していた身体を起こし食堂に向かう。
ふと窓ガラスの外は雪が深々と雪が舞っていた。
「結構雪降ってきたね」
「うん」
漠然と話し掛けられそれに答える少女
表情はあまり変えない
「今日さ茜、珍しく居眠りしてたね。推薦もらってるし受験勉強じゃないでしょどうしたの?」
「ちょっと気になる本があって読んでたら結構いい時間になったの」
そう答えると少女は瞳を覗き込んで
「ふぅーん…茜って何時に寝てる?」
「…21時」
「おばあちゃんかよ!」
少女は笑っていた。
「ダメかしら?」
「ダメじゃないけど結構、夜遅くまで起きてる人多くない?昨日何時に寝たの?」
「……23時」
「マジ?」
「うん」
「ぷぅ!……健全やしない?」
少女は手で口を押さえ笑っていた
「ダメかしら?」
「全然OK寧ろ茜らしくていいと思うけど私なら24時くらいでも平気だけどなぁ……」
「………おばあちゃんだと?」
眉を潜める少女
慌てる短髪少女
「ダメではないって(笑)個人の意見だからごめんって…」
食堂に向かう際に話す他愛もない会話
さっきの夢がゆっくりとうっすら闇に消えていく。
短髪少女といるときは落ち込んだ気持ちも少し元気がもらえる。
正直、少女と短髪少女の陰と陽の関係であるためあまり接点は少なかった。
「ねぇ…聞いていい?」
少女が質問する短髪少女はえ?と驚いた表情をする。
「いいけどどうしたの?」
「なんとなく、何で私と絡むの?」
「何で?」
「うん…私はけして社交的じゃないコミ障だしめぐみはクラスのムードメーカーあまりにも接点がないし」
「うぅーーん……コミ障とか関係ない私は私だし、一緒にいたいなと思うから茜といる。それじゃ不満かね?」
「ううん…そんなこと無い」
そう答える少女に嬉しそうにニコニコする短髪少女
「ほんと今日は珍しい!今日はもしかして槍でも降るかもしれんね!」
そう短髪少女が少女を茶化す
心の中で少し表情を崩した少女であった。
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
キーンコーンカーンコーン………。
授業の終了のチャイムが鳴り響く。
帰り支度をしている少女
短髪少女が近付いてくる
「あのぉ……茜先生、今日勉強教えていただけますか!」
短髪少女がそう言うと少女
「…いや」
「えぇ……あかねぇさんよぉ……そんな殺生なぁ」
少女の太ももに擦り擦り頬を寄せる短髪少女
「やめて…めぐみ」
そう少女が言う
「だってぇー最近、家で勉強しても集中できないし喫茶店にいったら誘惑に勝てないしー学校でやるの辛いしーあかね先生の家で勉強教えてよぉー。」
「めぐみそう言って家で勉強した時1時間も持たずに寝たり家の中徘徊してたでしょ」
「うぅ……………。」
少女のキリリとした瞳で短髪少女を見る。
「だってぇ……凄い家広いしなんか凄いなぁーと思って探険しちゃったと言いますか…あれだけ凄い家だとフツーしちゃうよねぇ~て感じだしぃ……てか徘徊じゃないし探険だし探険隊のめぐみ隊長だし(# ̄З ̄)」
ブツブツ文句を言い出す短髪少女に呆れる少女
「今日だけね…」
少女が言うと短髪少女は瞳をキラキラさせて少女を見てくる
元々、顔はかなり可愛い系の顔をしており非常に顔が整っている。
「ホントに!心の友よ~~」
抱き締めてくる短髪少女に釈然としない少女であった。
少女の家は電車で40分程の距離がある。
駅を乗り継ぎ少し山道を歩くと大きな家があった。
かなり大きな日本家屋でかなり風情のある佇まいをしている
しっかりと庭師に手入れされた庭園と奥に佇む道場があるとんでもない家である。
「うひょーほんと茜の家ってでっかいねー道場付きだし!」
短髪少女が言う
「これは叔父さんのお家……私は居候だから」
「変わんないよ!てか立派な門だよね!」
鼻息の荒い短髪少女であった。
「早速、お邪魔しまーす!」
短髪少女が勢い良く玄関を開けると人影がいた。
「ん?いらっしゃい」
「どうも!」
スーツ姿の男性が立っていた。
スーツに似合わない無精髭を生やした男性である。
「ただいま帰りました」
「おぉ~お帰り茜ちゃんと……」
「新原めぐみです!茜さんにはお世話になってます。」
「あ~前来た子だね。ゆっくりしていってね。」
「叔父さん、その格好どうしたんですか?」
「ん?あ~ちょっと仕事で込み入った会議が急にできてしまってね」
「そうですか」
ジッと叔父さんを見る少女
「なんだ、かっこ良くて惚れっちゃったかな?」
「いいえ」
「ははは~即答かぁ~」
いつもは作務衣で家にいるし外に出掛けるときも基本的は作務衣なので面くっらってしまったのである。
「茜ちゃんすまないけど叔父さん結構遅い時間になるから夕御飯はめぐみちゃんと済ませてかまわないよ」
「わかりました」
「じゃ戸締まりちゃんとよろしく」
ウインクをして叔父さんは去っていった。
「イケおじですな」
「どこが?」
「高身長、筋肉質な体型、渋カッコいい顔、イケボイス」
「……ん?ただのおじさんよ」
「まぁ性癖的に刺さる人もいるんだよ」
「そんなものなの」
「そんなもの………はぁ!…もしや今流行りのパパか……」
「そんなわけないでしょ」
「どうだか昨今、SNSで色々繋がれる時代ですからわかんないですよ~」
「……叔父さん、私と同じでガラケーよ」
「えぇマジ?」
「ほんと」
ガラケーを見せる少女に短髪少女が呆れる。
「せめて茜はスマホにしようよ。さすがに!」
「連絡するには事足りるし私はこれで十分よ」
「ほんと頭が固いなぁ~~」
「ほら家に帰ってきたのに玄関でしゃべるのはやめましょ」
「うぇ~い……」
少女はそう話を切り上げ玄関を閉める。
釈然としない短髪少女はジト目で少女を見ていた。
あれからどれくらい立ったのか
時計に目を向けると18:20を指していた。
下校して帰ってきてから2時間ほど勉強をした
「だぁーーーーーパンクするぅ~~」
短髪少女は大の字になってフローリングに倒れる。
「お疲れ様、ごはんでも食べよっか」
「手料理ですか!」
目をキラキラさせながら少女を見る短髪少女
「うん、簡単なモノをね」
「ごちでぇーす」
「めぐみも手伝って」
「えぇ~料理できない……。」
「できるできる。用意するよ」
二人で部屋から出てリビングに降りていった。
結果としてしょうが焼きを作り
短髪少女が美味しそうに食べている姿にほんの少し嬉しそうな少女であった。
ご飯を食べてから完全に集中力を切らせて短髪少女は結局、お家冒険こと徘徊をしていた。
21時近くになると短髪少女の母親が車で迎えに来た。
「茜ちゃんありがとねぇ~」
「いえこちらこそ遠くからすいません叔父さんが今日は急用でいなかったので。」
「気にしないで!」
短髪少女の母と少し話し
「じゃあ茜お休みぃ~~」
短髪少女が嬉しそうに笑顔で手を振って帰っていった。
手を振り返しながら
「お休み」
見えなくなってからポツリと声がでた。
夜空を見上げれば満点の星空を隠すように雪が夜空にカーテンをかける。
「冷たい…でも痛くはない……。」
そう呟いて家に入った。
時間はかなり経過し深夜24時
今日の夢のせいか寝付けづにいる
「まだ自分も子供なんだな……。」
大人ぶっても芯はまだ子供である。
悪夢を見れば寝付きが悪くなるもの仕方がないがこんなにも寝付けないのもかなり久しぶりであった。
しばらく本を読んでいると外から聞き覚えのある車の音が聞こえた。
叔父さんが帰ってきたのである。
ガチャンと鍵を開ける音とガラガラと玄関を開ける音が聞こえる。
「おぉ、起こしちゃったかな?」
階段から覗き込む顔が見えたらしい
階段を降りていき
「いえ、お帰りなさい」
「うん…ただいま、珍しい寝付けないのかい?」
「いえ、本に集中していたので……。」
「ふぅ……そうか」
目を手元に映すと少女の手には本が握られていた。
本のタイトルを読もうとすると
「リョウジ叔父さんはもうご飯、食べたんですか?」
そう聞くと叔父さんが
「え…あぁ…会議をしっぱなしでなにも食べてないだ」
そう答えた。
「まだ夕飯の残りがあるので温めますね。」
「いや自分でやるよ。ありが…」
「いえ、私がやります。」
強めの口調で叔父さんを制す少女に一瞬驚くが直ぐに表情をいつもの優しい表情に戻す
「そうか、なら茜ちゃんに任せようかな先にシャワーを浴びて来てもいいかな?」
そう叔父さんが少女にうかがうように聞くと
「どうぞ」
と言い放ちリビングに消えていく。
「まだまだ、彼女も子供か……接し方が難しいよ。姉さん」
自室に向かうひとつ手前の居間にある仏壇を眺めながら呟いていた。
叔父さんがシャワーを浴びて戻ってくると夕飯が用意されていた。
「茜ちゃんありがとうねぇ」
「いえ……」
そう言い本を読みはじめた。
そこから少々の時間が経った。
「茜ちゃん…嫌な夢を見たのかい」
少女は何も言わず本から目線を反らしフローリングを見ていた。
「……ホントは君に寄り添い励ましてあげるべきだっただが自分は君に対してどう接すれば良いか分からなかった。今ならもっとこうすれば良かったとさえ思うことがある。もし辛かったら叔父さんにも話してくれないかな。少しでも茜ちゃんを理解したい少しでも気持ちが楽になれればと……。」
ゆっくりと顔を起こし少女は叔父さんに視線を向ける。
「ありがとうございます……でも叔父さんには分からないと思います。目の前で……両親が死んだ姿を………見るのも……燃え盛る炎の中で焼ける姿も……何で私だけ助かったのか…何で私だけお父さんもお母さんも置いていったのか………叔父さんにはわからないです……………。」
「違うよ茜ちゃん、新一さんも姉さんも君を守るために……」
「そんなの私は望んでいなかった!!」
ダン!大きな音を立てテーブルに本を叩きつける少女
「叔父さんにはわからない!この気持ちも12年苦しんできた心も!………あなたに分かりっこない!!!」
静まり返るリビング……居心地の悪さに逃げるように少女は急ぎ足で自室に戻っていく
「あ……茜ちゃん!」
叔父さんが少女の名前を呼んだが振り向きもせず自室戻っていった。
少女はベッドに潜り込み泣いていた。
叔父さんの優しさを蔑ろにし感情でぶつかりすぎた自分を責めていた。
コンコンとドアをノックする音が聞こえる。
「……………茜ちゃん、本はここに置いてく。もし何かあったらまだ仕事関係で書斎にいるから………。…………すまない。」
叔父さんはそう言い
書斎に行く足音だけが聞こえた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ドゴォーーー!!!!
とんでもない爆発音で少女は目を覚ます。
泣き疲れたのそのまま寝ていた。
「…なんの音?え?」
階段を降りていくと叔父さんの書斎がとんでもない業火につつまれていた。
「え……うそ……うそ……叔父さん!」
必死に駆けていく叔父さんの書斎からとんでもない炎が漏れだしている。ドア焼け焦げている。
熱風で良く見られないが部屋の外に叔父さんが横たわっている。
近くにある花瓶に手を伸ばし身体にかける。
必死に業火の炎の近くまで近より必死に叔父さんを引っ張る。
少しでも火の手の少ないところえ少女は無我夢中で叔父さんを引っ張った。
「叔父さん!……叔父さん!…死んじゃいや……叔父さ…………」
必死に叔父さんを呼ぶ声が急に止まる
そう少女は声を失った。
あのとき見た不気味な影
12年前5歳の少女の脳裏にこびりついた最悪の記憶、悪夢
悪魔のような化け物の影が
叔父さんの書斎にいたのである…………。
少しづつ投稿していきます!
もし良ければ次回投稿も楽しみにしてください!