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祝福の天使は喇叭を吹く

 祝福の天使は喇叭を吹く。

 それが彼の使命。

 神の愛し子・人間達に、影のように寄り添いながら。


 ささやかな思いやり。

 自覚すらあやふやな優しさ。

 微笑みかけ、声をかけ、沈んだ心へ元気を届ける、数多の無名の人の許へと。


 祝福の天使は喇叭を吹く。

 発した本人でさえ気付かない、ささやかすぎる善の光を寿ぐ為に。


 思いやりに。優しさに。微笑みに。声かけに。


 祝福の天使は喇叭を吹く。


 思いやりが心へ届くよう。

 優しさが胸にしみるよう。

 微笑みが乾いた瞳を潤すよう。

 声かけがすんなり耳の中へ入ってゆくよう。


 願いながら天使は、ささやかな善を寿ぎ、喇叭を吹く。


 そのささやかな音色おとがたとえ、喧騒に紛れてしまっても。

 あるいは、怒りを抱えた人々が刺々しく交し合う声に、かき消されそうになったとしても。


 祝福の天使は喇叭を吹く。

 朝に、昼に、夜に。

 決してあきらめることなく。


 それが彼の使命……否。

 彼の、心が選んだ、望みだから。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「ささやかな善」って、じんわり温かくなる言葉ですね。あってもなくても同じ……なように見えて、やっぱりあった方が嬉しい。そんな淡い祝福が積み重なって、大きな福へと繋がっていくこともあるのかな…
[一言] 聞こえる……ラッパの音が( ˘ω˘ )
[一言] 喧騒に紛れるラッパの音色を感じます! 良い詩でした (*´▽`*)
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