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Sを先輩に披露する

「ほら北野、ちゃんと歩けってば」

 石みたいな北野を引っ張りワックを訪れると、良く知った先輩の顔があった。

「……泡沫先輩」

「ん? あ、淀橋〜」

 泡沫先輩はいつものごとくヘラッと笑った。入学いらい久しぶりのその笑顔は、最近増えたメガネと言うアイテムによって憎いくらいにカッコいい。

 泡沫先輩は僕の中学の部活の先輩だった。たしか、メガネがなかった頃は凄い普通の、何の特徴もない先輩だったんだけど、僕が入学したころには、萩本先輩と言うめちゃくちゃカワイイ人が彼女で、原田先輩と言うこれまためちゃくちゃカッコいい人が親友という、後輩からも一目置かれる存在になっていた。

「あれぇ、その子は、最近噂の淀橋の彼女っぽい後輩じゃないか!」

「違います」

「違うの? あ、もしかして先輩!?」

「そこじゃねぇよ」

「あはははは!」

「原田ー」

「杏ちゃん誰その子! まさか浮気!?」

「ゆりかストップ。これ淀橋の彼女」

「だから違います!」

 そんな掛け合いを続けていたら、北野がようやく正気を取り戻した。

「ファーストフードは……食べないわよ」

「いきなりそれかよブルジョワ。張り倒すぞ」

 一瞬にして泡沫先輩達の空気が冷え固まるのを感じたけど、それは無視して、今回だけは特別に北野のために上斜め45度の角度から見下ろしてやった。

「へへー……カッコいいわねチクショウ」

「うぜぇんだよ」

 そのまま軽くどつくと、嬉しそうに頬を染めた。

「えーと、淀橋?」

「何すか、先輩」

 戸惑う様子を見せる泡沫先輩の方を、有りっ丈の爽やかな笑顔で振り向いた。

「何か、そんなキャラしてたか?」

「やだな先輩」

 僕は笑顔を持続させながら言い放った。

「高校デビューって言うでしょ」


 相変わらずだけど、原田先輩は大爆笑していて、萩本先輩はまだ泡沫先輩を疑い続けていた。

「……ま、お互い色々変わったね」

 そう言って泡沫先輩はヘラッと笑った。癒やしの笑顔だ。

 でも僕は泡沫先輩の許容範囲が広がり過ぎたのが一番の変化だと思いますよ。ま、宣伝するつもりじゃありませんが、どこかに泡沫先輩の過去が描かれた小説があるとか、ないとか。

たすけてー……文字数が少ないですよね

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